FRBがとうとう量的緩和策の終了を決定。次の日に日銀は量的緩和の増額を決定それも最大10年やり続けると。日本は米国の次の金融大国となりそうだ。
一昨日の30日に米国からのニュース。FRBのイエレン議長が、2008年リーマンショック以後米国金融を守る為に出され続けてきた金融緩和の量的緩和策を10月末を最終として終了すると。しかしゼロ金利政策は来年まで続けると。そして昨日31日の日銀黒田総裁は、今後積極的に金融緩和を拡大させると。まるで米国と日本は連携しているかのように思われる。偶然にとは考えられない。
日本の場合あの80年代から90年代に続いた不動産バブルで、これを早々に潰すために、金利の引き上げをして、不良債権満載の銀行がばたばた潰れた。粉飾決算などノンバンクなど等。まぁ、当時銀行はバブルに踊ってやりたいようにやっていたわけだが。銀行や保険会社がばたばた潰れ始めたので、慌てて金融支援をした経緯がある。無責任な劣化した銀行が潰れて、吸収合併されたことは良いことだが、あまりにも多く行き過ぎると、日本全体の金融体制が揺らいでくるわけで、日銀も参加して救援をしたわけだ。
長銀が潰れて新生銀行になったり、都市銀行、地方銀行、信用金庫などほとんどが現在は入れ替わっている。米国は2008年まで盛り上がった、サブプライム金融、CDS、CDOなど不動産バブルに基づいた金融バブルの処理について、FRBが不良債権まで含めて買い取ることで、処理をしてきた。約7年間に渡っての量的緩和の実行だった。これは要するに、不良債権をFRBがその分の貨幣を刷って買い取るということ。大幅なマネーの供給(マネーサプライ)で、そのマネーは米国内だけでなく、世界中に投資という形で供給されていた。・・・・・・・・
FRB、量的緩和終了を決定…ゼロ金利は維持2014年10月30日
米国の中央銀行にあたる米連邦準備制度理事会(FRB)は29日、金融政策を決める連邦公開市場委員会(FOMC)を開き、国債などを買い入れ市場に大量のお金を供給してきた量的緩和策を今月いっぱいで終了することを決定した。
事実上のゼロ金利政策は「相当の期間」維持するとした。2008年9月のリーマン・ショック以降続けられてきた異例の超金融緩和政策は節目を迎えた。
中央銀行は通常、政策金利の上げ下げで金融機関の貸出金利に影響を与え、景気を刺激したり過熱を抑えたりする。しかし、FRBは08年12月に金利を年0~0・25%とし、さらに下げる余地がなくなったのと前後して、国債などを金融機関から買い上げて直接お金を流す量的緩和に踏み切った。日本銀行も昨年4月から2回目の量的緩和を実施している。
FRBが今回終了を決めたのは、12年9月に始めた量的緩和の第3弾(QE3)で、最大で月850億ドル(約9・3兆円)分の国債などを買い入れてきた。雇用改善や景気回復を受け、14年1月以降減らし始め、10月は150億ドルになっている。
量的緩和策とは、FRBが国債や債権を引き取る代わりに、その分お札を刷ることだ。米国では、2008年からQE1、QE2とそして直近のQE3を続けてきた。QE(Quantitative easing)とは
金利の引き下げではなく中央銀行の当座預金残高量を拡大させることによって金融緩和を行う金融政策で、量的緩和政策、量的緩和策とも呼ばれる。
平時であれば金利を下げていけば、経済刺激効果が出て景気は回復するが、深刻なデフレーションに陥ってしまうと、政策金利をゼロにまで持っていっても十分な景気刺激効果を発揮することができない。そこでゼロ金利の状態で、市場にさらに資金を供給するという政策である。
日本銀行が2001年3月19日から2006年3月9日まで実施していた。アメリカのFRBによるQE1(2008年11月-2010年6月、1兆7250億ドル約170兆円)、QE2(2010年11月-2011年6月、6000億ドル約60兆円)、QE3(2012年9月-、月額400億ドル約4兆円)がある。
だから、FRBの金庫には、正常債権や不良債権の束が山のように積みあがっている。もっともFRBにしてみれば、無料に近い印刷札束との引き換えだから、はたしてFRBの負債と言って良いものか?まぁ、とにかく米国は、この長年続けた量的緩和策で、米国の銀行と経済を守ったことにより、例えばゴールドマンサックスや他も健在なのだ。米国企業も救われて来た。
しかしマネーは今やグローバルになっていて、この増産された札束が、BRICs(ブリックス)などの新興国に投資され、一時それら経済が華やいできたが(バブル)、昨年当たりから、縮小してきて、その影響をもろに被っているのも、これら投資先国というわけだ。その結果、いわゆる資金の逆流が起こり始めて来た。あの海外からの直接投資を遮断していると言われる中国でさえ、香港の金融機関でロンダリングされ、中国不動産バブルにも貢献していたと言われている。さらに、今不動産バブル崩壊中の中国にも影響が及ぶかもしれない。
米国は景気が順調に落ち着いて来て、また、バブルの兆しが見えてきた恐れを気配して、とうとうこの量的緩和を終了させたと分析されているようだ。あまりにも実体経済からかけ離れた大量のマネーが世界を飛び回っている現実となって来たからだろう。
そして、昨日31日には、これに呼応するかのように、日本では日銀が・・・・。
日銀、追加緩和を決定 資金供給10兆~20兆円拡大賛成5、反対4で決定2014/10/31
日銀は31日に開いた金融政策決定会合で、追加金融緩和を賛成多数で決めた。年60兆~70兆円のペースで増やすとしていたマネタリーベース(資金供給量)を、約80兆円まで拡大する。中長期国債の買い入れペースを年約80兆円と、現状の約50兆円から約30兆円増やし、平均残存期間もこれまでの7年程度から、今回7~10年程度に最大3年程度延長することを決めた。
上場投資信託(ETF)と不動産投資信託(REIT)の保有残高は、ともにこれまでの3倍に増やし、それぞれ買い入れペースを年間約3兆円と年間約900億円に増やす。ETFの買い入れ対象には新たにJPX日経400に連動するETFを加える。マネタリーベースの拡大と、資産買い入れ額の拡大の決定は、いずれも賛成が5、反対が4だった。
景気判断は「基調的には緩やかな回復を続けている」としたものの、「このところ消費税率引き上げ後の需要面での弱めの動きや原油価格の大幅な下落が、物価の下押し要因として働いている」とした。そのうえで「短期的とはいえ現在の物価下押し圧力が残存する場合、これまで着実に進んできたデフレマインドの転換が遅延するリスクがある」と指摘。「リスクの顕現化を未然に防ぐ」ために追加緩和は適当と判断した。〔日経QUICKニュース(NQN)〕
現状は年約50兆円の買い入れを30兆円増やして年80兆円とするそうだ。残存期間も7年程度だったものを最大3年延長することを決めた。10年とすれば80兆円×10年でさらに800兆円の札束が発行され、資金供給に溢れ出ることになる。今まで国債の買い入れが多かった市中金融機関から、日銀が増印刷された札束で債権を買い入れることだ。
日銀の金庫には、買い入れた債権が山のように積まれていくことになる。日本の国債は、円建てで、90%以上が国内の金融機関や個人だから、これで日銀が積極的に買い入れてくれれば、国債の利率は上がらず(逆にマイナス利率)、ギリシャや南欧、南米の国のようにデフォルトする恐れはまったくないだろう。ただ問題は高インフレの発生とバブル経済の発生ということになる。黒田総裁になったこの1年半、量的緩和を行ったが、未だ目標の2%インフレは実現していない。札束の発行(資金供給)が足りなかったと見たのか?また未だにバブル発生の芽は確認されていない。
米国が量的緩和を終了して、世界中に札束をばら撒くことが出来なくなった代わりに、「日本よ、その代わりをせよ!」ということなのか?その効果はすぐ現れた。昨日この発表を受けて、日米共に株価は急騰した。日経平均で終値16、413円と前日より755円の急騰だ。まさにサプライズとなった。もちろんこれは合わせて発表された世界最大の額の年金基金GPIF(年金積立基金管理運用独立行政法人)の運用比率の変更で、今までより国外・国内の株式運用の比率を大幅に増やすことにしたという大サプライズが影響していることは明白だ。だから米国の株価も最高値となった。年金資金のカジノ運用とも言える。
まさにハロウィン・サプライズが起こった。
10月31日のニューヨーク株式市場のダウ工業株30種平均は、日銀の追加金融緩和が好感され、終値は前日比195・10ドル高の1万7390・52ドルと約1カ月ぶりに史上最高値を更新した。また、ニューヨーク外国為替市場のドル円相場は、29日に量的緩和政策の終了を決めた米国と日本の金利差拡大が明確になるとの見通しからドルが買われ、一時、1ドル=112円47銭をつけ、約6年10カ月ぶりの円安水準となった。
とりあえずオイラにとって嬉しいのは、一昨年1ドル75円の円高の時(白川総裁の時)、ネット銀行で交換したドルを、現在1ドル112円で円に戻すとなんと60万円以上の為替利益となっている。そろそろ円に戻そうか、いやもうちょっと推移を見るかとまさにハムレットの心境となっている。
これを見て、習キンピラだの、パククネだのが、日本は反省して、「ちょっと円をこちらにも回すアル」とか、「カネ貸してニダ」とか摺り寄って来そうな気がするね。韓国はドルの流出懸念を心配しているそうだ。中国は偉そうに影響なしと。もともと中国の発表する統計の数字は粉飾数字だから今や何がなんだか分かりません。それらの国に貸したら返って来ないことを念頭にしなければならないよ!
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コメント
まぁ、日銀は国債や他の債権を、ただに近い印刷費のお札で購入する訳だから、一般会計上の負債は実質には発生しない。山のように購入した債券は、大金庫の奥に仕舞っておくか、隠れて燃やしてしまえば良い。政府の負債が1000兆円でも回りまわって日銀に入れば、チャラに出来るんだわ。
投稿: | 2014年11月 4日 (火) 07時25分