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2015年7月 6日 (月)

晴天の霹靂、ギリシャは国民投票で大差でNOを選んだ。衆愚政治、大衆迎合政治はこんな破壊的なことまでやることが出来る見本だ

まぁ、今年の梅雨は立派な梅雨になろうとしている。これこそ梅雨の季節だ。特にウチの地域は1日から雨の日続きで、もう一週間も続いている。晴れ間なしでだ。2007年の6・7月は雨が多かったが、これほど雨降りは続かなかったが。このままで行くと夏の冷害が予想されるのではないか?まぁとにかく毎日鬱陶しい。運動不足になりそうだ。

さて、5日のギリシャの賛否を問う国民投票。世界的な事前の予想に反して、チプラス首相が目論んだ、反対(OXI)が圧倒的な大差で勝利の結論が出た。ネット論説、テレビ論説では、ほとんどが、トロイカ(EU・ECB・IMF)船団に従うという賛成が僅差で勝つだろうと。まぁ完全に外れたわけだが、ロジカル(理論的)にはまだまだグダグダが続くが、先々のギリシャ国民の為になるだろうだった。しかしエモウショナル(感情論的)が勝ってしまった。

事前にこの投票用紙がネットで明示されていたが、ある論説者が普通は賛成が上で反対が下に並ぶのだが、、この用紙では上下逆になっていたと。また左側に投票に当っての論拠説明文(ギリシャ語)が、非常に分かりにくい難しい説明で、反対投票でもなんとかなるような文だったと。さらに考える時間もたった5日しかなかったなどと指摘をしていた。まさにチプラス政権の行動は、ポピュリズム丸出しで、衆愚政治(しゅうぐせいじ、Ochlocracy )の国民投票とも云える・・・・・・・

有権者の大半が知的訓練を仮に受けていても適切なリーダーシップが欠けていたり、判断力が乏しい人間に参政権が与えられている状況。

その愚かさゆえに互いに譲り合い(互譲)や合意形成ができず、政策が停滞してしまったり、愚かな政策が実行される状況をさす。

また有権者がおのおののエゴイズムを追求して意思決定する政治状況を指す。エゴイズムは自己の積極的利益の追及とは限らず、恐怖からの逃避、困難や不快さの回避や意図的な無視、他人まかせの機会主義、課題の先延ばしなどを含む。

判断力の乏しい民が意思決定に参加することで、議論が停滞したり、扇動者の詭弁に誘導されて誤った意思決定をおこない、誤った政策執行に至る場合などをさす。また知的訓練を受けた僭主による利益誘導や、地縁・血縁からくる心理的な同調、刹那的で深い考えにもとづかない怒りや恐怖、嫉妬、見せかけの正しさや大義、あるいは利己的な欲求などさまざまな誘引に導かれ意思決定をおこなうことで、コミュニティ全体が不利益をこうむる政治状況をさす。

また場の空気を忖度することで構成員の誰もが望んでいないことや、誰もが不可能だと考えていることを合意することがある(アビリーンのパラドックス)。

大衆論の見地によれば、大衆を構成する個々の人格の高潔さや知性にも関わらず総体としての大衆は群集性(衆愚性)を示現する可能性がある。衆議を尽くすことでしばしば最悪のタイミングで最悪の選択を合意することがあり、リーダーシップ論や意思決定における「合意」の難しさは重要な論点となる。

近代民主主義制度においては意思形成(人民公会)と意思決定(執政権)を分離することでこの問題を回避しようとするが、独裁と民主的統制の均衡において十分に機能しないことがある。

直接民主主義のスイスのように人口も少なく、また国民投票で決める事が多い国なら、国民も慣れているし、様々な反省の積み重ねから、国民投票への体制が出来ているが、今回のように5日という短期間で行われ、しかも政権が恣意的に投票用紙を作成した場合、必ずロジカルな思考より、エモウショナルな思考の方が勝ってしまうというのは常識だ。だから国民投票というのは一見、民主主義政治なようだが、使い方を誤ると大変怖い手段となる。

古代ギリシャの都市国家アテナイにおける衆愚政治の再来のような。なにかギリシャの伝統芸のようだね。

ガブリエル経済・エネルギー相はドイツのメディアに、ギリシャのチプラス政権は同国と欧州が歩み寄ることのできる「懸け橋を全て破壊した」と失望感を表明した。ドイツの経済団体の代表は大衆紙ビルトに対し「欧州に対するひどい侮辱だ。ギリシャは自らを非常に困難な状況に追い込んだ」と非難。その上で「ギリシャをユーロ圏に無条件に残留させることはできない」として、離脱もやむを得ないとの考えを示した。  同紙は「ギリシャ人は自らの没落を祝っているのか」と題した記事や、同国旗を振りながらガッツポーズをする群衆の写真を大きく掲載した。(共同)

6月29日は世界の株価指数はギリシャ問題が絡んで、全面下落したが、「ギリシャ国民はそれほど馬鹿ではない、賛成が勝つだろう」との風評に翌日30日からは、やや持ち直していたが、さて今日の株式はどうなるのだろう。6日の欧州の取引が終わる明日、その結果をこの記事に載せます。

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6月30日期限の纏め返済は、債務不履行で、デフォルト扱いではなく、「返済の延滞」の扱いになったが、7月10日にギリシャ国債償還日約20億ユーロ、7月13日にまたIMF、 7月17日にギリシャ国債償還約10億ユーロ、そして直近で大問題になる7月20日のECBに対して30数億ユーロ。現在ギリシャ国内に現金を補給(融資)しているECBへの返済日を迎える。

赤色のTreasury bill holdersとは、ギリシャ国債を持っているドイツやフランスなどだ。特にドイツが多い。だからメルケルの判断が重要になるわけで。まぁこれ以後も延々と償還日、返済日が続いていく。しかしギリシャにはほとんどカネがない。

トロイカ船団は、もうチプラス政権との信頼関係はなくなったと発言した。大人同士の交渉ではなく、チンピラ集団との交渉になってしまった。 6日にもメルケルとオランドがこの対策の為に話し合いをし、7日にはユーロ圏緊急首脳会議をするそうだが、このままギリシャを助け続けても、経済・金融的にはその成果は期待できない。もちろん残債の43兆円をドブに捨てるのなら、なんとかなるのかもしれないが、それらは国民の血税だから、今度は国民が黙っていない。

あとは、政治的解決なのだろうが、やれロシアがー、中国がーと話が出てくるが、どちらも口ばかりで、今や二国とも財政にそんな余裕はないだろう。午前の上海総合の株価指標を見ると、なんとプラスになっているが、これそうとう中国政府がカネをぶち込んでPKOをやっているのがミエミエだ。やがてこの反動がブーメランとなって来る。

今考えられるのは、当分ギリシャは政府借用書(IOU)を発行して対処するだろうとしているが、公務員の給与や年金支払いにこれを使うとしても、一般庶民の暮らしにこれは有効なのかほとんど理解できない。1980年代ごろ中国に行った時、外国人には人民元ではなく、兌換元(だかんげん)で買い物をしたが、これとは違うものだろう。

ギリシャ危機、第3の道はあり得るのか?Q&A:借用書と税額控除証明の「並行通貨」の可能性

とにかくもうとっくにギリシャの金持ち達は国内銀行から現金を引き出し、外国銀行に付け替えをしている。ECBが果たしてこの分をギリシャ中央銀行に充填補給できるのか?できないだろう。莫大な金額になる。するとギリシャ内の銀行は一旦倒産するしかなくなる。国内の金融血管が血栓を起こしてしまうことになる。

トロイカ船団もドイツもフランスなど債権国も、最終的には「民族自決」でギリシャ自らこの道を選んだのだから、仕方がありませんとなりえるだろう。いわば他のユーロ国への見せしめともなり得る。まぁ果たしてそこまでやる度胸が据わっているのかどうなのか分からないが。もちろん2010年ごろのPIIGS大動乱で、トロイカ船団は各負債の整理整頓、また今年3月からは、ギリシャの動向も図ってか、ECBは金融量的緩和を3月から始めて、流動性の確保をしてきている。つまり対策は着々と推し進めてきた。ギリシャのユーロ離脱による金融の大混乱に予防注射をしてきているのだ。

民主国家として、さらに民主政治として一番難しいのは、いかに衆寓政治にならないようにするかだろう。国民はもらえる金や便宜は多い方が良いに決まっている。やはり時としては、「自助」が第一優先であることを国政や教育や報道を通じて自覚させることが必要なのだ。

トロイカ船団は、完全に民主主義を盾にとったギリシャ政治に、特に今年1月からのチプラス政権の手練手管に嵌まってしまい、抜き差しならないところまで追い込まれてしまったと云えるだろう。来年にはギリシャはユーロ圏国ではなくなり(グレグジット)、再来年、数年先には、ユーロ圏国は極少数国しか存在していないかもしれない。(フランス、ドイツとあとは・・・・)

追加:

7月6日の世界の株価指数の終り値です。

中国は政府が介入でPKOに依る買い支えのような。

(画像上クリックで拡大)

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一粒で二度おいしいオイラのブログ:今日の画像

中国 習キンピラ必死!

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