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2015年1月 9日 (金)

パリで起こった今回のテロ事件。これがEU諸国の”多文化共生政策”の廃止に火をつけるかもしれない。

7日にパリ市内にある風刺週刊誌”シャルリー・エブド”のオフィスに、覆面男2人が押し入り、なかで会議中の社員12名を射殺、逃走時に警官二人を射殺した事件。今朝のBS・NHKの”ワールド・ニュース”は、この事件への反響について、スペイン・英国・フランスの報道で埋め尽くされていた。犯人は今のところ3人で、すでに捕まった一人は18歳。逃亡中の二人は、アルジェリア系フランス人の34歳と32歳の兄弟であることが判明していて、パリ近郊の潜伏していると見られる地域を、特殊警官と憲兵が銃器を構えながら捜索中だ。

今朝のニュースは、8日での模様の報道だが、びっくりしたのは、この”報道の自由”を侵されたことに因るフランス国民の反発で、パリ市内はもちろんのこと、様々な地方でも犠牲者に対する黙祷が行われていた。まさにこのテロ犯の行為に対するフランス国民の怒りを静かに表していた。もともと、この週刊誌は風刺画が有名で、政治家やキリスト教・イスラム教などの風刺記事で、特にイスラム教に特化して風刺しているわけではなかった。

ところが、ここが落とし穴なのだが、そもそもイスラム教は偶像表示禁忌の宗教で、全能の神からの預言者ムハンマドを絵にすることは禁忌なのだ。まして漫画として絵にして批判することは、大変な反発を買うことになる。ユダヤ教・キリスト教が預言者や神を題材にして絵で表現して、信者を洗脳し増やして来た方法(偶像崇拝)とは、まったく違った方法で信者を維持してきた宗教がイスラム教だ。・・・・・・・・・

聖母マリア信仰のカソリックが多いスペインやフランス、プロテスタント系が多い英国、ドイツ、さらにイスラム教で世俗主義を執っているトルコなど、ここ数年オイラは円高を狙って毎年立て続けでこれらの国に滞在した。

はっきり言って、日本人のオイラはこの一神教(全能の神アッラーフ別名ヤハウェ)である”アブラハムの宗教”の分派と云える、ユダヤ教(モーゼ)・キリスト教(イエス)・イスラム教(ムハンマド)は理解しようにも理解しようがない。世界ではこの分派だけで現在34億人いるそうだ。内訳はユダヤ教が1500万人、キリスト教が21億人、イスラム教が13億人だそうだ。

またキリスト教も、カソリック、プロテスタント、東方正教会に別れ、またそれぞれが小分けに分かれている。スペインやフランスで観た宗教絵画も面白かったが、疑問として、なぜイエスの母親のマリアが豪華な服装で赤ちゃんイエスと一緒に描かれているシーンばかりなのか?マリアは処女懐妊だって?大工のヨセフがいたじゃないか?と疑問に思うとありゃ養父で、マリアとはやっていませーんとか。馬鹿、精液なくして懐妊するかよ!それにしても低所得者にしては衣装が派手だったり。まぁ、嘘まみれなのだが。

さらに、イエスについてどのような偉業をしたのか皆目わからない。生まれた時から預言者だったと。ただ重い十字架を背負わされ、ゴルゴダの丘で他の二人の罪人と共に処刑をされたと。ハリウッド映画で子供の時からこの手の映画は何度も観たのだが、常に観ながら疑問を感じていた早熟なオイラではあったが。

スペイン滞在では”セナマ・サンタ(聖週間)”の一週間と偶然重なってしまい、どこへいっても聖行列だった。2011年の4月のスペイン。なんと「セマナ・サンタ」の真っ最中に滞在してしまった。2011年4月29日 (金)

まぁ、ともかくキリスト教の世界はEU諸国の世界であることを再認識し、とてもオイラは入り込める余地はないと感じた次第だった。だから話は戻るが、今回のテロ事件でキリスト教フランス人達が国を挙げて立ち上がったことはさもありなんと思う。

風刺漫画の仏紙襲撃 12人死亡 パリ2015.01.08

テロを起こした犯人は「アラーは偉大だ!」と叫び巻くっていたそうだ。ましてこのオフィス(CHARLIE HEBDO OFFICE)のある場所は、パリのど真ん中にある。

Parisofficeattackmap

画像左がルーブル博物館、ポンピドーセンター、下がノートルダム寺院、バスティーユ広場(PLACE DE LA BASTILLE)の上側だ。

昨日まで日本の報道では、イスラム教を名乗っているが、一匹狼的な人物(兄弟)の犯行で、ISIS(イスラム国)や他のグループとは関係ないだろうと解説していたが、米国やフランス、英国の情報機関が調べたところ、どうもアルカイダ系とか。

今EU諸国とくにユーロ圏国の問題は、移民問題となっている。欧州統合政策で、移民が以前に増して、どんどん増え続けている。今回もフランス人でないフランス人、北アフリカのアルジェリアからの移民の2世か3世だ。パリは圧倒的に世界からの観光客が多いので目立たないが、底辺労働者は圧倒的に肌が浅黒い、彫りの深い顔をした移民が多い。白い肌のパリ女、パリ男が少ない。これロンドンでもそうだった。

問題はEU諸国の国境の検査を無くしたために、まず他の国からEU国境をなんとか越えれば、たとえばギリシャ、イタリアに入れば、あとはドイツに行こうが、フランスに行こうが、スウェーデンに行こうが、まったく自由に移動が出来、そこにほとんどがイスラム教系の移民が入ってくる。”多文化共生政策”の行き詰まりがやってきている。

スウェーデン、ドイツ、フランス、英国などの一番頭の痛い問題が、タリバン、アルカイダ、そしてISIS(イスラム国)が活動を活発化するなかで、それらの移民先の国々は静かなる侵略を受けて来ている。まさにハンティントンの”文明の衝突”が現実に起こっていて、これがさらに激化している。

まさに、キリスト教圏とイスラム教圏の戦いで、これは千年以上前から繰り返し起こって来たことが、また再現されているに過ぎないのだ。スペインは嘗てイスラム王朝に国土を占領され、レコンキスタによってまたキリスト教国に取り戻した。ギリシャはオスマン帝国に占領され、第1次世界大戦後にオスマン帝国の没落でギリシャ正教のギリシャに戻ったが、あの2千年以上前のギリシャ文明を造った偉大な、純粋なギリシャ民族は消えてしまい、トルコ系やロシア系の雑多な民族の国となってしまった。北米でもギリシャ系は今や評価が低い。

歴史的に文明の衝突を繰り返してきた欧州が、なぜ警戒心もなく、お花畑思考で”多文化共生政策”をとってきたのか、まったく理解ができない。歴史時代は武力で攻めてきたが、現在は平和裏に水が染み込むように浸入してきて、やがて後戻りができないような複雑な雑多な国になってしまうのだ。まぁ、それを欧州が良しとするなら仕方がないが。

ただ、今回の事件でフランスは震え上がったのではないだろうか?英国も以前から、ドイツも以前から、スウェーデンも以前からなのだが。キリスト教とイスラム教は相容れない要素が多すぎる。キリスト教の禁忌は温和だが、イスラム教の禁忌は厳格過ぎる。面白いのは、中華料理店はイスラム教の国には非常に少ない。それは中華料理は圧倒的に豚肉料理が多いから、イスラム教の国ではたとえ豚肉を扱わなくても、敬遠されるからだ。イスタンブルでも、タクシム周辺では一軒しかなかった。さらに日本人から見ると、そもそもこれら一神教(アブラハムの宗教)を人生の糧としている人種とは、深いところでは理解は無理だろう。理解できるところまで行くには、どちらかに同化するしかないだろうと感じる。

もうすぐ、今回のテロ犯は捕まるだろうが、フランスは死刑制度を廃止した。他のEU国もほとんど廃止していると聞いている。気持ちとしたら、身柄を拘束して裁判で終身刑にするより、ぶ殺してしまえというのが、追跡している警官の心情だと思うが。生かして捕まえれば、今度は奪還テロ事件が起こる。

まぁ、EU諸国は、この件でさらに政治的に盛り上がっている移民制御の政策を主張する野党がますます支持を受けていくことは確かだろう。キリスト教とイスラム教の戦いの再来だ。

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コメント

このパリでのテロの起こった2日後9日、ちょうどそれをねらったかのように、あの植村隆が日本外国人特派員協会での記者会見をした。
「報道の自由」に対するテロと同様だと。自分に対する批判は「報道の自由」を侵すものだと。
なぜ今になってなのだが。
自分に寄せられた言葉の暴力だと憤慨しているのだが。しかし聞いていると、肝心なことは避けて自分に対する誹謗ばかり。これまで言われて来た疑問に対して、丁寧に回答すれば良いのに、なぜ出来ないのか?
どうでも良い話ばかりだった。

植村隆 元朝日新聞記者 記者会見
https://www.youtube.com/watch?v=uUBukmLG5Yw

投稿: | 2015年1月10日 (土) 10時45分

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