風の画家、中島潔って、オイラの街に住んでいることを発見。どうりで何か縁を感じていたわけだ。
今日はまた政局の話を書こうかと思ったが、明日、民主党の役員会が開かれるとのことで、次回にまわすことにした。新規政党が政党助成金を受けるためには、1月1日に存在していなくてはいけない。未だ、ごだごだしているところを見ると、小沢の離党と新党結成は幻となるのか。付いて行く議員がいないということなのか。それとも、来年、小沢は民主党を崩壊させるつもりなのかもしれないが、今の彼に嘗てのエネルギーは残っているのだろうか?
さて本題
オイラ、「ご幼少のおり」には、結構絵には興味があって、小学生で油絵を描いていた。高校時代には、デッサン画とか、写真を見ながらそっくりに描くことなどよくやっていた。吉田茂の写真画・弥勒菩薩の写真画・有名タレントの顔やら。その後、他の興味に流れて行き、それほど絵画には興味が無くなってしまった。あまりにも絵画の世界が広すぎて、追いついていけなくなったのかも知れない。
オイラの姪に芸大を出たのがいて、それも夫婦で芸大出。また義兄が三菱銀行退職後、版画や油絵に熱中して、京都にある専門大学に入学卒業をしたり、まぁ、絵画については話す機会は沢山あるのだが、一向に興味が湧かなくなってしまった。
なんか今の時代、絵画と映像が合体して、古典的絵画の世界とは違うものに興味を感じるようになった。NHKのドラマの最初のタイトル映像も、絵画の世界と映像の世界を融合させたような、新しいジャンルが出来ていると感じる。「ゲゲゲの女房」やNHKの大河ドラマにも使われている。また従来の絵本画的なものと、古典絵画との融合なんてのもある。
この、風の画家、中島潔などもその中の1人と云える。
芸術というのは、その重要性は、そのオリジナリティーだと考える。その作品が上手いとか、下手とか、それ以前の問題として、いままで無かったオリジナリティーをどのくらい出せるかが命だと思う。もちろん、そこに至るまで想像を絶するような時間を描けて基礎を修学するわけだが。やがて、それを追求していく内に、カラダから滲んで来るオリジナリティーに画風が移行していくわけだ。
ピカソの絵を見て、あの位の絵はオレでも描けると、大して上手くない絵だと。だが彼の修行時代の精密な絵画を見たら驚いてしまう。ピカソの特徴な画風は、その到達点としてのオリジナリティーなのであろう。岡本太郎にしても。
そんな中、テレビでだが、よくこの手の作品を観て、絵本画の様で絵本画でない。古典絵画の様で古典絵画でない。観る者に優しさ、可愛らしさ、寂しさ、ある種のエロティシズムを感じさせる絵画だなあと感じていたのがあった。
当初はこの画家の名前すら知らなかった。どうしても絵本画家のジャンルに入る。しかし、何か大きいオリジナリティーを感じていた。
たまたま、NHKのクローズアップ現代で、今年5月31日に放送されていたらしい。
風の画家・中島潔“いのち”を描く2010年 5月31日(月) 放送 NHKクローズアップ現代
日本画壇で異彩を放つ“風の画家”中島潔(67)。NHKみんなのうたなどで親しまれたノスタルジーあふれる童画にはじまり、源氏物語や詩人・金子みすゞの世界を描いた絵などで、国内だけでなく、海外でも高い評価・人気を誇る。
その中島が、「生涯で最高の仕事」として取り組んできた46枚のふすま絵が完成。京都・清水寺の成就院で4月末、公開された。日本画の伝統とは無縁の画家が、1200年の歴史を誇る名刹でふすま絵を描くのは極めて異例。
中島は、ここで、終生のテーマでもある「いのちの無常と輝き」を表現するため、過去何度も描いてきた金子みすずの代表的な詩「大漁」を4たびテーマに選んだ。中島が5年をかけてひたすら描き続けたイワシの大群の絵は、圧倒的な存在感を放つ。「風の画家」が現代に発する「いのち」のメッセージに迫る。
そして、先週23日10時より、NHK「ヒューマンドキュメンタリー」という番組で、今度は55分もので、この中島潔の半生が紹介されており、録画して観た次第。彼の生い立ち、母親との生活、そして18歳にての母親の死、その直後の父親の再婚、もう会いたいと思わなかった父親の死の知らせ、最近になって肺がんの手術とその格闘、京都・清水寺の襖絵の製作とその完成 等々。
ネットで彼のプロフィールが紹介されていた。
中島潔(ナカシマキヨシ)
1943年中国東北部(旧満州)に生まれる。1歳で両親の生まれ故郷佐賀へ戻る。1961年佐賀県立唐津西高校卒業。
伊豆下田の金鉱で温泉掘りとして働く。その間、働きながら絵を描き続け、基礎的なデッサンを独学で身につける。1963年新聞にカットを投稿採用、それがきっかけで下田の印刷所で働く。
1964年東京銀座の広告会社に就職。イラストレーター、広告プロデューサーとしてその才能を認められ活躍。アートディレクターとして数々の賞を受賞。
1976年独立しフリーとして活動を始める。1987年ボローニャ国際児童図書展で絵本『木霊みょうと』でグラフィック賞を受賞。1994年日本原子力文化賞を日本原子力文化振興財団より授与、現在に至る
紹介された、彼の半生からは想像が出来ないほどの、明るさ、暖かさ、可愛さを感じる。
またこのような画風もある。
どうしようもない、エロティシズムを感じるのはオイラだけだろうか。
そして、今回清水寺に置かれた襖絵の「大漁」のモチーフになった過去の作品が
そして、
約1200年の歴史を持つ京都・清水寺で、日本画家なら誰もが“一生に一度は手がけたい”と願う、ふすま絵46面を描き上げる過程に密着した。
しかし放送後、中島を病魔が襲う。肺がんが見つかり、緊急手術をした。退院後、再び筆をとり、新たな作品に挑んだ。全身全霊で“いのち”のすさまじさ、輝きを切り取ろうとする画家の世界を見つめる。
凄い迫力だ!一匹一匹のイワシの顔が違う。人物像からは想像が出来ないほどの熱いエネルギーを感じる。
この「大漁」以外にも、計46枚の襖絵で、この中島潔の作品が構成されている。清水寺の住職が、「清水の舞台から飛び落ちる覚悟」で、この中島潔の作品を採用したのだろう。オイラ大成功だと感じる。
ところで、この番組を観ていたら、よく見たことのある風景になった。カミさんと一緒に鳥肌が立った。
あれー、ここはよく孫と一緒に遊ぶ小山臨海公園じゃないか。あれー、ここは歩ける距離にある伊東線「伊豆多賀駅」の桜じゃないか。この眺望はオイラの家のある地域を見下ろす場所じゃないか。
なんと、中島潔の自宅兼アトリエは、オイラの家から歩いて行ける距離に存在していた。まさに「灯台下暗し」という次第。
そして、もっと驚くことがあった。彼の幼少期過ごしたのが佐賀。
オイラの高校時代の担任教師は、宮崎寿美枝先生という。唐津市浜田町横田に晩年住んでおられ、84歳で2005年に亡くなられた。葬儀は間に合わなかったが、法事に級友と2人で羽田から空路で参加した。その近くに大砂浜があり、これ「虹の松原」と云われている。
なんと、番組では、その砂浜を中島潔が昔を懐かしみながら、歩いているではないか。
彼には、往復ビンタの「縁」を感じた次第で、今日の記事にした。
京都の清水寺に、この作品の襖絵を見に行きたくなった。いや、行かねばならぬ。
一粒で二度おいしいオイラのブログ: 今日の動画
では、ちょっとだけ
彼の作品を!
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コメント
はじめまして。清水寺内にある成就院の襖絵を中島潔画伯が創作したことをテレビを通じて知りました。感想は、はっきり申し上げれば気持ちが悪いの一言です。人物画に対してです。それ以外については好印象を持ちました。しかし、絵画は人物像が一番重要だと考えます。それは描かれた姿や顔の表情の中に創作者の思想や品格や価値観そして、生きる姿勢等様々な要素が込められており、度々のつまりは創作者の美意識が表現の原点にあります。源氏物語の中の女性の妖怪じみた顔、竹取物語の中の女性も同様。そして、女性たちの首から背中にかけての歪曲した形。どう評価しても"美'とは言えないでしょう。海外に出展しても評価されないのはこのためでしょう。芸術への認識は世界共通です。因みにロシアの画家・レーピン作「ボルガの船
曳」をご覧下さい。美しい姿や顔をしています。ご感想を楽しみにしています。
投稿: marunouchama | 2011年1月15日 (土) 09時34分
marunouchamaさん
蓼食う虫も好き好きですよ。
絵画の世界でも好き好き。
結論として、どのくらい世の人が感動するかでしょうね。
ゴッホの絵に数十億円の価値があると考える人と
そんな価値はないと感じる人。
>感想は、はっきり申し上げれば気持ちが悪いの一言です。
そう感じる人はそれでいいでしょう。
ただ、評価の仕方が、芸術を愛する人としたらずいぶん固定観念的過ぎますね。
やがて、絵画の世界も取り残されて行く運命でしょう。今でも、もっと興味をそそれられるものが多くなってきましたからね。
これは世の流れで仕方がないことです。
投稿: マシュマロ | 2011年1月15日 (土) 16時47分
こんにちははじめまして
私中島潔さん大好きだったんですけど
襖絵の存在をこのブログで初めて知りました。
ありがとうございます。
marunouchamaさん のコメントは実に興味深いですね。
芸術に対しての考えが安直すぎますし、個人の意見にすぎません。
投稿: ひかり | 2011年1月17日 (月) 13時10分
福岡アジア美術館の中島潔展行きました。長年の憧れの人。私は絵画に関しては全くの素人。むかし新宿の旧安田火災海上ビル本社でゴッホのひまわり展を見ました。バブル当時確か60数億円で落札されたものでしたが、別に感動は覚えませんでした。有名無名、鑑賞者にとってはどうでもいいこと。要は好きか嫌いかなんとも思わないかだけの事でしょう。
投稿: 一休 | 2012年11月21日 (水) 07時05分