あの英国ロンドンで、いまどき信じられないような建物火災が起こりました。もしかしてテロ火災の疑いもありそうです。
いまどき、あの英国ロンドンで、こんな大火災が起こるとは信じられません。まるで木製のやぐらに火を付けたようにメラメラと炎が高層マンション全体を包んでいる。
脱出者の携帯に建物内部から着信が…「火の広がりはすさまじく速かった」 取り残され多数か 2017.6.14 13:43
【ロンドン支局】英ロンドンの高層アパートで14日発生した火災。火は深夜のアパートを一瞬で包み、周辺は大混乱となった。「こんな火は見たことがない」。何もできぬ目撃者を前に建物は燃え続けた。
「寝る準備をしていたとき、隣人が(異変を知らせに)ドアをノックした」。英スカイニュースの取材に脱出した男性はこう話した。彼の携帯電話は内部に取り残された人から着信があるといい、まだ脱出できない住民は多数いるもようだ。男性は「火の広がりはすさまじく速かった」と振り返った。
火災が起きたの「グレンフェルタワー」という1974年に建設されたアパートで最近改装されたという。火の勢いは強く、目撃者の1人は「火が強くて消防隊員も近づけないようだ」と話した。 現場周辺は警察により封鎖され、
近隣住民は遠巻きに見ているしかない状況だという。英BBCに目撃者の1人は「上層階でトーチのようなものを点滅させている人を見た。明らかに外部に脱出することはできなかった」と語った。
この建物は1974年の建設された、24階建ての高層アパートだそうだ。・・・・・
まだ、死者の数は発表されていないが、火災は14日午前0時過ぎに発生し、そこから炎上したと。
1974年当時はオイラ日本で建築設計の修業に励み始めたころだが、建築基準法や消防法によって、アパートの各戸は耐火区画がされて、玄関ドアは甲種防火戸(鉄板戸)で区画しなければならなかった。当然このような防災の制度は欧米からの思考だと思っていたのだが。
また、共用廊下、階段なども内装制限ということで、不燃材での仕上げとなる。エレベーターも耐火区画がされる。だからその火災発生した戸内だけの火災で終るようになっている。さらに2方向避難の設計が必要とされ、一般には廊下から避難階段とベランダで隣のベランダに避難出来るようになっている。隣のベランダには遮蔽板がはめられているが、それは簡単に破ることが出来るようになっているか、床ハッチで階下のベランダに降り非難ができるようになっている。
さらに、この画像のように全部が燃え広がるようになることはあり得ない。これは21世紀のロンドン大火災だ。 ロンドン大火災
これは1666年9月1日に今のシティーがある地域で起こった大火災。それまで圧倒的にロンドンは木造の建物が多かった。そもそもパン屋のかまどから出火した火災は4日間燃え続け・・・・
9月1日、パン屋のかまどから燃え広がった火は4日間にわたって燃え続け、ロンドン市内の家屋のおよそ85%(1万3200戸)が焼失した。意外にも死者は少なく、記録されているのは5名だったが、市民は燃え広がる火を前になすすべもなかった。このように燃え広がった原因は大火以前のロンドン市内では家屋のほとんどが木造であり、街路も狭かったためである。
その後、都市計画で道路の整備が行なわれ、家屋も煉瓦造り、屋根は木造でも不燃材で葺くように法律が作られた。もちろん大規模建築も今の日本の規制の元になった。
炎上は2階から最上階まで燃え尽きたと。外装材を見ると不燃材ではないように見える。また深夜の発生で、住人はほとんど就寝中で逃げる時間もなかったのでは?相当な数の焼死者が出ると考えられる。
この火災によって建物の外壁が周辺に崩れ落ち、近隣の住民が避難しているほか、市内の地下鉄も一部運転を見合わせるなど影響が広がっています。 また現場近くで取材をしているNHKの取材班によりますと、建物が倒壊するおそれがあるとして周辺は広い範囲で立ち入りが規制されているということです。 高層住宅の管理会社のホームページによりますと、この建物は1974年に建築され、120世帯が入居できるということで、最近は外壁の改装や空調システムの設置など大規模な改修工事が行われていたということです。
空調システムの設置など大規模な改修工事が行われたとのことですが、これにより防火区画が全てに渡って完璧ではなくなった恐れもありますね。また本来なら、スプリンクラーの設置がされ、火災時には煙感知器が作動して、シャワーのように水が天井から降って来るのが普通ですが、そのような気配がないようです。そのような設備がされていれば、内装制限解除といって、燃える内装材で仕上げることが出来るのですが。また、どうも手抜き工事が行われた疑いもあります。
どうやら、この建物は防災上違反建築物だったといえますね。なんでも1戸面積75㎡で月27万円前後(新規募集)のアパートだったとか。また逃げた住人の話では火災報知機がなかったのか、作動しなかったのか、そのような警報音は聞かなかったとか。
120世帯×2人として240人。まぁ概算死者は100人を超えそうです。また、住人のほとんどがラマダンの断食中のイスラム教徒だったという話が出ています。ただ焼死者はこれだけ火の勢いが強く、大きいとすでにパウダー灰になってしまって、検証が不可能かもしれません。
数年前にロンドンで1週間程滞在して、ホテル(B&B)はこのバディントン駅の近くで懐かしい場所でした。ハイドパークは何回も散歩をしました。
画像左上の”Grenfell Tower”が現場の建物です。
これから火災原因や最早灰となってしまった遺体の収容ですね。数週間は少なくても掛かるでしょう。いまどき信じられないような、建物火災でした。
追伸記事
昨夜から今朝のテレビ報道で、詳細にこの火災現場が映されていました。昨年外装も改修工事がされていたようです。さらに近年流行りの外断熱工法に外壁を変えたようです。外断熱工法とは、北欧で主流なのですが(数年前中国の西安で高層住宅の現場でも見ました)、以前は外壁は耐火壁材、防火壁材で内壁に断熱材を取り付け、その上に内装材でした。その為、外気の冷温で内壁側の結露が発生し、湿気たり、腐ったりなど瑕疵が発生していたのを、外断熱工法で、」より効果的に断熱をするという理論です。
日本でも新しい住宅には取り入れられています。日本の場合は防火構造といって、断熱材の上に決められた厚さ以上の不燃材を張ります。もちろん断熱材は不燃の発砲断熱材ということになります。
しかし、今回の現場では、値段の安い、燃えやすい発砲断熱材が施工されていたようです。さらにその上の仕上げ材は、多分薄いカラーアルミ材で施工されていたようです。アルミ自体は燃えませんが、約600度以上で溶けだします。すると下にある発砲断熱材がむき出しになり、それが可燃性なら上昇気流とともにどんどん上に燃え上がります。さらにその炎が窓ガラスを破り、各戸の内部に燃え移り、ほとんどを燃え尽くしたようです。つまり外壁全体が可燃の発砲断熱材、簡単に云えば可燃の油で包まれていたという、とんでもない建物だったということです。値段の高い発砲断熱材にしなかった。
また、本来各戸と各戸の堺は界壁といって、防火構造にしなくてはなりませんが、映像を見ると、嘗てのホテルニュージャパンの火災のように、本来防火構造のはずの界壁の跡が見られず、中の焼け跡は一面ガランドウになっていました。避難についても2方向避難の設計にはなっていなかったようです。
発生は4階の部屋の冷蔵庫が爆発したことからとの情報もありますが、まだ未確定情報のようです。これは公営住宅アパートとの情報、担当役人は逮捕されるでしょう。多分昨年の改装については、市の許可が必要で、監理過程で、この断熱材の製品の検査も行われていたはずでしょう。しかしどうやら的確ではなかったようです。(汚職があったのでは?)
施工方法には大きく二つあり、カラーアルミに断熱材を予め張り付けたものを取り付けるプレハブ工法と、カラーアルミで枠を作り、そこに液状化した発砲スチロールをポンプアップして注入する方法があります。多分後者の方が施工は簡単です。
冒頭テロ火災の疑いというのは、これらの弱点をしっている現場の人間が、急所になるよう一部を破壊して、そこに事故を装って火を付ける可能性は0%ではありません。この建物の欠陥を知り尽くした建築関係者なら出来るかもしれません。IS関連ならやりかねませんね。
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