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2010年12月17日 (金)

会員制ホテルについて、浅く検証をしてみた。結構巷では未だ流行っているみたいだ。

昨日は、友人夫婦とオイラのミカン山で、みかん取りとBBQで半日過ごしました。旦那は、かの電通でCMや映像の企画等の仕事を続け、定年退職をして、今はほとんど自宅で「毎日が日曜日」だそうだ。まさにハッピーリタイヤメントといったところ。毎日の日課を尋ねたら、陶芸教室で、昔から好きだった陶芸に没頭することと、退職後に始めた尺八の練習教室に通うことだそうだ。尺八を披露してくれたが、はや2年。大分上達したようだった。

そもそも奥方がオイラの高校時代の同級生で、彼女ハワイ大学の出身。その後得意な英語を中心とした仕事に就き、ジャイカなどにも関係が深かったらしい。今は旦那に合わせて、共に「毎日が日曜日」だそうだ。もっとも姉と交代で、近くにいる親の世話で結構忙しいらしい。まぁ、日本は長寿が多いので、まだまだ親の面倒を看なくてはならないケースが多い。想像以上に大変なのだが。

この夫婦、旦那の仕事の関係で、ニューヨークに数年いたり、ジャカルタに数年いたりで、海外生活を愉しんだようだ。息子は結婚をして親元を離れての、現在「望ましい姑」の練習中のようだ。孫が2歳になったそうで、これからますます可愛くなる最中だ。やはり近くに住んでいるので、よく遊びに来たり、遊びに行ったりとか。

昨日のお礼にと、先取りでその前々日に、伊豆高原のホテルと食事を招待してくれた。いわゆる「会員制ホテル別荘」ということになるのか。なんでもこれ「ポイントバケーションリロ」というところがやっているとか。今やイロイロな会員制ホテルグループがあるらしいが、オイラ全然興味がないので、ぼんやりしたことしか分からなかった。これを機会に浅く検証をしてみた。

昔からの通例は、別荘だった。数十年も前からリゾート地では、別荘地の分譲販売が行われて、ほとんどの有名地が開発されてきた。オイラの新しい親類も那須の別荘地に1戸建ての住宅が数十年前からあり、様子を見ようと昨年行って来た。着いたらまず全てを掃除から始めなくてはならない。面倒なんだよ、これが。

昔とは、その親類の家族構成も変わり、使用するのは、年間15日ぐらいのようだ。過去に大規模修繕はしたらしいが、人がすまない住宅は、なんやかんやで非常に傷みやすい。もちろん管理会社に管理費を払っているようだが、建物本体については自己責任だからね。

全国各地の観光開発が急激に進み、施設も格段に多く充実してきたので、今や別荘の魅力がなくなりつつある。当時は日本中の土地が値上がり続けていたので、将来手放す時には、購入した時よりも、少なくても同額か、もしかしたらより高く売れるという神話があったからこそ、個人も法人も別荘購入のブームがあったわけだが。

だから、宿泊費は利子のようなもので、投資・投機として価値があると乗せられたのであろう。しかし、土地神話は崩壊して、各リゾート地の別荘地の地価は大幅に下落し、最高値の半値以下の状態が続いている。

オイラの近くの土地についても、小さな旅館形態のところを建物込みで、1億円で購入し、改修工事やなにやらで3千万円掛け、その8年後事情があって売りに出し、4年前に結局売れた金額が2千万だったと。買った人は、那須の別荘を売ってのことだったと。一時そのための重要な家財をオイラの賃貸倉庫で預かったこともあり、その時、その人のぼやきを聞いたわけだが。簡単に言うと、約10年で1億1千万円の投機損ということに。

また、近くのリゾートマンションも、20年前に2,500万円で購入した個人が、10年前に600万円で売り出していた。リゾートマンションも毎月の管理費や駐車場代・積立金などで結構な額が掛かる。また固定資産税もバカにならない。基盤の住まいを子供に譲り、老後死ぬまでそこに住むことが出来れば、なんとか実るのだが、それが狂うと資産価値の半減したものを処分しなくてはならない悲劇が待っている。

そんな中、登場したのが会員制のホテル・別荘だ。特に土地バブルが崩壊していく過程の1990年代から。大中小の組織がこの会員制ホテルのビジネスモデルに挑戦して行った。

オイラの地域でも、ホテル施設を建て宣伝で会員募集し、なお且つ地元の関係業者に300万~600万円の会員権を買わせ、5年ぐらいで倒産なんていうのがあって大騒ぎをしていた。預託金制度を利用したのが多かった。

これ下地はゴルフの会員権。バブルの頃、近くの大熱海国際ゴルフなども、最高2千万円の値がついたが、現在は正会員で42万円だ。それに年会費が3万円ちょい。これらはほとんどが預託金制で、クラブが破産すれば、会員権は紙くずになってしまう。オイラも数年前に35万円で買わないかと打診されたが、名義書き換え料ってのがあって、それが80万円だと。もちろん断った。全国の各ゴルフ会員権も似た様な世界になっているようだ。

この方式をホテル会員権にしたのが、その頃あっちこっちに竹の子のように発生して、よく社会問題になった。最近でもこれはこのブログでも記事したのだが、詐欺的で悪辣なヤツ。

ホテル旅館の再活性化事業と預託金商法:このケースの場合2010年3月 1日 (月)

ついに来た。朝一番の強制捜査:岡本倶楽部に本格メス2010年5月26日 (水)

岡本倶楽部はどうなった。今「嵐の前の静けさ」なのか。2010年6月16日 (水)

ここの会員は、今や預託金の回収は難しいことになっている。預託金+アルファーで会員権を売りさばいていたが、とうとう破産してしまい、今裁判沙汰になっている。預託金の返済が出来ない状態になっていた(していて、カネはどこかへ分散消滅)。

こうした中、会員制ホテルで有名なのが、30年の歴史を誇るリゾートトラス社のエクシブ・グループだ。オイラの地域でも嘗て長銀が不良融資して倒産した初島クラブを買い取って、エクシブ初島ってのがある。ここは、次々豪華なホテル施設を造り、その都度会員募集をして規模を大きくしている。

会員の前提は預託金ではなく、何でもエクシブというのが14という意味で、1客室を14人で共有するというシステムだそうだ。これは客室を区分登記して、その客室が14人の共有所有権なのか、HPでの説明では分からない。そしてその対象の施設の客室には、年間26日の完全利用を保証しているそうだ。14人×26日=364日で辻褄は合う。その客室のグレードも数多く別れていて、会員権の金額も大幅に違うようだ。

新しく出来た施設は新規募集をしていて、最近のを見ると相当な高額な金額になっている。最近完成の箱根離宮XIVってのを見ると、

箱根離宮XIV会員権価格

だって。一番安いCBタイプ14人所有の26泊タイプで、約1千万円で年会費約13.4万円。28人所有の13泊タイプで、約550万円・年会費7.6万円だと。それなのにほとんど完売だと。まぁ、世の中金持ちってのが多いね。こんなにカネを払ってどうするんでしょうね?

またこのエクシブって、簡単には全体を把握できないほど、複雑化している。当初14人の26泊が唄い文句だったのに、いつの間にか28人所有の13泊タイプだって。単純から出発して、ドンドン複雑化させているみたい。

オイラのポン友が、彼のお得意さんに、エクシブ初島の会員権を買わないかと云われたそうだ。どのタイプなのか知らないが、600万円でどうだと。あとプラス名義書き換え料が40万円だとか。もちろん断ったらしいが。

なんでもこの会員権を買った人が、これを売るときには、自分で売買市場に出して自己責任で売るしかないならしい。そして人気のない、または古くなった施設のは、年々価格が下がっているとのこと。エクシブ側はゴルフ会員権と同じで名義書き換え料と年会費を収入としている。

この会員権市場では、様々な取引業者が入っている。

売り物物件情報 エクシブ/サンメンバーズ

まぁ、全く会員権なぞ買う気のないオイラが見て、チンプンカンプンの世界に入ったようで頭が痛くなる。詳しくはセールスが教えてくれるのだろうが。オイラの仲間も数人会員権を過去買ったのがいて、そこから宿泊券をもらって、数多くアッチコッチのエクシブに行ったことがあるが、その当の本人も行く機会が減って、毎年ほとんど宿泊権利を捨てている状態だと。また年会費は払わないと、次の年には、利用権が来ないのでしかたが無く払っているとか。

まぁ、交際・接待関係で、利用することは価値があるのかもしれないが、特別な人間でもなければ100%の有効利用は、物理的にも、心情的にも無理だろう。まして遠距離の場合には交通費も掛かる。近くの施設なら、数回行けば飽きてしまう。そしてもちろん食事代は別途料金で、ほとんど辺ぴなところにあるので、この施設内で食べるしかない。安い料理はない。

もしも、これら会員権が、何時までも同額を維持できれば、または年々値が上がって行けば、そりゃ天国なのだが、これから値上がるというバブル要素はほとんど今や無いだろう。

これからますます日本の宿泊施設の料金は廉価になって、もっと気軽に全国各地、好きなところに行けるだろうし、それより海外旅行も同じように廉価になっていく。幾つかの会員制ホテルに縛られ、そのために、高額な大事なおカネを投下して何がいいのだろうか。ケチなオイラとしては、全然理解出来ない。

まして、運営グループ会社が倒産したら、これら数千万・数百万の会員権は紙くずになってしまう。計算機を使って、会員権なぞ買わないで、自由に豪華に国内旅行や海外旅行をしたとしての計算で、弾き出せばこの方が断然お得なのが分かるはずなのだが。

リゾートトラスト エクシブ箱根離宮会員権販売開始2007年01月22日

↑この人もホテル会員権には懐疑的なようで。まぁ、「蓼食う虫も好き好き」ですから、おカネが有り余って使い道のない方々には相応しいのかもしれません。

今回世話になった友人の「ポイントバケーションリロ」も、世話になりながら悪いかもしれないが、実態がどうなっているのか分からない。共有権なのか、預託金制なのか、単なる利用権なのか。

ポイントバケーションリロとは

で、これの会員権の価格やその他について調べてみると

ポイント追加購入(ポイントアップグレード)について

なるほど300Pで会員権の価格は380万円と言うことらしい。そして年会費は9万円とか。このシステムも、どうもオイラには先々問題化する懸念を感じる。このリロ・ホールディングスグループの会社が、何事も無く続いていったとしても、未来永劫の保証はない。最悪倒産ということになれば、もしかしたら利用権が、会員権が全て紙くずになってしまう恐れがありそうだ。

例えエクシブの様に、共有権であっても、本体がサービスを提供しているわけで、それがなくなったら、何も機能しなくなり、まったく担保されなくなる。そのような大きなリスクを伴うのに、あまりにも各種会員権の価格は高すぎるに尽きる。

また施設もそれなりだが、オイラが招待された伊豆高原のは、もともとリゾートマンションで買い手が付かなかった物件の部屋だけをまとめてホテルとして活用しているようだった。この手は沢山あり、一般にコンドミニアムホテルと云われている。

まぁ、それぞれ自己責任の世界だが、それを覚悟・納得して会員になっていれば、後悔もないだろうが、オイラには購入者の神経が理解できない。

会員権購入には、くれぐれも気をつけて下さい!

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