7月は国際的に忙しく終った。29日には周永康がとうとう立件されたし、30日にはアルゼンチンが2回目の実質デフォルトだ!
この糞暑いなか、二つの先々大きな問題に発展するだろう区切りが起こった。
一つは7月29日に、昨年より噂が絶えなかった中国の元政治局常務委員:周永康の取調べに踏み切ったと。もう今年になってからは、身柄は押さえられていたらしいが、完璧に立件に踏み切った。不正蓄財が1兆5千億円とまさに天文学的金額だ。とうとう習キンピラは長老の江沢民や胡錦濤の了解を取り付けたのだろう。もちろん脅迫で屈服させたのだろうが。
もう一つは、2001年に920億ドル(約9.2兆円)という史上最高額のデフォルトを起したアルゼンチンが、6月30日期限の和解済み返済金8億3千万ドル支払えず、その後30日の支払い猶予期間が切れる7月30日にデフォルトとなりました。2001年のデフォルトの時は、1900億円のアルゼンチン政府発行の円建て外債(サムライ債)も含まれていて、日本の投資家が巻き込まれましたね。特に中小企業団体の企業年金がパーとなってしまいました。もっとも世界の投資家は、以後アルゼンチンは危ないとほとんど積極的は投資はして来なかったらしいが。
まぁ、中国は特に政治体制が違うので、日本の感覚ではなかなか理解が出来ないが、まさに中国の三国志の時代の権力争いと大して変わらないようだ。・・・・・・
胡錦濤の時代には、政治局常任委員というのは9人いて(現在は7人)、これらが中国の最高権力者だった。そのなかでも、この周永康は、経済利権と治安利権を握っていた。今回の彼の立件は、中国政治の前例を破るもので、
最高指導グループにあたる政治局常務委員に対しては、現職、経験者を問わず「刑不上常委」(常務委員には刑事責任を追及しない)との不文律があったが、習政権はこの慣例を破った形だ。
不正金蓄財1兆5千億円が押収されたという報道に、凄い金額の不正を周キンピラは正した。主席の公約「腐敗撲滅」を実現した。拍手喝采に流れるのだが、実は権力抗争が激化したことに尽きる。それもかなり私怨でだ。
とにかく中国は下から上まで賄賂全開の国で、下は数万円の賄賂から始まって、上は数百億円・数千億円と半端じゃない。胡錦濤の時の首相:温家宝は、たしか家族名義で数千億円の不正金蓄財があったと、ニューヨークタイムスにすっぱ抜かれたが、結局なんのお咎めもなく退役後は悠々自適な生活を送っている。海外に相当な財産を移し、いざとなればいつでも国外に脱出できるようにしている。
中国、周永康氏の部下・親族300人も拘束 利権一族、1・5兆円差し押さえ2014.3.31 08:10
中国の数千年の歴史通り、まずトップを粛清するのには、その周辺から潰していく。周辺にいた約300人が既に拘束されていると。
・・・・・・ロイター通信は30日、本人に加えて親族や部下ら300人以上がこれまでに拘束され、差し押さえられた資産は総計で900億元(約1兆4900億円)以上に上ると報じた。一部の部下らの逮捕・起訴については昨年来、中国国営メディアでも報じられており、捜査の手が“本丸”である周氏にまで延びるか注目されていた。ロイターは「中国建国以来最大のスキャンダル」と伝えており、事件の余波で中国は大混乱に陥る可能性もある。 ・・・・
・・・・・・・・・拘束されたのは周氏本人と妻、長男らのほか、副大臣クラスが約10人、ボディーガードや秘書らも20人以上に上ると伝えた。また、差し押さえられた資産のうち銀行預金が370億元(約6100億円)、内外の債券が510億元(約8400億円)。アパートなど不動産300軒以上のほか、金、銀、骨董品、高級酒なども没収されたとしている。・・・・
2000年にある会社の顧問で上海に数ヶ月滞在したが、現地総経理が「残念ですが、今は風俗徹底取り締まり月間なんです。但し、あそこと、あそこと、ここは経営が軍属幹部ですから適度に楽しめますよ」と教えてくれた。まぁ、行かなかったが。蘇州などもその手が沢山あって、これらが不正蓄財の源泉だった。
上海の郊外の海の近くの方に案内され、その地区の共産党建物に連れて行かれ、この地域の観光開発に投資をしてくれと。オイラにそんな権限はないのだが、何を勘違いしたのか、委員長や幹部に会わされ、平日の昼前から宴会だった。例のカンペイ合戦だ。委員長は年のせいで、カンペイ専門の部下を仕事時間なのに引っ張り出してきて、自分の代わりのカンペイ要員。夕方にはそうとう回ってきた。これが中国での実社会だった。
600日かけた「本丸」攻め 周氏、元妻を殺害か 江沢民氏はそれを知り激怒2014.7.31 09:43
・・・・そして李春城氏からスタートした周氏失脚劇は、今月29日に終了した。約600日もかかった計算になる。 習国家主席はなぜ、ここまでして周氏を追い詰めなければならなかったのか。 共産党筋はその理由を以下のように説明する。
周氏は2010年11月に重慶市を訪問した際、同市党委書記だった薄煕来氏と会談した。薄氏は当時、幼なじみだった習氏が党最高指導者の候補に選ばれたことに大きな不満を抱いており、習氏の能力を否定する発言を繰り返したという。・・・・
・・・・すると周氏も薄氏に合わせて習氏批判を展開した。その会話を、薄氏の側近で同市副市長だった王立軍氏がひそかに録音していた。王氏は12年2月、四川省成都市にある米国総領事館に亡命しようとした際、その録音を米国側に渡した。このことを米国を通じて知った習氏は激怒し、薄氏だけでなく周氏にも恨みを抱き、打倒することを決心したのだという。・・・
・・・そして重要なことは、江沢民派の重鎮として知られた周氏と、元国家主席である江氏本人の関係が最近良くなかったことだ。 香港紙などによると、周氏の最初の妻は江氏の親族だが、周氏は2000年ごろ、交通事故と見せかけて殺害した。元テレビキャスターの現在の妻と結婚するためだったとされる。最近、この事実を知った江氏は激怒し、周氏の摘発に同意したという。・・・・
まさに権力闘争+私怨が中国国家を揺るがす事態が、昨年7月に薄煕来を横領罪と職権乱用在で起訴して、同年9月に無期懲役の判決と10月に判決確定という中国トップ連の追求はこの7月29日の周永康の立件で一旦完了となった。まぁ、あとは裁判だが人治国家だからどうにでもなる。
江沢民:天安門事件から、全ての負を作ってきたのが、コイツ。まぁ、ここまでは踏み込めないだろう。まぁ、そろそろ寿命が近づいたとの噂も。
やはり、ベトナム沖の油田開発の強引な決行も、周永康側の石油利権と関係があるらしい。油田調査船(海洋リグ)の引き上げも、台風の関係ではなく、この件に関係しているらしい。
巷では、専門家と云われるのが、したり顔で「2050年には中国の名目GDPは米国に近づき、やがて追い越す」とかなんと言っているが、ありゃまったくのトンチンカンな見解で、米国の国内インフラ投資と中国のインフラ投資を比べてみるだけで、とても追いつかないということが分かる。GDPの成長のグラフをそのまま延長してみた場合の話で、日本の高度成長期のグラフをそのまま延長すれば、もうとっくに米国を追い越していることになる。もうアホかと。
もし習キンピラが有能な政治家とすれば、このまま、不動産バブル、民間金融バブル、地方行政バブルの三位一体バブルと政治家の不正蓄財バブルをこのまま野放図にしていたら、共産党政権崩壊、国家崩壊に至ると見たからではないだろうか。国のGDPの半分近くが、不動産、インフラ関連なんて国はやがて経済崩壊する。
まして、国際的に公開している経済統計の数値も粉飾決算で、それをしすぎて、いまやどれが正確な数値なのかわからなくなってしまっているらしい。まさに「神のみぞ知る」といっても、宗教を抑えている中国には神はいないが。
ブラジル・ロシア・インド・中国・南アフリカのBRICSで経済圏を、と中国が先導しているが、米国からばら撒かれた投資カネで成長してきたが、米国は引き締めの方向だ。今ますます投資資金の逆流にアップアップし出している。ロシアも今回のウクライナ問題で味噌をつけた。EU・米国の経済制裁が本格的になりそうだ。これらの落ち込みを取り戻すのは容易ではない。
嘗てスペインの植民地から独立して、はるか昔だったが、GDPの最盛期、世界の憧れの国だったアルゼンチンなのだが、放漫経営が行過ぎて2001年のデフォルト以来、どこもまともに国債を買ってくれなくなって、7月30日には負債の償還が出来なくなり、S&Pから"選択的デフォルト(SD)”の格付となってしまった。正統なデフォルトと違い、かなり複雑な経過なのだが。
アルゼンチン債務協議決裂、S&Pは選択的デフォルトに下げ2014/07/31 09:48 JST
7月30日(ブルームバーグ):アルゼンチン政府が債務再編後の新債券130億ドル(約1兆3300億円)相当への利払い猶予期間が過ぎても返済を履行できなかったことを受け、米格付け会社スタンダード・アンド・プアーズ(S&P)は同国の格付けを「選択的デフォルト(SD)」に引き下げた。
アルゼンチンがデフォルト(債務不履行)債保有者に返済しない限り、米裁判所は新債券への利払いを禁じていることから、同国は5億3900万ドルを債券保有者に送金することができなかった。S&Pによると、アルゼンチンの外貨建て債務は約2000億ドルで、そのうち新債券は300億ドル。アルゼンチンがデフォルトになればここ13年間で2度目。
まぁ、、これから悲劇が始まるのだが、ともかく国民にとっては、行政サービスは減退して、物価は急速に上がり、さらに治安も悪くなる。この国の国債を買う投資家は、ハゲタカファンド以外いないだろう。ここも韓国と同じトップはメスだ。言いたかないが、「雌鳥啼いて、国滅ぶ」の典型かもしれない。
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コメント
周永康は、法輪功の人々の弾圧の主犯だよ。習近平はここまで追い込めないだろう。
http://www.epochtimes.jp/jp/2014/08/html/d70362.html
「オリンピック妨害への阻止」を口実に、周永康の命令の下で「独立を主張するチベット人」、「法輪功」および「陳情者」らに重点を置き、中国で全面的な弾圧が展開され、緊迫した状態に陥った。国際人権組織の調査データによると、北京オリンピックが始まる前の6ヶ月、1万人近くの法輪功学習者が拉致され、10万人近くの法輪功学習者が強制労働収容所に拘禁され非人道的な虐待を受けたという。
中国の著名な人権弁護士・高智晟が発表した文章の中で、多くの悪行を重ねた周永康を名指しで厳しく批判した。そのため、周永康は高弁護士に深い恨みを抱き、高に対する弾圧をエスカレートさせた。
投稿: 加油加油 | 2014年8月 1日 (金) 14時12分
周永康の長男息子もさらにやり手だったとか
http://www.epochtimes.jp/jp/2014/08/html/d73008.html
今年42歳の周濱氏は海外留学を経て帰国後、父親の政治的影響力を利用して石油、エネルギー、不動産など各分野に進出し、莫大な富を手に入れたという。当局は周永康氏とその家族から1兆5千億円の財産を押収したと報じた。
一部の報道では、周濱氏は事業のほか、官位売買や死刑囚の替え玉斡旋などのヤミの商売でも暴利を得ていた。当時、替え玉として利用されたのは当局に弾圧され、拘束された法輪功学習者だったという。刑務所の関係者に数十万元の賄賂を渡せば、1人の学習者を「調達」することができる。死刑囚はその後、学習者になりすまし社会復帰を果たす。周濱氏に替え玉を依頼する相場は300万元だったと言われている。
一方、被害にあった法輪功学習者はさらに臓器を摘出されたのち、処刑された。周濱氏は臓器を売り飛ばすことにも関与し、ここでも巨額の利益を手に入れていた。周永康氏が法輪功弾圧を実行する中央政法委のトップであるため、周濱氏が法輪功学習者を替え玉に仕立てることは可能だった。
投稿: | 2014年8月 3日 (日) 10時04分