エジプトの政変が始まった。北アフリカが風邪をひいたら、中国は肺炎になるかも。
チュニジアから始まった大衆のデモが発展して、北アフリカは今政変の事態になって来ている。この一帯は、原油は出ないし、ただ地中海を挟んでの欧州との交易で暮らしてきた。それが、欧州(EU)が経済・財政の危機を向かえ、貿易も思うように行かず、貧民国がより貧民となり、おまけにインフレで、おまけに経済不況というスタグフレーション状態に置かれていたわけだ。オイラもEU国の財政・経済を心配していたが、その前に関連する北アフリカ諸国の経済不況と貧困にはあまり感心が無かった。
北アフリカと云えば、西から、モロッコ、アルジェリア、チュニジア、リビア、エジプトで、それより東は油田ザクザクの中近東地域の国々となる。そしてそれぞれの国々も、形態として民主制をとっているが、実態はいわば王国のようなもので、トップ階層は贅沢三昧、以下の国民は、貧困生活。
これが従来、国の独占マスメディアだけだったのが、インターネット社会化して、あらゆる世界中の情報を見れるようになって来た。そしてお互いにTwitterやFacebookを通して情報交換、デモ参加を呼びかけ合い、大規模且つ暴力的デモに発展していった。
まだまだ、先行きがどうなるのか不明なのだが、チュニジアは1月の14日にベンアリ大統領(74歳)が、国外に逃げ、23年間に及ぶ独裁体制が崩れ、暫定政権が出来た。
そしてその波は、予想されていたように、エジプトに襲った。デモは暴動に発展して、30年と長きに続いたムバラク大統領失脚を迫っている。なんでもムバラク大統領は、自分の息子を世襲させ、大統領にしようと、北朝鮮の金王朝のような作戦でいたらしい。息子は既に国外に出国している。
また、中東アラブの国にも飛び火しそうで、イエメンにも大規模なデモが起こっている。
さて、エジプトなのだが、有名なピラミッドを中心とする観光はあまりにも有名で、今回脱出しようと空港に集まった観光客の中に、500人ほどの日本からの観光客もいたそうだ。それ以外にもエジプトには、千人を超える日本人がいるとか。
もともとこの辺一帯はイスラム教徒の国。そのイスラム教徒を米国と協力して抑えてきた現大統領や王族達に危機が迫っているようだ。同じイスラムでも過激派とそうでない派が入り乱れている。ここでドミノ倒しで、北アフリカからアラブ中近東の国々に政変が起こり、嘗てのイランのようなことが起こると、下手をすると欧米と敵対するようなことが起こることが、なんといっても心配なことだ。
このエジプトなのだが、調べて見ると驚いてしまった。DGP(国内総生産)は、静岡県の規模1,884億ドル(約16兆円)と同じ程度なのに、人口は約8.300万人もいる。静岡県が、8,300万人の人口を養っていることのになる。因みに静岡県の人口は377万人なのだが。これじゃあ貧困になるのも理解が出来る。
以下新兵器:Googleの公共データーを埋め込んでみる。これ適当なものをチョイスしてチャートをつくることが出来る優れもの。グラフ線にカーソルを当てれば数字が出る。もっと遊びたければ、「データを分析」をクリックして、独自のチャートを作ってください。
まず名目GDPについて
2009年統計で、香港が、2,153億USドル。エジプトは、1,884億USドル。香港以下の経済規模なのだ。
そして人口は
香港が697万人、エジプトは約8,300万人。また人口については、1960年から見ると急激に上昇している。1960年には2,780万人だったのが、2009年には50年間で3倍の人口増だ。多分これは、アフリカ大陸の中部・南部、また北部の左右国から流入してきたのだろう。ということは、それらの国々はもっと貧しいということになる。
ついでに、各国々の統計をこれを使って遊んで見ると、様々なことが分かる。ドイツ・フランス・英国なんて、ほとんど人口の増減はない。日本はドンドン人口が減るなんてマスメディアが煽っているが、それほど大騒ぎをすることはない。因みに中国の人口はあまりにも多いので、チョイスしなかった(グラフが中国以外見難くなるので)。
現在、エジプト政府は、インターネットの回線を全て遮断しているとのこと。これをしないと、ネットを通じて次の暴動に発展するからなのだが。ネット社会がますます発展すると、いかにその国の政府の秘密にしておきたい事が暴露されてしまうかを、認識させてくれる。
これからエジプトがどうなるか分からないが、このような経済力が乏しく、人口があまりにも多すぎる国は、やはり宗教で治める、なだめるしか直近にはないような気がする。それが強烈なイスラム教なのであろうが。まさにこれからますます急速に、イスラム教Vs他宗教+無宗教といった図版になっていくのかもしれない。民主化運動がアラブの国々にも波及していったら、世界はエネルギー問題に発展していく。
今一番困惑している国は中国だそうだ。今でも中国はインターネットを選別して規制している。動画も規制が出来る国内動画サイトは別として、国外の動画サイトは観る事が出来ない。もちろんYoutubeも全土で閲覧出来ないようにしている。現在中国版Twitter「微博」は「エジプト」の検索が出来ない状態にしている。
しかし、同類の一部特権階級しか富を得られなく、人口の大部分が貧しい生活を余儀なくされている中国国民が、今回の北アフリカの政変に刺激され、国内全体で騒乱が始まれば、やがて中国共産党は崩壊して、今の各言語別の国家に分裂し、最終的に米国に似た連邦国家になっていく可能性がある。
まして、これからますます中国はインフレ傾向が強く、不動産バブルが崩壊したら、今まで隠していた不良債権が一気に発覚して、国の財政は破綻する可能性に直面するだろう。それはいつ頃か?貧乏神様しか分からない。
一粒で二度おいしいオイラのブログ:今日の画像
世界に住むイスラム教徒の人口は急速に増加していて、
20年後には全人口の4人に1人以上、
22億人に上ると予想される。
増加の背景として、
イスラム圏では人口の6割が30歳未満と若いことに加え、
女性1人が生む子どもの数が多い傾向にあること、
さらに今後の経済成長によって平均寿命が長くなることなどがあると指摘しています。
サミュエル・ハンチントンの「文明の衝突」が
ますます激しく世界を揺さぶっていくであろう。
とりあえず、
日本人はどちらとも上手く
やっていきそうな感じがするが。
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コメント
エジプトのデモ。目標100万人とか
そんな規模にはならないだろうが
軍が中立なので、ムバラク大統領は退陣だろう
そうイラン革命のパターンと似てきている。
投稿: aozpra | 2011年2月 1日 (火) 17時54分