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2018年5月 9日 (水)

平昌五輪以後、急速に朝鮮半島の事態が高まって来た。特に先週から今週に掛けて目まぐるしく事態が進む。

米朝首脳会談を控えて、先週から今週は、様々な動きが集中しました。3月に行なわれた初の中朝首脳会談。金正恩は平壌からトコトコ鉄道で北京まで習近平詣。まぁ大歓迎を受けたわけだが、さらに今月7日~8日にまた今度は、平壌から大連まで空路で習近平詣。お互い何を会談したのか、詳細は曖昧だ。

ポンペオはCIA長官の身分で4月に極秘裏に北朝鮮を訪問し、金正恩と会って折衝をしている。彼は北朝鮮の事情は知り尽くしていて、更に北朝鮮には強硬派だ。きっと金正恩は震え上がって、習近平の庇護を求めるために、初北京詣をしたと見る。ポンペオはその後議会の承認を得て、ティラーソン国務長官更迭後の後釜に座っている。金正恩追い詰め作戦の実行隊だ。そして、9日の今日、再度北朝鮮を訪問して実務的な折衝を行っている。3人の米国人の人質を奪還するとの話も出ている。

国内では、9日の今日に、日・中・韓の首脳会議が行なわれて、三者会議の他にそれぞれ二者会議も行なわれている。夜にはその結果が会見されるだろう。建前は経済問題だろうが、北朝鮮問題が主題であろう。その前に安倍総理は4月17・18日にフロリダでゴルフも交え、トランプ大統領と数回の会談を行った。ともかく北朝鮮の金正恩は、何とか核兵器と化学兵器を温存しながら、小出しに規制緩和と経済援助を引出し、以前数回やった居直りで、また核兵器、ミサイルを使った恫喝で我が意を得ようとしているのがミエミエだ。・・・・・

流石に、米国トランプ大統領、安倍総理も、もうその手は食わないよ!と強行な姿勢で挑んでいる。さらに究極は、トランプ米大統領は8日午後(日本時間9日未明)、主要6カ国(米英仏独中露)とイランが2015年に結んだ核合意の離脱を表明した。トランプは「史上最悪の合意」と批判しており、合意から離脱をした。後は、英仏独中露でやってくださいと。米国はイランに対して強烈な経済制裁を再現しますよと。

これは彼の選挙公約の一つであって、さらにこれはオバマ前大統領の置き土産だった。これ完全な核放棄の合意ではなく、2025年までは核開発はしませんという合意で、その後は核開発をやってもいいですよという中途半端な合意だった。

さらに、イスラエルのネタニヤフ首相が、イランは核合意を守っていなく、密かに計画と実行を始めていたと、テレビですっぱ抜いた。トランプはネタニヤフとは朋友で、それを口実のきっかけにしたと見る。イランと北朝鮮はおおいに繋がっている。先々北朝鮮に核兵器の放棄を約束させても、従来からの疑惑、核兵器やミサイルについて、イランと北朝鮮は関係が深く、開発に必要な知見はお互い交換しあっていた証拠が沢山ある。

北朝鮮の核兵器、ミサイルなどが秘密裏にイランに隠され、またはイランに売られる疑いが濃厚なのだ。米国時間8日に一方的にトランプがイランとの核合意の離脱表明で、北朝鮮の金正恩は、直立不動になってビビったのではないだろうか。こりゃ、本物だ逃げられない!と。米朝首脳会談の前にこの事態。だから恐れおののいて、急遽大連に行き、習近平の庇護を求めに行ったのだろう。

予定されている米朝首脳会議を金正恩の方からキャンセルすれば、より強行な経済制裁が待っている。もし会談が実現すれば、いわゆるリビア方式「完全で検証可能かつ不可逆的な方法による生物・化学兵器も含む大量破壊兵器と、全ての射程のミサイル廃棄」⇒(CVID)について合意しなければ、トランプは席を蹴ることになる。謂わば金正恩は雪隠詰め状態に追い込まれる。

今の北朝鮮は、昨年からの国連を通した経済制裁、特に今年になってから、中国・ロシアも経済制裁に加わったので、国内経済は相当効いてきているはずだ。抜け道があっても、次々潰されている。かつてケネディーがやったキューバへの海上封鎖も再現されるかもしれない。

34歳の若造の金正恩が昨年よりミサイル実験、核実験で関係国を脅しまくって、平昌五輪を期に180度変更して、平和を愛するヒーロになり、なんとか祖父、父親のやったことを踏襲して、援助と経済制裁緩和をロードマップに描いたのだろうが、国内では権力を使って、反対者を粛清しまくり、向こうに敵なしを構築し、金正恩様の世界を作り上げたが、米・日・中・韓や他国は、そのようなことは通用しない。

立場は違うが、オイラも30代の頃の自分を思い出すと、いかに若造だったかを思い出す。3代目という恵まれた立場で、自分の思い通りなると錯覚した金正恩、中身はイエスマンに囲まれた中で、我が儘放題のボンボンだろう。もし、米朝首脳会談で、トラップの方針が可能となり、休戦協定が平和協定となり、南北のいがみ合いが無くなったあとどうなるか。

リビアのカダフィーは、2003年に開発中の核兵器、ミサイルを検証の上放棄させられ、それで経済制裁を解かれた。これがリビア方式だが、・・・

CIAと英国の秘密情報組織、MI6の要員を含む専門家集団がリビア入 りし、核兵器、核製造に必要な関連物資、核運搬用のミサイル、製造施 設、一連の計画に関する書類など全てを押収、化学物質はリビア国内で米 英作業部隊の監視の下で破壊され、書類は全て国外に持ち出された。

カダフィ氏は全てを受け入れて生き延びた。但し、彼は10年にチュニジア でいわゆる中東の春と呼ばれる民主化運動が始まり、その広がりの中で11 年に群衆に殺害された。

正恩氏が核を放棄すれば、カダフィ氏やフセイン氏のように命を奪われる という言説があるが、右の2つのケースが伝えているのは全く別の教訓で はないか。フセイン氏は核兵器を持っていなかったが持っている振りをし て査察を拒否し、米軍に殺害された。カダフィ氏は核兵器製造を明らかに し、査察を受け入れ、8年間生き延びた。

氏を殺害したのは前述したよう に、リビアの国民であり、それはカダフィ一族による専制恐怖政治が招い た結果だ。 2人の指導者の異なる運命を正恩氏が把握すれば、どちらを選べば氏の命 脈が守られるかわかるはずだ。

さて、南北は統一し連合国家を作るんだと息巻いているが、常識で考えて大変難しいだろう。南北自由に出入りが出来るようになれば、当然自由を求めて、北の国民は南になだれ込んでくるだろう。北の収容所で無残な生活を強いられている国民は?60年以上独裁国家のなかで洗脳されていた国民が、開放された時、金正恩の元に従うのか?

東西ドイツは統一したが、少なくとも東ドイツは王朝独裁国家ではなかったし、情報も遮断されていたわけではない。もともと、朝鮮は民族的に非常に格差社会・差別社会だった。いまでも済州島の国民は本土から差別をされている。同じ民族だからとよく云われるが、トイツのように均一な民族では歴史的になかったのだ。また北と南は朝鮮戦争で200万人単位で殺し合った。ドイツは東西で殺し合ったことはなかった。

もし統一に近い状態が与えられたら、金正恩はいずれかの時期にクーデターで惨殺か、カダフィーのように民衆に惨殺されることになるのではないか?あの日本の相撲取りを真似たのか、あの無理やり太った体は、習近平と一緒に並ぶ時はサマになるが、近い内に心筋梗塞でぶっ倒れることになりそうだ。相撲取りが元気なのは、その体力に見合う激しい稽古をしているからだ。酒を喰らい、ダバコを吸い、女を抱き、ハードな運動をしない金正恩はどちらにしても長く生き延びれないだろう。

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