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2013年9月 6日 (金)

2015年より相続税は結論として増税となります。嫡出子と非嫡出子の相続分に差をつけるのは差別だとの判決

昨日からの大雨で、いままで雨雲がそれて雨水不足だった四国や東京の水源地地域にもしっかり雨の恵みがやって来ました。ダムの水量もタップリ溜まったことでしょう。ウチのミカンの苗木も喜んでいるだろう。

父親が死んでから、はや12年目になるが、今回の最高裁の判決が当時を思い起こさせる。そうそう、相続の問題だ。ウチにはまったく関係ない世界だが、非嫡出子の法定相続分についての判決が出た。これによって明治時代からの民法の改正がなされる方向に行くらしい。

この法定相続については、まぁ、人生イロイロで様々なパターンがありすぎで、当時一生懸命に勉強したものだ。被相続人(父親)の死亡届・除籍届を出すと、それが金融機関に回って、引き出しが出来なくなる。法定相続人全員で遺産分割協議書を作り、父親の誕生からの推移が載っている全ての戸籍謄本を添付して、遺産分割協議書の相続人リスト以外、例えば非嫡出子はいないことを証明しなければならない。それでやっと名義変更手続きとなる。不動産登記変更も同じだ。結構大変な仕事となる。

オイラは妹と2人兄妹だが、父親が生前のころ、冗談半分に「外にいないだろうね」なんて聞いたことがあった。まぁ、知らぬ間に”認知”なんてことが実際あるからね。父は「バカ言え、戸籍謄本を見れば分かることだ」と怒られた思い出がある。その頃、オイラは相続について無知だったというか、無関心だったというか。多分多くの相続人予備軍はそうであろう・・・・・・・

婚外子の相続差別は違憲 「確定事案に影響せず」 最高裁初判断2013.9.4 産経

結婚していない男女の間に生まれた非嫡出子(婚外子)の遺産相続分を嫡出子の半分と定めた民法の規定が、法の下の平等を保障した憲法に違反するかが争われた2件の家事審判の特別抗告審で、最高裁大法廷(裁判長・竹崎博(ひろ)允(のぶ)長官)は4日、規定を「違憲」とする初判断を示した。14裁判官全員一致の結論。  

また、すでに決着済みの同種事案には「この違憲判断は影響を及ぼさない」と異例の言及を行った。  明治時代から続く同規定をめぐっては大法廷が平成7年に「合憲」と判断、小法廷も踏襲してきた。最高裁が法律の規定について憲法違反と判断したのは戦後9件目で、国会は法改正を迫られることになる。・・・・・・・

・・・・・・・大法廷は決定で、婚外子の出生数や離婚・再婚件数の増加など「婚姻、家族の在り方に対する国民意識の多様化が大きく進んだ」と指摘。諸外国が婚外子の相続格差を撤廃していることに加え、国内でも平成8年に法制審議会(法相の諮問機関)が相続分の同等化を盛り込んだ改正要綱を答申するなど、国内でも以前から同等化に向けた議論が起きていたことに言及した。  

そして、法律婚という制度自体が定着しているとしても「子にとって選択の余地がない事柄を理由に不利益を及ぼすことは許されず、子を個人として尊重し、権利を保障すべきだという考えが確立されてきている」とした。・・・・・・・

そもそも、”嫡出”とは正式婚姻関係のある中で生まれ出ること。昔は”正出”とも云われ、そうでない場合には”庶出”と云われた。一般には婚内子、婚外子と云われる。

ここで、法定相続人について復習すると、

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まぁ、様々なパターンがあるわけだが、まったく人生イロイロだ。現在被相続人の遺言書があればそれを優先させることになるが、法定相続人にその分割について不服があれば、遺留分として、その半分まで認められている。揉めれば家庭裁判所にて、これが認められることになる。

一般的というか、望ましい姿というか、5行目のケースで、「配偶者(父または母)と子」の場合、配偶者が1/2で子が1/2となる。子が2人ならその1/2つづで、全体から見れば子は1/4づつということになる。しかしその被相続人に婚外子(非嫡出子)がいた場合、その子には、婚内子(嫡出子)の1/2の割合と民法で決まっていた。

仮に配偶者と婚内子2人、婚外子1人とすると、子供分については、2/10+2/10+1/10=1/2で、婚内子は1/5づつ、婚外子は1/10の割合となる。具体的には、遺産が1億円あった場合、配偶者が5000万円、婚内子は2000万円づつ、婚外子が1000万円とこれがこれまでの割合だ。

で、相続税についてだが、現在相続税を納めなくてならない相続の割合は、全体の4~5%ぐらいと大変少ない。これは、相続税について控除があるからだ。この控除は、数項目あるが、メインは法定相続人の数による基礎控除となる。現在は、

5000万円+(法定相続人の数)×1000万円となっている。配偶者+婚内子2人+婚外子1人となると、5000万円+4000万円=9000万円で、これ以外にも

葬式費用+被相続人の借金+配偶者の軽減措置+被相続人の死亡保険や死亡退職金にも法定相続人の数×500万円+未成年控除や障害者控除などもあり、様々パターンの組み合わせで、総遺産が1億円を超えても、相続税を納めなくてよい場合が多かった。

しかしだ!2015年1月1日からはこの基礎控除額が減額されることになる。これ今年の3月29日に成立したらしい。

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先の例をもとにすると、

3000万円+(法定相続人の数)×600万円となっている。配偶者+婚内子2人+婚外子1人となると、3000万円+2400万円=5400万円で、特に不動産評価の高い土地に住んでいたり、所持していたりすると、+αの控除があったとしても、相続税の対象となってしまう相続が大幅に増えることになる。特に評価の非常に高い土地と建物に住んでいる場合、ケースによってはとんでもないことになる相続も発生する。また超資産家には、相続税の税率も上がるようだ。

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さて、この最高裁の判決により、非嫡出子(婚外子)が嫡出子(婚内子)の1/2というのも、そもそも、この相続税基礎控除で法定相続人として婚内子と同じ金額の控除を受けるわけだから、場合によっては、現在1000万円、2015年からは600万円と同じ控除を受けることになる。それなのに婚内子の1/2とは何なのさだろう。

この判決の反対派は、そもそも家庭内で皆努力して、被相続人が資産を残せたのだから、まったくそれに関与しなかった婚外子にも同じに相続というのは納得が出来ない。これまで続いてきた家族制度に悪影響を及ぼすことになると。これは説得力がある。

また、離婚して母親が子を引き取り、その後再婚して子持ちや、愛人に子供が出来て認知した過去のある場合など、戦々恐々としている家族が多くなるだろう。

オイラの知人・友人にも過去複雑な経過を辿ったのが多くいる。

①結婚して2人子供を設け、その後離婚して、再婚し3人の子供の子持ちだが、相続税対象以下の資産しかない。

②恋愛で子供が出来、結婚に至らず認知だけをして、その後他女と結婚をして3人の子供を設け、やがて資産家となった。多分高額の相続税対象の資産を残すだろう。

③結婚して3人の子がいるが、浮気で子供が出来て、認知せざるを得なかった。それも複数の子。(昔の金持ちはこれが多かった)

④その他のケース(多種あり)

配偶者がいる場合には、その1/2が配偶者に相続されるが、子供が相続する分について、その額が判決通り民法が改正されると以前とは大幅に変わってくる。

①の例とすると、仮に相続資産が、8000万円だったとすると、これまでは配偶者4000万円、婚内子1000万円×3人、婚外子500万円×2人だったのが、判決のように民法が変わると、配偶者4000万円、婚内子800万円×3人、婚外子800万円×2人となる。法定相続人の数によって様々となるが、残された家庭内の子供の取り分は相当減ることになる。

これが、配偶者もいなく、他もいなく子供のみであった場合、同じ相続資産8000万円であった場合、従来は、婚内子2000万円×3人、婚外子1000万円×2人であったが、判決に従った民法に改正されると、一律1600万円ということになり、婚内子は400万円の減、婚外子は600万円の増となる。

但し、相続資産を多く持つのが父親の場合が多く、父親が亡くなった場合、その1/2が母親側に行くので、残りの1/2の中で、婚内子と婚外子の分け合いとなる場合、ビックリするほどの違いはないのかもしれないが、人によっては大きな違いと感じる人も多いかもしれない。これまでも、相続するには、分割協議書を作らなければならず、その為に婚外子のもとに、配偶者や婚内子、代理人が、婚外子のもとを訪れて、相続放棄、または様々減額の折衝をすることが多かったが、民法改正となれば、資産額の大きい遺族は、これにもっと拍車が掛かることになるだろう。もっとも混乱を招いた張本人は死んでいるからどうしようもないことだが。

詳しく知らないが、米国では婚内子と婚外子において区別はないらしい。一説には、だから子持ち離婚や結婚せずの母子家庭が多い原因の一部になっているとも聞く。よく映画にもなっていて、突然訪問者が現れ、莫大な遺産を受け継ぐといったハッピーストーリーもあるが。

ともかく、今回の判決は、平等という錦の旗のもと、日本人の知恵や人間学をほとんど学んでいない法匪達が、時流にのった判決を出したということに過ぎないだろう。被相続人の資産は、苦楽を共にした婚内子の方が多く相続するという考えのほうが自然だと思うが。

フランス・英国も母子家庭に優遇した政策を取りすぎて、返って母子家庭を大量生産していると聞く。場合によっては、優遇策狙いのインチキ離婚も多いらしい。これが少子化を減らしたことにも繋がっているらしいが、父親のいない子供を増やすことが、立派な政策なのか、なにか矛盾を感じる。

やはり、保守的と云われ様が、子供は母親の優しさの知恵と、父親の気高さの知恵の両方を学んで成長するのが安定した人格を身につけるという、人類が発見した数千年の経験を経た知見なのだと。これをないがしろにしていく思想の行方には危ういものを感じる。

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コメント

常識的に考えれば非嫡出子よりも嫡出子の場合のほうが確率的には父親(もちろん母親でもよい)と多くの時間を過ごし貧しい時代も共にしている可能性が高いわけだから彼らのほうがより多く財産をもらう権利があるというのは当然だと僕は思う。おそらく個々の事情に配慮すべきなのであからさまに法律で差をつけるのはどうかと思うけれども・・・と考えながらも上記のような一般論から違和感を感じる人が多いのではないだろうか?

投稿: | 2013年9月 6日 (金) 16時50分

嫡出子と婚外子との間に相続分に差を設けることに反対する人々は、”子供には罪はない””法律上の立場の違いに拘わらず、子供の間に差別を設けてはならない”と主張しております。父親一人を基準にして考えますと、子供との距離は等しくなりますので、相続分に差を設けることは、差別のようにも見えます。しかしながら、民法では、一対の夫婦を家族の単位と見なし、夫の財産形成に関する配偶者の貢献を認めています。つまり、父親の財産が、夫婦二人の協力によって築かれたとするならば、嫡出子と婚外子の相続分が平等となりますと、婚外子は、法律上の配偶者の貢献分をも相続することになるのです。この点に関しては、配偶者の相続分が50%であることを理由に、解決しているとの見方もありますが、それが、婚外子が、嫡出子と同等の相続分を受ける正当な根拠とはななるかと言えば、疑わしい限りです(嫡出子には、母親の貢献分だけ多く分与される正当な権利があるのでは?)。実際に、この裁判のケースは逆でしたが、通常は、法律上の配偶者が、同居して家政を切り盛りし、年老いた夫の両親の介護をしたり、義理の兄弟姉妹などの親族と付き合うものです。あるいは、妻の側の姻戚の支援やコネクションによって社会的地位や財産を築くことも珍しくはありません。しかも、先に法律上の妻側が死亡した場合には、妻の残した財産まで、夫を通して将来的には婚外子が相続することになるのです。また、大概、両親を介護するのは嫡出子ですし、祭祀相続人には、祖先、あるいは、両親のお墓を管理・維持したり、法事といった祭祀を引き受ける負担もあります(この点、嫡出子の兄弟姉妹間の平等相続さえ、不公平とする意見もある…)。

 婚外子問題は夫の側だけに生じますし、法律上の妻の貢献度を考えますと、この平等化、法律上の結婚をした妻と嫡出子には不利であり、不公平でさえあります。民法改正は急がず、平等(均等平等)を優先すると、公平性(比例平等)が損なわれてしまう問題についても、十分に議論すべきではないかと思うのです。

投稿: コピペ魔 | 2013年9月 6日 (金) 16時58分

米国の場合、遺産税(相続税)は2009年では、350万ドル(3.5億円)以上の場合に掛かるから、一般人には相続税は無しと考えてよい。

英国の場合には、遺産税は28.5万ポンド(約4.4千万円)以上に掛かるので、日本より厳しいが、死亡件数の4.5%が納めている。これ日本と同じぐらい。

フランスの場合には、だいたい死亡件数の27%が納めているが、オランド大統領の公約は遺産税は廃止だった。さてどうなるか

ドイツの場合には死亡件数の14.7%が納めている。

以下相続税(遺産税)なんてない国

スイス(一部の州の州税として存在)
香港(2006年2月より廃止)
中国
カナダ(相続があった場合には、資産の「みなし譲渡」があったものとして、みなし譲渡益に対して所得税が課税)
オーストラリア
ニュージーランド
スウェーデン
マレーシア
シンガポール
イタリア(ただし4親等を超える第三者への相続・贈与には8%課税)
タイ
モナコ
リヒテンシュタイン
ロシア


投稿: あらまあ | 2013年9月 6日 (金) 17時43分

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