強制的一級建築士の法定講習会に行ってきました。そして、またまた娘の屋敷の修繕です。今度は屋根の修繕施工です。銅製屋根材は困りものです。
昨日は、沼津駅傍のビルで行なわれた一級建築士の法定講習会に行ってきました。例の平成17年(2005年)の構造計算書偽装事件で大騒ぎになり、それ以後建築士に対して一段と厳しい規制が行なわれ、2007年からそれまであった建築士事務所の法定講習会が改正され、まずその事務所の管理建築士の法定講習会(これは1回だけ)と、各級建築士には3年に一度の法定講習会が義務付けられた。そしてそれを受けないと、建築士の免許を失うことになると。それだけではなく、全般的に様々な強い規制が施行された。まる1日講習付けで、最後には60分の終了考査(試験)もあり疲れました。
講習は民間の総合資格学院法定講習センターの開催だった。この手の講習会は、国土交通大臣が認定することになっているが、実際には名前だけで、国土交通省の官僚が決めることになる。そしてそれら団体には、関係官僚の多くが天下るという構図になっている。まぁ、仕方がないことなのだろう。しかしそれにしても講習料金が高すぎる。
これを受講しないと、建築士事務所は営業を停止させられ、当人には罰金刑にまで発展する。オイラ、勘違いして忘れていたら、県の建築課から電話が来て、現在あなたの事務所は違法状態になっていますと警告が来て、大急ぎで昨日の講習会に申し込んだのだが。・・・・・
ほとんどネットで申し込みから決済まで出来て、まことに昔と違って便利なのだが、講師の講演はDVDの録画放映で、会場担当者は1人で受講者は約30人。まことに合理的でいいのだが、これで12,000円は高すぎないかい。他の講習会も昔と比べ2倍3倍の金額だ。デフレで商品価格は値下がりしているなかで、これら強制的法定講習会は、まったくボッタクリ価格ではないかと憤慨している。そういえば4月から、確認申請の県証紙代も2倍の金額に値上げされたそうだ。東電の値上げの方がまだ可愛い。奴ら行政に関する料金は勝手にどんどん値上げしていることを、みのもんたよ!糾弾したらどうなんだい。
今月は様々私的現場の件が多かった。このブログは立場とすれば熟年建築家であるオイラの記事なので、時々建築に関する記事も載せている。まあ参考にしてください。
またまた次女の嫁いだ屋敷の営繕なのだが。今年で築30年で、1階(下屋)の一部が数奇屋風造りでかなりこっているのだが、請負った建築会社の施行ミスなども絡んで、その分様々な改修個所が連発なのだ。カネに糸目をつけなければ、業者に指示して改修させればいいのだが、それでは脳がない。ジージが専門知識と専門経験を生かして、ここ数年問題が起こると、体力老化を物ともせず、活躍している次第。オイラの建築施行の研究にもなるし、またジージの小遣い稼ぎにもなるし。
今度は屋根なのだが。淡路瓦葺きで、軒先部は奴葺きとなって、一文字瓦の先は、銅板の一文字葺きとなっている。もちろん谷樋も銅板葺きとなっている。ところが、瓦というのは上から雨が一筋の低いところを伝って落ちてくる。それが20年30年経つと、そのポトポト落ちる雨のしずくが、受けになる銅製雨樋、谷樋、銅板平葺きに落ち、そのヶ所はやがて錆びそして穴が空いてしまう。これは一つには、いぶし銀和瓦に塗ってある塗料や、長年の酸性雨の影響が関係している。
(以下クッリックで拡大)
銅製軒樋も全てやられている。
奴葺き(腰葺き)となる、銅板一文字葺きの個所も、一文字瓦の下に、規則正しく錆びが発生して穴が空き始めている。
そこで、当初はパッチ方式で修繕してみた。
軒樋に関しては穴の空いたところに、銅板(0.35ミリ)を接着してみた。
しかし、それから4年経って、銅板が小さ過ぎてなのかその周りも錆びが進み、また雨水に晒されている時間が長いのか、ところどころ剥がれてきた。何でもこのパッチ貼りは、ステンレス板の方が錆びに対しては良かったみたいだった。そこで昨年銅製雨樋は全て撤去して、塩ビ鋼板の樋に全て変えた。工事費用は約55万円となった。
そして今回、残りの谷樋と銅板平葺きの件となったのだが、地元の業者に全てやり替えの見積りをとったら、関連工事含めて約30万円だと。この場所は付近から見れる場所でもなく、パッチ貼りでも良さそうなので、今度はステンレス板0.35ミリを大判(75ミリ×150ミリ程度)に切り抜き、シーリング材を一面に塗り、それで貼りけることとした。
これは4年前に銅板を小さく貼りつけたのだが、その他の部分の錆の進行が早まった。
そこで、周囲を紙ヤスリで錆を撤去して、ステンレス板を大判に切り抜き、シーリング材を一面に塗り、パッチ貼りとした。すぐにはくっ付かないので、養生テープ(緑色)を周囲に貼り、接着の悪いところはレンガの重石を乗せた。半日そのままの状態でその後撤去する。明日晴れそうなので、養生を撤去する予定。
これに準じて、奴葺き(腰葺き)の平葺き銅板の部分もパッチ貼りとする。因みにこれら材料はホームセンターで揃えることが出来る。作業としては、体力と忍耐力があれば1日で出来るかもしれないが、オジイなのでゆっくり作業で2日も見れば完了となりそうだ。まぁ、この先10年は大丈夫だろう。数年後再度検査して、ダメなところが出たらやり直せば良い。30万円が数万円で片付きそうだ。
次に、棟にある棟瓦なのだが。特にここの場所は見j晴らしが良すぎて、大変風が強い。台風のときなぞ煽られることが多く、のし瓦の痛みが早い。そのため所々、支障個所が出て来ている。なんたって築30年の屋敷だ。
これらを、以前に悪いところだけ修繕してくれと見積りを取ったら、全て棟瓦をヤリ変えて、瓦土を撤去して、今風にモルタル詰めに変えるとのことで、材工施行費約55万円とのこと。
もうこの辺のことになると、あまりにも専門的になって判断が付かない。そこで、高知県須崎で専用瓦の製造から、施工まで行なっている会社の社長がオイラのポン友なので、今回の件の資料と現場写真を送ってアドバイスを求めた。
以前久しぶりに訪れて、大変世話になったことがある。
ちょっくら、高知と須崎に、30年来の旧友に会いたく行って来た。視察なのか遊びなのか。:2009年11月 9日
カネにもならないのに大変親切にアドバイスをしてくれた。
雨漏りをしていないのなら、棟の、のし瓦と素丸瓦はコーキング材を太陽に当たらないところ各所にヘラで持ち上げ、点付けして、通りを整頓することで、両瓦は動かなくなり、問題はなくなると、ステッチを送ってくれた。まだまだメンテナンスに気を使えば10年以上は大丈夫だろうと。また上記の銅板谷樋や平葺きのパッチ貼りの方法も教えてくれた。
ついでに一昨日の台風4号では、強烈な風が吹き、2階の平瓦1枚に何か硬いものがぶつかったのか、割れて飛び散り、それが落ちて下屋の瓦1枚に当たりこれも破損。ところがこの瓦は30年前の設計図書を見ると、淡路瓦となっていた。その件も今日彼に問い合わせると、三州瓦と淡路瓦は微妙なところで違うらしい。そこで彼の会社で取引している瓦問屋を紹介してくれ、そこに破片を送れば、合う瓦を揃えて送ってくれるよう指示しておくとのこと。まぁ、これからの予備も含めて5枚ほど送ってもらうよう準備を始めた。まぁ、持つべきものは友達だね。
24日から、中国に出張なので大変慌しい。蘇州のイサ坊がついでに西安(長安)に観光に行こうということになり、6月後半は中国です。ユーロ危機、EU危機の金融危機が、不動産バブル崩壊をなんとか食い止めている中国に襲い掛かっているようだ。EU向け輸出は大幅に減速して、今まで輸出依存度がGDPの40%前後できたのだから、大変な事態になるとの観測が多い。空き部屋マンションがどうなっているのか調査をしてきます。
まぁ、イロイロ見てこようと思っています。西安には彼の会社の通訳も一緒なので、安心で観光ができます。当初は西安からフライトで、あの有名な九寨溝(きゅうさいこう・簡体字:九寨沟)にも行く予定で、標高3,000mに出来た九寨溝空港から入る計画もありましたが、フライト代が高額なので、またの機会にすることになりました。ここはパックツアーの方が安いようです。
また現在中国ではタマゴが異常に高くなっているとのこと。
中国で卵価格が異常な急上昇: 日本感覚では現在1個350円2012年06月06日
これも面白い情報なので、チェックしてみようかと思っています。多分しばらくブログの更新はお休みということになります。最近の中国特集をお楽しみに。
| 固定リンク
« 明日6月17日は、ギリシャも父の日です。そしてギリシャを決定付ける選挙の日でもあります。ギリシャは父ユーロに贈るプレゼントはなんでしょう。 | トップページ | 2年ぶりの中国に行きました。西安での城壁・兵馬俑・華清池の編 »
コメント
銅葺きは昔は持つと言われていたんですが、今は中国からの
酸性雨でもちませんね。
私が氏子の神社の本殿も銅葺きなんですが、25年で雨漏りが。
原因は酸性雨だという人と、屋根の乗り方知らない
植木職人が乗ったので銅板が変形して
伸び縮みが出来無くなったからとか。
いっそチタン葺きにでものでもしましょうかね(^_^;)
投稿: 13代目 | 2012年6月24日 (日) 17時15分