レンタル振り袖衣装「はれのひ」に騙された娘さん達、成人を前に良い勉強をしましたね。
今、テレビのワイドショーでは、相撲が一旦ケリを付け、1月8日の成人式に振り袖衣装で出席できなかった、可哀想な二十歳女性の話が連日だ。原因はレンタル振り袖会社「はれのひ」が、当日トンズラしてしまい、カネは払ったが設営会場はもぬけの殻で、騙されたという顛末だ。
この成人式のイベントは、そもそも戦前からあった通過儀礼を参考に、1946年今の埼玉県蕨市において行われた青年祭がルーツと云われていて、
1948年(昭和23年)に公布・施行された祝日法により、「おとなになったことを自覚し、みずから生きぬこうとする青年を祝いはげます」の趣旨のもと、翌1949年(昭和24年)から、1月15日を成人の日として制定した。それ以降、ほとんどの地方で成人式はこの日に行われるようになった。その後、1998年(平成10年)の祝日法改正(ハッピーマンデー制度)に伴って、2000年(平成12年)より、成人の日は1月第2月曜日へ移動している。
オイラの成人式は1968年で、新宿区から招待通知が来たのだが、面倒くさいので一人住まいの部屋にいたら、近所に住んでいて高校同級生のイサ坊が遊びに来て、成人になったのだから酒を飲もうと、一升瓶とツマミに酢だこ、シメサバを買って来て、部屋で飲んだ思い出がある。・・・・・・・
まだ成人式というのは、今ほど流行っていたわけではなく、一部は親の指導のもとに参加した男女が多かったと思う。その年、父親が、自分の弟(オジキ)に命じて、浅草でオーダーの背広を仕立ての段取りをし、その寸法取りに仕立て屋に行った記憶がある。そのオジキは浅草などで顔が広く、どちらかと言えば、右翼団体の顔役だった。その背広は今でもなぜか洋服ダンスに収まっている。
当時のニュースを思い出すと、一部金持ちの家の娘さん達は振り袖衣装もいたが、ほとんどが洋装だった。男は学生服が多かった。もちろん背広姿もいたが、主流ではなかった。その頃から比べれば、今は女は振り袖衣装、男はカラフルな色の羽織袴だ。こんなものにカネを出せるようになったというのは、豊かになった証拠だろう。
女の振り袖衣装や男の羽織袴は貸衣装が多いだろうが、それでも着付けや付属品を含めれば、10万円前後。更に振り袖衣装購入となると、50万円前後を覚悟しなければならない。それもほとんど成人式で着るのがメインで、あとは目出度い席で着るぐらいだから、まぁ、ほとんどがタンスの肥やしだ。
1996年、1999年、2004年と3人の娘が翌年成人式を迎えるに当たり、オイラは、洋装でも良いではないかと。または貸衣装でも良いだろうと。カミさんは、振り袖衣装を購入するの一点張りで、その代わり3人の娘はそれを使いまわすと。まぁ3回の貸衣装代を計算すれば、買うのと同じような金額になる。当時、オイラの事業での収入が調子悪く、また子供室の改造などで出費も多く、あまり積極的にできなかった。そこに救いの神登場で、父親が自分がその分を出してやろうということになった。そんなこんなで、娘の振り袖衣装経費の一件は片付いた。
どうやら、今回の件のニュースでは、その子にとっての祖父や祖母が出費してくれた事例が多くあったようだ。まぁ豊かになったとは云え、親は子に全般的な経費が掛かる毎日なので、最後の出処は祖父母という、まぁ厄介な成人式模様となったものだ。
しかし、ここ十数年荒れた成人式報道を見るにつけ、成人になったことを祝うのなら、このイベントを思考停止で継続するのではなく、なにか別の祝い方が出来ないものかと考える。マスメディアが荒れた成人式を報道すると、馬鹿達が有頂天になり、メチャメチャな成人式になってしまって来た。助長させ煽ったのは、無責任報道のテレビメディアとも云える。
1987年の成人式のとき、協賛していた青年会議所からと、オイラが式典で講演をしたのだが、会場を見渡すと、その羽織袴の十数人が、酒も入っていたのだろう、邪魔とまで言わないが、あまり静聴していなく、講演中焦ってしまい、静聴している女性陣に向かって面白おかしく話を進めた。
これらの成人式の意義を問い、衣装屋の売上の為にやっているような現状を変えるべきで、もう戦後の貧しい時代を克服したのだから、辞めたらどうなんだという声は多くある。しかし、地方行政の首長はそこまでの勇気がない。
まぁ今や、その金額で海外旅行ができるようになった。たった一日の衣装代と海外旅行。比べられる次元ではないが、あまり賢いカネの使い方ではない。二十歳と言えば今や半分が脛かじりの学生で、親が出費してくれるから成人式衣装を着ることができるが、そうでない家庭の場合、特に女性は振り袖衣装が常識になると、個性にもよるが恥ずかしくて式に出られないということになる。実際多いそうだ。
それこそ、野党や左派メディアは「これは差別だ」となぜ騒がない。日本のGDPに少なからず貢献しているからというのか。または業者がスポンサーになってもらっているからと言うのだろうか。またこれらの式には、必ず次の選挙の為に議員さん達が顔見世披露。
法改正で来年からは成人は18歳だと。だから来年の成人式は、20歳、19歳、18歳の合同成人式だと恐ろしい事態になりそうだ。これを機会に各首長は成人式撤廃宣言を出せないのか。もう成人式は地方行政が主催するのではなく、もっと小規模に地味に祝うイベントにすべきと思う。
おっと、これを一読の事
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