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2011年2月23日 (水)

昨年9月に続いてまたクライストチャーチに直下型地震。今度の被害は大きい!

昨夜のテレビ報道番組は、ニュージーランドの現地時間22日午後0時51分(日本時間同午前8時51分)で、震源はクライストチャーチ郊外5キロの深さ4キロ付近で起こった地震の報道で一色だった。昨年9月4日にも同じ地域で、M7.0の直下型地震があったが、この街の郊外40kmと離れていたため、震度は今回ほどではなく、まして朝方4時半ごろだったので人の活動時間からは外れていたのが幸いだったようだ。死者はゼロだった。

今回は、日本人の語学留学生がいた建物が、押しつぶされ、未だに日本人11人の安否が分からない状態で、その件を延々報道がされている。映像で観ると、この6階建てのビルだけが総崩れとなっており、周囲の建物は傾いた様子もない。もちろん全体としては、かなり被害を受けた建物も多かったみたいだが。致命的なのは、前回被害を免れた組石造(レンガ造)のクライストチャーチ大聖堂がもろくも下半分を残して崩れてしまった。

他にも、レンガ造の建物はほとんど躯体が崩れているようで、やはり地震の多いこの国では、英国の伝統的な建築工法は無理だったということになる。英国は数千年に渡って大地震なぞない場所にあるからね。

日本人も生き埋めになっているらしいこのビルは、報道によると、もともとテレビ局が使っていた建物で、最近になって雑居ビルとして使用されていたみたいで、そこに語学スクールの教室なども入っていたようだ。「キングス・エデュケーション」という語学スクールとのこと。

一般に語学生は、ほとんど周辺の民家にホームステイをしながら、そこから学校に通う。これ、ニュージーランドに限らず、豪州・カナダ・米国等各国で行われている。オイラも3人の娘が学生のころそれぞれ、オイラの少ない働きのなかでカネを工面して行かせたものだ。カナダのバンクーバー・豪州のパースやケアンズといったところ。全てひっくるめると、期間約1ヶ月で100万円ぐらいは、覚悟しなければならない(中間搾取も多いようだ)。まぁ、親の財布はトホホになってしまうのだが。

娘達の留学についてニュージーランドはなかったが、ここは治安もよく、費用も他と比べ多少割安ということで人気があるそうだ。ただ空路の便がイマイチだと聞いていた。このクライストチャーチ市は、人口約37万7千人で、人口だけを見れば、和歌山市や奈良市と同程度の市だそうだ。

英国のオックスフォード大学クライストチャーチ・カレッジに名前が由来するらしい。というのも初期入植者の多くが、この大学の出身者だったとか。

この大聖堂は、40年の歳月をかけられて1904年に完成した。まぁ、100数年間地震による壊滅的被害はなかったが、今回の地震ではそうはいかなかったようだ。これは市のシンボル的建物なので、再建築することになるだろうが、果たして耐震設計では、以前と全く同じ外観とすることが実現できるのか、難しい問題だ。

この日本人語学生が巻き込まれた建物についてだが、どうも建築構造に問題がありそうだ。被災以前の建物を外観から見ると、周囲に柱があるが随分細い柱で囲まれている。以前バンクーバーから車で2時間ぐらいいったウィスラー(冬季オリンピック会場)に行った時、ちょうどオリンピック開催1年前だったので、多くの建物が建設中だったのだが、それらはやはり柱が細く、これで耐震設計がされているのだろうかと訝ったのだが、イメージとしてこれを思い出した。

ニュージーランドでも、日本と同じで耐震設計が義務付けられていて、地震があるたびに強化されてきた。この建物がいつ建てられたのか不明だが、一時はやった混構造に近い設計だったかもしれない。まして当初テレビ局用だったので、当然空間を大きくしなければならないので、かなり無理をした設計ではなかろうか。

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また、現在この建物の構造が分からない。RC造?、SRC造?、S造?、または混構造?直下型地震とはいえ、耐震壁がほとんど効いていなかったようだ。または無かったのかもしれない。つまり横方向の力を押さえつける力が働いていないでペッシャンコになってしまった。

クライストチャーチ 直下型地震の被災画像集

ニュージーランドの各都市は、英国よりも英国らしいといわれるのは、これら教会や古い大学のゴシック建築の外観が大きな影響を与えている。また、英国系国民は、これらレンガ造の建物が大好きで、北米で主流の木造ツーバイ工法の建物はバカにする傾向がある。オイラの義従兄になるサム・ニール(NZ出身の俳優)もここから近くにあるクウィーンズ・タウンに本宅を構えているが、北米の木造住宅を「Toyhouse(おもちゃの家)」と云って笑う。まぁ、これからは考えを改めるかもしれない。

今回の地震は、平均震度としては6ぐらいではなかったのかと、周囲の無傷の建物の健在ぶりをみて考える。まぁ、地震での建物に与える影響は、その位置、揺れの方向、そこの地盤などによって大幅に変わる。また詳細に表す数値に地震加速度というのがあるが、重力加速度が980ガルというのが一つの目安になり、阪神大震災でも、場所によって大幅に違っていた。因みにこの時は、最高が800ガルだったと記憶している。

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ともあれ、地震や建築構造の専門家がやがて実態を検証してくれるだろう。

ちょうど今、このブログの読者で、時々NZの情報を伝えてくれる、「でんこ」さんからメールが届いた。すぐ近くのダニーデンに住んでいて、このクライストチャーチにも家屋をもっており、それを人に貸しているそうで、こちらから気になったのでメールしたのだが。なんでも今日本に帰郷していて、日曜日にNZに帰るそうだ。そして貸してある人からの報告では、

クライストチャーチの家に住んでくれている知人の話では、今度の地震の衝撃はすごかったようです。 一応家は無事だったようですが、ピアノが倒れ、食器の8割は床に落ちたらしいです。

どうやら致命的被害がなさそうで一安心といったところのようだ。現在の情報では、日本人23人の安否が分からず、また全体としては300人が行方不明になっているらしい。

一粒で二度おいしいオイラのブログ:今日の画像

いつの日か

またこの華麗な姿を

観ることができるだろうか?

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コメント

例の全崩壊したCTVビル。
いつ建築したのか分からないが
数十年前だろう。

これ完全に設計ミスだよ。組石造ならともかく
まったく耐震壁が働いていない。

完全に違法建築ともいえる。外観としてある
細い円柱は、なにかヒューム管のように見えたし
本来の柱の残骸が一切見えない。
これとんでもない建築物だよ!

投稿: 建築士 | 2011年2月25日 (金) 16時26分

もし、1923年の東京大震災がなかったら
東京銀座のレンガビル街は今も補強されて
残っていたかもしれないね。

浅草の凌雲閣の塔も。

もっと多くの地震に弱い建物が満載だったであろう。

投稿: 爺 | 2011年2月26日 (土) 18時06分

なんでも、このCTVビルは、
1975年に竣工したとのこと。
建築の構造基準が厳しく改定されたのは
1976年だとか。

これこれから大きく問題になりそう。
生存者はゼロだろう。

投稿: aozora | 2011年2月27日 (日) 15時17分

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