中央集権国家と地方分権国家について。それと、ますます崩壊の真実味が出てきたユーロ通貨統合
まぁ、今や断末魔と思われるような民主党政権なのだが。もうこの言葉言い疲れてしまった。今日、昼飯を三島のトシ坊と喰いながら雑談したのだが。
こんな無責任な議員達の政権って滅多にないので、かえって面白過ぎの感だ。本人達は一生懸命やっているのかも知れないが、ヴァカが懸命になるほど事態はますます崖っぷちに追いやられる。この政権の失態の数は、とても10本の指では収まらない。
一昨日のBSフジ・プライムニュースに出ていた語り部、石原慎太郎ではないが、ここまで酷くなるとは。予想はしていたが、まさかここまで来たかと驚きの毎日です。まあ、愚かな政党に政権を任した有権者の自業自得なのだが、それを煽りに煽ったテレビのバラエティー番組のあり方は多いに検証されるべきだと思う。暇な母親、暇なジジ・ババ、芸能・スポーツなどにしか興味のない層が、民主党の詐欺に引っかかったようなものだろう。「なあーに、政権を取ってしまえば、なんとかなるさ」この言葉が現在の混乱の元を表している。
まぁ、時々オカシナ政権が出没するのは、日本だけに限ったことではないから、日本の政治は世界に比べてダメだ、ダメだ、というのもオカシナ意見というものだが。
民主主義の行き着く先は、ポピュリズム政治で、それも近視眼的ポピュリズムになりかねない。保守的政治はそれほどでもないが、左翼的、革新的政権というのは特にその傾向になりがちだ。典型は今回の民主党であって、選挙に勝つためには出来もしないことを公約に掲げ、出来ないことが判明しても厚顔無恥にその旗を降ろさない。・・・・・・・・
さて、どうも日本の知識人達は、西洋コンプレックスを明治から引きずって来ているせいか、過大評価のし過ぎ。なんでも欧州が素晴らしく見えるらしい。確かに数百年からの建物に敷き詰められた街区や、ここでの発祥の文学・哲学・産業にリードされてきたのがこんにちの世界なのだからね。しかし、今回のEU内、特にユーロ圏国の金融が原因の大混乱を見ると、何か人間の原理原則をたいして考慮しないで、理想ばかり追い求め、光だけを追い求め、陰の存在を忘れてしまったかのような政策のツケが回ってきたように感じる。
オイラ、若い頃、若手建築家を目指すがごとく、ローマなどにも行ったが、特にサンマルコ聖堂に行った時、その壮大さに呆然としてしまった。これを設計して設計図にするのはどのくらいの力量が掛かるのだろうか。また浄財とは言え、この建設費は天文学的であり、どのように集めたのだろうかと。
まぁ、当時の欧州の帝国の国々が、未開のアフリカ・アジア・南北アメリカから略奪した資金が莫大に投入されていたわけで。
今、日本で地方分権の手段として道州制が叫ばれている。スペイン・ドイツ・英国にしても、米国にしても、中国にしても韓国にしても道州制・連邦制の国だ。それに反して、日本は中央集権の国。フランスも謂わば中央集権で官僚国家。この点は日本とフランスは似ているとも言える。
日本の場合、明治時代初期にフランスに見習って人工的に中央集権制を採用したとか聞いたことがある。本来大きな、歴史のある国は、道州制・連邦制になるのが自然だろう。民族・言語・習慣など大きく違う国民が一つの国に収まるには、この方法しかない。
スペインなどは、6っつの公用語で成り立っていて、それをもとにした州に分かれている。カナダも、ケベック州はフランス語だ。言語が違えば、考え方、習慣もちがってくる。それを一つに纏めるのが、スペインでは聖母マリア信仰のカトリック教なのだ。英国も詳しくは、4つの民族からなる連合王国。正式名称は日本語では「グレートブリテン及び北アイルランド連合王国」となる。
だから本来、日本が江戸幕府から明治天皇の国で纏まったとき、自然体とすれば各藩主体で合体して、いくつかの道・州に分かれることもなり得た。しかし、これから富国強兵で国造りをしていくなかで、一番効率の良い、中央集権国家制・官僚国家制で行く道を選んだ。
だから、短期間に言語は統一され(方言は仕方がないが)、瞬くまに強国・富国になり得たと言えよう。これは中央集権国家フランスを見習ったのかもしれない。だからか国内での決定的な紛争というのは起こらなかった。そして強烈な権力で一つの中央集権の国となった。日清戦争・日露戦争は、国民が一つに纏まるには多いに役立っただろう。
日本の識者と、スペインの識者の対談で、そのスペイン人は効率の良い中央集権の国が羨ましいと言っていた。日本が羨ましいと。スペインでは各州間でのイザコザが多すぎて、いつある州が、もう嫌だから独立をしたい、なんてことになりかねない波乱を含んでいるとか。これ実際カナダでもあったね。15年ぐらい前にフランス語圏のケベック州が独立運動を起こし、国民投票まで至った。しかしそれは否決されたが。この時カナダドルは、もしケベック州が独立したら、為替レートは、1カナダドルが60円を下回るほどの為替安になると推測された。今も英国ではスコットランド州の独立運動が盛んになってきている。
まぁ、ベネフィット(便益)とリスク(危険)はそれぞれあるが、国として一つに纏まることが出来る最適は、総合的には中央集権国家の方が便益があると考える。巷では、地方分権・道州制がいかにも理想と唱えられているが、果たしてどうだろうか。国家官僚を発祥とする中央集権の無駄と、まだ未知数ではあるが、道州制による無駄の推測では、道州制の方が大きくなって行くだろう。
これは余談だが、欧州の国民は、その自国に留まらなくても、嘗ての植民地・領地に移民してその国の国民になることにはあまり抵抗感がない。南米の国々はほとんどスペイン・ポルトガルの領地だったわけで、言葉もスペイン語・ポルトガル語(少し本国と違うが)で何の言葉の心配もいらない。英語圏の国々も同じだ。フランスも同様。そして移民先の国々の中枢はこれら母国人達によって占められている。
想像するに、そんなことはありえないが、嘗て占領した満州・韓国・台湾・シンガポール等が日本語を公用語として、日本の影響力を大きく残していれば、日本人も多くが移民してそれらの国々で活躍しただろう。なんの躊躇もなく、それら国々の中枢を担っていたかもしれない。欧州の帝国主義だった国々の人々と同じように。もちろんその功罪は考慮しない話としてだが。
そしたら日本国の人口は、昭和初期の6000万人規模の国になっていたかもしれない。しかし外国に渡った日本系の人口は2億・3億になっていたかもしれない。このようにして見ると、欧州の国々を理解するのにおおいに役立つ。
さて、ユーロはどうなるのでしょう。まだまだ秘策はあるのかもしれないが、6月17日のギリシャの再選挙で、今回2位の、緊縮財政絶対反対の社会左翼進歩主義連合(SYRIZA)が主体の政権となれば、サルコジ・メルケルが主体となってECB、IMFを動かしてここまでスキーム組んだのに、それが崩壊してしまう。ここの党首は、若イケメンだが、いかにも、というような運動家のようだ。なにか管チョクトとダブってくる。
若干37歳のツィプラス党首
再選挙を見据えて、これからギリシャ国民に対して、ユーロを離脱してもっと貧しくなるか、または、このまま我慢するのかの大情報戦が始まるだろう。多分ユーロ離脱が決定したら瞬時に新通貨(ドラクマ?)に変わる恐れもあり、今ギリシャ国内の銀行から預金がどんどん降ろされている。多分その時は銀行預金の封鎖が行われることもありえる。だから取り付け騒ぎが始まっている。ユーロ貨幣のタンス預金が始まっている。預金流出でギリシャ国内の銀行はどうなるのか、戦々恐々だろう。銀行破綻に繋がるからね。
まぁ、ユーロにとって良いのか悪いのか、フランスの大統領は社会党のオランド(58歳)に変わった。なんでもエピソードとして、結婚はバツイチで、再婚だが法律に基づく結婚ではなく、事実婚だと。この男エリート歴なのだが、かなり変わっているように見える。今フランスでの事実婚数は半分を超えているそうだ。子供に対して無責任な父親と母親の国の象徴的な大統領だね。オイラこの男は今のところ好きでない。
このオランドの考えは、緊縮財政には反対のようだ。まぁ大統領になってどうなるかだが。サルコジはギリシャなどに投資した自国の銀行を守るためにギリシャに汗をかいたのだが、このオランドはそうでもないらしい。大統領就任式後、早速ドイツのメルケルに会いに訪問したが、閲兵式でメルケルと一緒に赤絨毯の上を雨の中、歩く姿は大変ぎこちなかった。ぼやーっと歩いていて、曲がる時メルケルに「こっちよ!」と誘導された場面があった。メルケルもサルコジとの様な挨拶でのハグはなく、ぎこちなかった。
メルケルも直近の一番大きい州の議会選挙で、自党は大敗北となり、ドイツ国内でも遠心力が働き始めているようだ。もっともオランドとサルコジの得票率は僅かな差だったが、オランドがこれからのユーロの金融対策で、いままでのようにメルケルと一心同体”メルコジ”とは、いかなくなるだろう。
現在軒並みユーロ国のGDPは下がってきている。各国債の利回りもまた下がり始めている。これからどうにもならない雪隠詰にユーロはなって行く恐れは現実になりそうだ。やはり、通貨統合をしても、財政統合をしないユーロは、理想のみで原理原則で間違っていたのかもしれない。イタリア・スペイン・ポルトガルと後ろにはもっと大きな債務国が控えている。
ユーロがコケれば、中国・韓国コケる。米国・英国コケて、世界は皆コケる。日本も巻き込まれてコケるだろう。世界大恐慌の第2話が本当に始まるかもしれない。数週間先には、ユーロは100円を切るであろう。日本人の欧州旅行はユーロ安で今満席状態だと。パリにもう一度行きたいね。
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コメント
ギリシャって、戦後から左翼系政権が多かったですね。だから、35年ぐらい前はソ連と仲が多かった。
社会主義が続いてきたので、労働組合の天下で、まぁ大阪市の役人待遇をもっと派手にしたようなところも多かったと聞きます。年金支給なんてのも常識からかけ離れいたようですね。
脱税も常識化されていて、その分税収もあまり上がらない。日本で例えれば、民主党左派の政権が数十年も続いたとしての成れの果てでしょう。
もしそうなれば、輿石東さんの銅像が梅干のような顔で建っているかもしれませんね。
投稿: 久美子 | 2012年5月18日 (金) 18時52分
イギリスの紙幣印刷会社がマルタ島にある印刷工場でギリシャのドラクマの印刷準備に入ったと一部で報じられています。
この手の情報漏洩があったということはすでにドラクマの印刷に入っているとみてよく、ギリシャユーロ離脱問題はギリシャ国内的には決定事項となっているとみてよいと言えます。
投稿: oioi | 2012年5月19日 (土) 02時11分
ギリシャ金融機関破綻を回避するためのギリギリの会談となりますが、問題は時間稼ぎをして果たして有効かという点になってきており、アメリカがIMFへ融資するかどうか、さらにはそのIMFがギリシャ・キプロスに無条件融資、即ち、無担保融資をするかどうかにかかっています。
事態は政治判断にかかってきておりますが、仮にギリシャ破綻となれば、アメリカは月曜日から金融取引を一時停止し、新米ドル紙幣切り替えを発表するかも知れません。
最高に金融破綻時期を延ばしましても、次回のギリシャ選挙日である6月17日までとなります。
チックタックチックタックと時限爆弾の時計の針が進んでいっています。
投稿: oioi | 2012年5月19日 (土) 02時13分
いつも読ませてもらっているものですが
昨日のテレビ朝日のワイドショーに古賀茂明氏が、関電はわざと停電テロを起こすんじゃないかとかとんでもない事を言ってますが・・・なんだかなあ
関西電力が画策する停電テロ
http://www.nicovideo.jp/watch/sm17853892
投稿: びーと | 2012年5月19日 (土) 02時17分
今日本でも、例えば沖縄人の場合、確かに米軍基地を押し付けられ、被害者意識からくるのだろうが、本土人とは違うメンタリティーを持っている。戦後政府はこの沖縄に10兆円規模の投入をした。どの県よりも大盤振る舞いだった。
一部には独立しようという勢力もある。人口規模が圧倒的に小さいから、全体として大きな勢力にはなりえないが。この沖縄語というのは、日本語とはかなり違うし、方言以上の違いがある。また習慣も違う。沖縄語を公用語にしろという要求もあっても不思議ではない。
または、在日系、帰化系がある地域に集まって、州を要求することも不思議ではない。
投稿: アイヤー | 2012年5月19日 (土) 13時42分