大津波危険地域はリアス式海岸だけではなく、沖合いが超遠浅海底地域は同じように大津波にやられる!
海外の友人から心配のeメールが届いてきている。有り難いことだ。「自分のエリアは全く問題がなく、放射能汚染の問題も、原発発電所付近のみで、まったく問題はない。一部週刊誌が過剰に煽っていることによる風評被害が発生していることが問題だ」と返事をしている。英語のメールには、英語の翻訳サイトを使ってだから、編集に時間が掛かるのが歯痒い。ただこのお陰で英訳が大変便利なことは確かだが。
NZの「でんこ」さんからは、クライストチャーチではこれから10年建築ラッシュが始まるとか。一部では街ごと移転する話もでているようだ。今回の東北の被災地はどのようになるのか、今は見当もつかないだろう。だが、また以前のような、大津波に弱い木造家屋がゴジャゴジャに造られるのだけは避けてほしい。100年後の町民のために。
今回の大津波による、福島第一原発。1号機については、そもそも、今年の3月で40年を迎え、廃炉となる運命もあったが、10年延長の許可を受けていたとか。まぁ、これについては、自民党政権下でも同じだっただろう。問題は原発専門家達が海溝型地震の起こす大津波を過少評価していたことで、この対策に全然声が上がらなかったことだ。停電の場合の自家発電装置・圧水ポンプをあと10mも上に設置しておけばよかっただけの話だったのに。
ところで、今回の巨大地震に依る大津波。・・・・・・・・・・・・・・
過去からも最大で30mを超えるものも幾つかある。今回のは平均15m前後ぐらいであったようにテレビ中継を見た限り判断できる。また時刻的には午後2時台の昼間。これが過去にもあった、夜・夜中だったら、もっと逃げ遅れ犠牲者は2倍3倍となっただろう。また映像も録画することが出来、今後の防災に大変役立つことだろう。この事がただ一つの良かったことになるのかもしれない。
リアス式の三陸海岸は以前から津波に関しての警告は耳が痛くなるほどされていた。一般の津波の数倍の大きさになって襲うからだ。しかし、リアス式海岸ではない、それほど大津波を騒がれていなかった、南方の宮城県・福島県・茨城県・千葉県の太平洋岸で、なぜやはり大きな津波になったのだろうか。
これ、グーグルアースの海底地図でよく分かる。
(以下クリックで大)
記入してみた赤い線の長さが約40km前後。つまり、そもそもこの海岸沖は超遠浅海底だった。三陸海岸沖も結構遠浅な海岸であることが分かる。ここはそれプラスのリアス式海岸。津波に関して往復ビンタのような地域。しかし、この三陸海岸南方の宮城・福島・茨城の海岸沖合いは遠浅だから、大津波に注意というのはあまり聞いたことは、オイラはなかった。結果論で考えれば、超遠浅海底というのは、大津波になりやすいことは常識として分かることなのだ。
それに対しての対策はどのようなものだったのか、オイラは分からないが、津波学者もたいした警告は発していなかったのは事実のように感じる。
ちなみに、オイラの地域は?
このように、遠浅海底ではない。オイラよく船で沖合いに出て、魚探モニターで海底の水深をみるが、沖合い1キロも行けば、水深はどんどん深くなり、200mを軽く超え300mを超え、測定不可能な水深になってしまう。千葉の九十九里浜の沖合い遠浅海底と比べれば簡単に分かる。
しかし、プレート境界型の地震も近くで起きると、そんなことは安心できず、小田原西部を基点とし、川崎・館山・房総半島に続く、長さ130キロ幅70キロの連発大地震が続いた関東大震災では、オイラの地域では、12mの津波が来たとの記録がある。この時の被害は東京は揺れとそれに伴った火災で、大津波は無かったようだ。
さて大規模地震が噂される東南海の海底なのだが、
大津波の観点から見れば、渥美半島と鳥羽とを結ぶ以北の入り江地域、淡路島を巻き込む周囲、高知とオイラの友人のいるリアス式海岸の須崎などが、やはり沖合いが遠浅の海底が続いている。このことを津波学者達はどのくらい警告を出しているのだろうか。
「羹に懲りて膾を吹く」になるのかもしれないが、今回の海溝プレート境界型巨大地震となると、揺れによる建物毀損・崩壊より、大津波のほうがもっと大きな犠牲者を出すことが証明されたわけだ。今回の死者の90%以上が大津波による溺死という結果が報告されている。
地震予知連絡会も、大局的には予知出来ても、数日後襲来というのは、今回まったく出来なかった。三陸沖の地震の前地震が9日・10日・11日午前にあったのに、大地震には結びつかないと結論していた。
巨大地震を予知出来なかった、気象庁と地震予知連絡会等の学者達。どのような言い訳をするのか聞いてやる!(笑)2011年3月14日 (月)
もし、少なくても、近々大地震が来るかもしれないとの警告を出し、これら地域にスタンバイをさせておけば、もっと機敏に避難が出来たと思う。現に大津波が来たのは、本地震から20~30分後だった。
現に2005年には
近い将来に起こる可能性の高い主な地震〜発生確率は今後30年以内に地震が起こる確率など〜出典/文部科学省 「地震の将来予測への取組」(2005年8月発行) 東京直下大地震生き残り地図より抜粋
三陸沖北部90%・宮城県沖99%・茨城県沖90%が指摘されていたが、肝心の「三陸沖から房総沖の海溝よりの津波地震20%(Mt8.2前後)」が来てしまった。まぁ、これらが一斉に連動したというのが、今回の結果なのだ。以前から東南海連動地震は大騒ぎをしてきたが、今回の地震は20%予測では、当分連動地震はないよと解釈してしまう。
これから予想される地震については、
太平洋岸で起こった過去の大地震と地震の空白域出典/内閣府中央防災会議資料に東京大学生産技術研究所 目黒研究室が加筆
予測として、緊急なのは浜岡原発のある、遠州棚が危なくなってきている。地震の揺れはなんとかクリアーできても、今回の自家発電やポンプがどのような場所に設置されているのか、早速点検をしていると思うが。まぁ、ここの沖合いは遠浅海底ではないので、少し安心。
最悪の事態で予想されるのは、よくテレビでも報道されているが、
3連発のプレート境界型地震。それではどうすればいいのか?
延々と15m・20m以上超防潮堤をはりめぐらせるのか?これは財政的にも物理的にも無理だろう。今回判明したのは、以前から分かっていたことだが、鉄筋コンクリートの建物は大津波に対して強かった。もちろん4階まで来たという事例もあったが、屋上や屋上の塔屋(ペントハウス)までは津波は来なかったようだ(数事例はあったが)。
震度7にも耐えられるような避難用中層建築物(高さ20m以上)を、津波危険地域ごと、そのエリア内に数ヶ所かに構築することで、今回のような犠牲者の数は出さないだろう。もちろん階上への階段は、支障なく上がれるものとする。もちろん数十年、地震が来なければ無用の長物になるかもしれないが、普段は別途利用できるようにしておけば良い。質素なものなら、5千万円もあれば建築できるはずだ。そして随時ここを利用して避難訓練をすべきだが。頼まれればオイラが設計してあげる(笑)
とりあえず、全国の海岸の国の規定では、平均海水面から7mの防潮堤設置が義務付けられている。しかしそれでさえ、長い年月には破壊されやすくなっているのが現状で、今回はそれより、2倍前後の高さの大津波が来たという現実を日本人は全て見た。
これから津波危険地域は、鉄筋コンクリート造にしたほうがいいだろう。構造体にカネは余分に掛かることになるが。あるいは、オイラの自宅のように、せめて1階は鉄筋コンクリート造にして、津波・洪水に対して下部をしっかりさせる考えも大事だと思う。
海岸沿いの建物として、(防潮堤7m)+(2階床3.6m)+(2階床から1m)とすると、約12mの大津波を防ぐことになる。オイラの地域はリアス式海岸でもなく、沖合い遠浅海底でもないが。
特に、リアス式海岸及び、沖合いが遠浅海底の地域は、しっかり大津波対策をしておくべきと警告をしておきたい。
一粒で二度おいしいオイラのブログ: 今日の画像
さあ、次は原発近郊の
ほうれん草と牛乳だ!
私はこれ一発で総理の座を射止めました(本人談)
次に真面目なお知らせ!
大きな被害がわかった火力発電所は、広野火力発電所(福島県広野町)と、常陸那珂火力発電所(茨城県東海村)。
発電所の設備や、石油や石炭など燃料の貯蔵施設が津波で壊れた。両発電所の合計出力は480万キロワットで同じく津波で損壊した福島第一原子力発電所(福島県大熊町・双葉町、469.6万キロワット)に匹敵する。
今年から数年、計画停電の毎日になりそうだ。
「これは、民主党政権への祟りじゃ!天罰じゃ!」というのも
つい、信じたくなる次第です!
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コメント
おいおい、広野火力発電所(福島県広野町)と、常陸那珂火力発電所(茨城県東海村)のこの写真が本物なら、全滅で修理どころじゃないじゃないか。
地震発生一週間もたってから公表か?
一体今の政権はどうなっているんだよ!
投稿: もう、ダメボ | 2011年3月22日 (火) 17時47分