ますます混迷を深めるウクライナ。中国・韓国が日本に対して恨み節だが、かの地の犠牲から比べれば屁のようなものかもしれない。
昨日やっと次女の家の改造が終了しました。押入付き4畳半の和室を、フローリング張りの6帖の洋室に改造することでしたが、それ以外のところで、あれやこれや改善個所も派生していてこれらも直せで、施行が長引きました。お陰で普段使わない筋肉が少々痛み気味の状態です。ブログの更新もサボっていましたが、これで平常運転となりました。
昨年11月にイスタンブールの滞在しましたが、ボスボラス海峡をクルーズして、黒海に面するところまで行きました。伊豆の海から見れば、この黒海は常に波は穏やかで、平静を保っています。この黒海の東側のロシア領が今回冬季オリンピックの開催地ソチ、そして北側が、あのナイチンゲールで有名なクリミア半島を含むウクライナです。そうクリミア戦争で看護婦として活躍したナイチンゲールです。小学生の頃伝記を読みました。赤十字設立の創設者の1人でもあったことは有名です。
イスタンブルに滞在していた時、歴史博物館や史跡の見学で、つくづく感じたのは、太古の昔から、地中海・マルマラ海・そしてこの黒海を挟んで、海上交通(海が静かな為)で多くの民族が行き交い、そして無数の侵略・強奪をお互いにやり合っていたことです。侵略された方は資産を奪われ、大半は奴隷となるのが普通でした。男は肉体奴隷、女は性奴隷が普通でした。だから近代になっても、アフリカの黒人の多くが、米国に売られたなんてことは、彼らの感性としては、極普通だったのです。ここが歴史的にも日本人には理解ができないこともあります。
さて、このウクライナが今や大変なことになっています。ちょうどオイラが対岸のイスタンブルに滞在した昨年の11月頃から本格的に推移したのですが。・・・・・・・・
もともと、ウクライナはソ連時代にはソビエット連邦の同盟国の一国ではあったが、レーニン・スターリンのソ連の中央集権強化の中で、反ロシア派多くが粛清されて謂わば属国となった。一時はウクライナ語まで制限された時もあった。それでもナチス・ドイツとの戦いには、ソ連同国としてそのために戦い、多くの犠牲者を出した。その数800万人~1400万人と云われている。またその中でも、ウクライナ人は独立心からナチス・ドイツ側に加わった派も多くいた。この時点でも、国内は二分化されていたわけだ。だから両派のお互いの潰しあいも発生して、国土は退廃し、700の市町と2万8千の村が全滅したと。
第二次世界大戦終了後もソ連の同盟国(属国)ではあったわけだが、それでも国際連合にソ連と別枠に加盟をして、1984年から2年間非常任理事国を努めたこともある。しかし相変わらずソ連からの締め付けは厳しく、反ソ連派は対抗していた。やがてソ連の命令とも云える原発建設が進み、しかし1986年4月26日に、ウクライナの首都キエフから北に直線距離約100kmにあるチェルノブイリで有名な原発事故を起した。周辺に撒き散らされた放射能は、福島原発事故の10倍から100倍の間と公表されている。これで国際世論から、ウクライナとソ連は糾弾されたわけだが。
その後、ソ連のゴルバチョフによるペレストロイカなどにより、ウクライナ民族独立運動がさらに高まり、1990年1月にはソ連からの独立宣言が行なわれ、ウクライナ語を国家公用語として勝ち取った。つまりロシア語を押し付けられ、ウクライナ語を公用語としては認められなかったわけだ。
そんな流れの中で、1991年にソ連が崩壊して独立国家ウクライナとなった。まぁ、それ以降も政治の混乱は続き、2004年には、大統領選挙の混乱から”オレンジ革命”が起こり、投票を3回もやり、ユシチェンコが2005年1月に大統領に就任した。この頃の状況は最近なので、多少ニュースで覚えているが。
しかし、ユシチェンコはロシア離れしたい大統領だったので、ロシアはそれまで特別に半額だった天然ガスを、国際基準に戻すという締め付けを行い、これは欧州各国を巻き込んだ騒動となった。ロシアの天然ガスのパイプラインはこのウクライナを通っている。ウクライナは原発事故の後、一旦他の原発を停止したが、やはり電力エネルギーをロシアに牛耳られることを避けるため、その後1993年10月には、原発停止に依る経済の低迷を避ける為、原発脱却を撤回して残りの原発の再稼動を始めました。
90年から93年の約3年間で国内の経済はガタガタになり、失業者が増加、アルコール中毒、精神障害を患う人たちが急増し、病死や自殺で命を失う人が大勢出ました。 原発を停止してからは、友好国のロシアから天然ガスを安く輸入していたのですが、国内生産の落ち込みなどから、その燃料代すらも支払えなくなってしまったのです。
そのため、1993年10月に「ウクライナでの原子力発電所の建設凍結」を撤回し、原発の再稼働に政策の方向転換をはかりました。これは国内のエネルギー不足を解消するためには原発が不可欠である、との政府の認識を反映したものであり、さらには、3年あまりの経済の落ち込みと国力低下による惨状から反原発派が減り、原発の必要性を再認識した国民の意思の表れでもあったのです。 現在、ウクライナは15基の原発を保有しており、さらに2030年までに、新たに2基建設する計画となっています。このような事実は日本のメディアではほとんど報じられません。
まぁ、EU統合派とロシア派に分かれてウクライナの政治は翻弄され続けてきたわけで。2006年6月には、議会選挙でユシチェンコ派が、ティモシェンコ派に破れ、政治の混迷は続く。さらにヤヌコービッチを首相とする内閣が発足した。しかしさらに対立化となり、今度は2007年9月の最高会議選挙において大統領派が勝利してティモシェンコ内閣となった。この時の首相が”あの美しすぎる首相”のユーリヤ・ティモシェンコだ。
2010年の大統領選ではヤヌコービッチとティモシェンコが激突してヤヌコービッチが勝利して再び親ロシア政権となった。当然ティモシェンコに対する弾圧もあり、2011年8月に、ガス資源に関する汚職事件でティモシェンコは逮捕され牢獄に繋がれた。これがヤヌコービッチ政権のでっち上げなのか、事実なのかは分からないが。
そして昨年11月に国民の間で盛り上がっていたEU連合との政治・貿易協定の調印をヤヌコービッチ大統領が見送ったことから、EU派(ヨーロッパ派・反ロシア派)の抗議デモが活発化して、やがてますます暴力活動デモ化してきた。ロシアはそうはさせじと、様々な嫌がらせをしてきたことにますます強行な反発デモに発展した。
ロシアとしては、プーチンとしては、国家の威信を掛けたソチ・オリンピックを控えた時期でもあり、このオリンピックの終盤2月22日にそこを狙って、ヴェルホーヴナ・ラーダ(最高議会)はヤヌコーヴィチの大統領解任と大統領選挙の繰り上げ実施を決議するに至ったという現在だ。ヤヌコービッチは国外逃亡を図り、現在はロシアに保護されているようだ。そして、獄中にいた、ティモシェンコは釈放された。嘗ての美しすぎるはもはやとうのき、ぽっちゃり顔とぽっちゃり体形となっていたが。(まぁ、それはどうでもいいことだが)
そのロシアからヤヌコービッチは、自分は未だにウクライナの大統領だと声明を出している。日本のニュースでは、EU派とロシア派の対立だけが主に伝えられたが、この大統領、広大な敷地に豪勢な屋敷を建て、庭には動物園まで造っていたと。世界の高級車数十台所有だと。まるで独裁的に国家のカネを自分の為に使っていたわけで、そのことは一部国民にも知られていただろう。このような件に関してはほとんど日本では知られていなかった。
さあ、ロシア側プーチンはソチ五輪も終ったことだしと、ここに来てウクライナに鎮圧の為に軍を派遣することを決定したと。まるで旧ソ連時代を思い出させる。既に親ロシア住民の多いクリミアにはロシア軍が侵攻していると。まさに東西冷戦時代に戻ったかのようだ。欧州とロシアの中間地域であるウクライナは完全に火薬庫となってしまっている。欧米対ロシアの覇権争いの様相を帯びてきた。
長かったロシアによる同化によって、このウクライナは東側がロシア語圏、西側がウクライナ語圏で親欧州圏で、またこれを決定つけるかのように国土の真ん中を河というか、狭い黒海の入り江というか、これが国土を明確に分ける地形を持っている。
(画像上クリックで拡大)
国連安保理事会は緊急会議を開き、ロシア介入を阻止する声明を出した。
2014.3.2 08:04
ロシアがウクライナへ軍の投入を決めたことを受け、欧州連合(EU)は1日、対応を協議するため、3日に臨時の外相理事会をブリュッセルで開くと発表した。 アシュトンEU外交安全保障上級代表は声明で「ロシアの決定を遺憾に思う。不当な緊張の増大で、部隊を派遣しないようロシアに求める」と表明した。アシュトン氏は3日にウクライナを訪問する予定だったが、5日に変更した。
北大西洋条約機構(NATO)も1日、大使級の理事会とNATOウクライナ委員会を2日に緊急開催することを決定。ラスムセン事務総長は「ロシアはウクライナの主権、領土の一体性を尊重しなければならない」と訴え、NATO加盟国は緊密にやりとりを続けるとした。(共同)
また、シリア問題ではプーチンに1本とられたオバマは
2014.3.2 08:42 [ロシア]
1日、ウクライナ南部クリミア自治共和国のバラクラワで、ロシア軍車両の近くで武装して待機する要員(ロイター) 1日、ウクライナ南部クリミア自治共和国のバラクラワで、ロシア軍車両の近くで武装して待機する要員(ロイター) 【モスクワ=佐々木正明】
緊迫化するウクライナ情勢をめぐり、ロシアのプーチン大統領は米国のオバマ大統領と電話会談した。プーチン氏は、ウクライナ領内で暮らすロシア国民やロシア語を話す「同胞」の生命と健康が脅威にさらされているとして、ウクライナ東部や南部クリミア半島での暴力行為がさらに広がれば、ロシアは自国の権益を守るための権利を留保する、と軍派遣の可能性を警告した。
2日、ロシア大統領府が発表した。米国側から電話会談実施の依頼があったという。プーチン氏に対し、オバマ氏は、ウクライナ領内でのロシア軍の武力行使に関し深い懸念を示した。
プーチン氏は1日深夜から2日未明にかけて、フランスのオランド大統領や国連の潘基文事務総長とも電話会談し、ロシア語系住民らの状況が緊迫化すれば、「必要な手段を取る」と訴えた。
やはり、ソ連時代を引き摺るロシアのプーチンとEU連合とが仲良く出来ないことから、このウクライナの政変は最悪内乱を経て、国家が二つに分かれる運命にあるような気がする。重要なロシアの海軍基地はこのクリミア半島周辺に点在しているから、なんとしてもロシアは譲れない。
オバマも4月にアジア歴訪で、韓国の捻じ込みで1泊2日の予定で韓国訪問パク・クネとの首脳会談が追加となったが、ウクライナの激震が続けば、またパク・クネの日本に対する告げ口を聞かされるのは、たまったものではないだろう。「バカヤロウ!いつまで言っているんだ」と。「テメーの国だって北朝鮮との非常事態が発生するかもしれないだろうが。そうなりゃ、いくら同盟の米軍だって日本からの援護が無ければ満足に戦えない」と。集団的自衛権も、朝鮮半島有事の際、日本が米軍を守りやすくする為もあり、結果として韓国を守ることにもなる。それで急いでいるわけで。海軍と海兵隊は日本の協力が無ければ動けない。現実には、ウクライナ危機は明日の韓国と北朝鮮かもしれない。
まぁ、米国とすれば、このシリア・ウクライナ・イラン・イスラエル等の火薬庫地帯、中国の覇権、朝鮮半島の有事と係わりが多すぎる。「もう各国仲良くしてくれと」叫びたいところだろう。事の次第では、4月のオバマのアジア歴訪は取り止めになるかもしれないね。
| 固定リンク
コメント