日本における指導者の指導の仕方について。欧米では直接の体罰はないらしいが,しかし指導・訓練はしなくてはならない。
ここ毎日,体罰の件で、どのワイドショーでもこれでもかと番組で取り上げているのだが。そもそも、大阪市立桜宮高校のバスケット部で顧問の教師が、この部のキャプテンに対して、体罰と称して、殴る蹴るの暴行が連続して、その生徒はどこにも持って行く場がなく、自宅マンションの高層階から飛び降りて自殺をしたことが、発端となっている。そこに橋下大阪市長が絡むことになるので、さらに拍車が掛かってきている。迫っている入試試験も絡んでいる。
さらに、この特に運動部の体罰についての情報が他の学校にも飛び火して、やれどこそこのバレー部では・・・・とあっちこっちの学校での報告が上がってきた。この運動部の体罰について是か非かの議論が沸きあがってきたここ数ヶ月だ。
そしたら今度は、オリンピックのJOCで、柔道女子の世界でも、監督に拠る体罰が日常化していたことが被害者選手の訴えで公になり、監督の園田隆二監督が、記者会見で説明・謝罪と監督辞任を表明した。参議員となっている”生活の党”の谷亮子は、私もよく監督を知っているが、そのような人ではなかったと。そりゃそうだ、過去金メダリストの谷に体罰なぞするはずがない。逆に反撃されてしまうだろう。彼女怒ったら凄そうだからね。関節技を仕掛けられたら悶絶しそう。・・・・・
1月11日のオイラの記事で、この桜宮高校の生徒自殺の件に触れたが、もはやスポーツ界での監督・コーチの体罰問題が全体に広がっている。なんでも、この園田隆二監督は、以前警視庁の柔道のコーチもしていたようだ。これが当たり前の世界だったかも。
オイラ、中学の時、柔道部で、講道館で試合もした経験もある。私立の玉川中学との試合もした。ここの柔道部は体重の大きいモサ揃いで、試合をする前から気後れしてしまった。寝技に持ち込まれ、完敗だった。我が顧問の先生は黒帯だったが、区立でただ教育の一環だったから、たまに練習場に来てコーチをするぐらいだった。1人OBがお節介にたまにコーチで来るのだが、態度のよくない部員に多少体罰を与えたら、全員が抗議してそれ以来こなくなった。
まぁ、トップを狙っているスポーツ界では、指導の中で多少は叱り付けたりすることはあるだろう。今回の園田監督は、どんどんエスカレートしていって、体罰と称して暴力的になっていったのだろう。暴言もエスカレートしていって、これが当たり前となっていった。
今話題としては、韓国はもっと凄い体罰が日常茶飯事だと。これは儒教の悪弊で、上の指導者には、理不尽であっても従うという考え方から来ていて、その指導者は、選手を向上させるためには、暴力制裁や暴言制裁も許容範囲だと。そして日本の社会も多少その伝統を受けついているのではないかと。この園田隆二は、特に酷かった特例なのか、酷さに差はあれ、全般的なものなのか?
欧米はどうなのか?実態が分からないので軽々しく言えないが、法律的に物理的体罰は禁止されていて、これが行なわれた場合には刑事事件となるという常識になっているとか。
これとは違うかもしれないが、ニュージーランドでは2007年に親が子供に躾けとして、お尻ペンペン(親が子に物理的体罰)をした場合に、これを刑罰の対象とする法案が可決した。これダニーデンに住んでいる”でんこ”さんに教えてもらったのだが。最近の話でも、娘がいつまでも自宅に帰らないので、帰ってくるなり母親が叱って肩を小突いたそうだ。そしたらこの娘、この法律を知っていて、警察に助けの電話。警察が駆けつけたそうだ。まぁ、母親は逮捕はされなかったが、警官から「どんな理由にせよ、 ぜったいに子供を叩いてはいけないという法律があって、 我が子であってもそれは罪になるんですよ。 よーく覚えておいて下さいね」とネッチリ警告されたとか。
これ、ニュージーランドでは、親でさえ刑罰の対象になるということは、今回桜宮高校のようなケースの場合、一発で顧問は逮捕。その両親も一発で告訴するだろう。だから多分欧米の常識はどのような場合であれ、物理的体罰は一切禁止というルールの中で、教育もスポーツ指導も行なわれているのだろう。もちろん生徒同士のケンカは日常茶飯事で、暴力行為も多いらしい。
では、どのように指導者は対処するのだろうか。全て口頭で叱咤するそうだ。いい例を思い出した。まことに古い1982年の映画でリチャード・ギア主演だが。原題が”An Officer and a Gentleman”、邦題は”愛と青春の旅たち”。An Officer and a Gentlemanとは直訳で”ある士官とある紳士”って意味が通じない原題なのだが。これ面白いのは、エキサイト翻訳に掛けると
ストーリー;頽廃的な生活から脱出すべく、海軍士官養成学校の飛行士課程に志願するザック。そこで待ち受けるのは海兵隊軍曹の鬼教官フォーリー。脱落者が続出する13週にわたる激しい教練をこなしながら、同期との友情、芽生える愛、色々な出来事を織りなしながら成長していく青年の姿を描いていく。
で、この海兵隊軍曹の鬼教官フォーリーが凄い。顔面をすり寄せて、徹底的にしごく。まぁ、日本語で言えば「この、クソ野郎!」「そんなのが出来ないなら死んでしまえ!」などなど。一切物理的体罰(殴る、蹴る、ひっぱたく)は行なわないが、それ以外口頭(罵倒)しごきと、過剰指導。本当はもっと酷い制裁?をしているのだが。中には耐え切れず自殺者も出た。
とにかく黒人のこの鬼教官フォーリーが凄い。また物理的暴力にならないように、格闘技と称してその中で制裁をする。全て非暴力指導を装い、確実に罵倒・シゴキをしながら、この兵士を一人前に仕立て上げていく。
やがて、この兵士(リチャード・ギア)は13週における厳しい訓練を終え、少尉に任官された。
それまでさんざん士官候補生をしごいた元鬼軍曹フォーリーにとって、卒業式で少尉に任官した彼らは、その瞬間から上官になります。 卒業式が終わり、フォーリーは、かつてしごいた元士官候補生(=現在は少尉)1人1人に最敬礼(語尾にサーを付けて)をします。そのフォーリーに対して、ザックは「君のことは忘れない」と言います。
そして、ザックが13週間過した海軍士官養成学校を後にする時、新たな入学して集まった士官候補生に対して、フォーリーは13週間前にザック達に行ったのと同じ罵倒を繰り返しています。
つまり、鬼教官フォーリーは、教官としてまったくのプロで、怒った罵倒も実は、冷静に叱っていたということだった。なんとしてでも、13週間厳しい訓練を耐え抜いて、少尉になれるようにと。
とにかく、今後日本でも、指導監督者は、物理的体罰なく選手を向上させる方法を訓練すべきだろう。
一粒で二度おいしいオイラのブログ:今日の音楽動画
当然、この曲を聴きたくなりますね。
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コメント
園田監督が警視庁所属であることから、「こんなのを警視庁は放置するのか。体罰で立件する、なんて期待できない、ということになりかねないだろう」
「おまわりやっていたら、選手を殴っても蹴っても竹刀でしばきまくっても、放置なのかよ、新警視総監」と警視庁にも対応を迫っている。
投稿: あれれ | 2013年2月 3日 (日) 10時35分
いつも思うんだが、マスゴミが今までこういう体質だったことを
「知らなかった」なんてスゲー嘘くせーwww
マスゴミは今まで野球の星野の暴力だって
「男星野の鉄拳制裁」とか美化してたじゃねーか
今まで体罰を容認、隠蔽、美化に加担してきたマスゴミが、
世論を見て掌返しただけだろ
マスゴミも同罪じゃねーか
今更正義ヅラで叩いてんじゃねーよ!!
投稿: 激同 | 2013年2月 3日 (日) 10時38分