これから、日本の出番だ!これから日本は先頭を走るのかもしれない。
つくづく感じるのは、おカネを以前程使わなくなったことだ。特にオイラの場合、以前中心街に事務所を持っていたので、駐車場は借りなければならないし、つまらない買い物もよくした。街にいる悪友からの飲み会の誘惑もあったりで。考えてみたら、昔ならイザ知らず、ここに事務所を置いておく理由がなくなっていた。一緒の事務所で別の仕事をしていた父親が逝去したのに伴い、4年半前に中心街から郊外にある自宅の父親住居棟に事務所を移した。自宅とは2階の空中廊下で繋がっているので、外出することなく、事務所に出勤ということに。
お陰で必要経費は、大幅に減った。そして今や仕事での図面図書や資料のやり取りもメール送信で簡単に出来る。ネットが汎用に普及し出して10~15年というところか。買い物も半分以上ネット購入で宅配をしてもらう。
こうしてみると、いままでいかにムダが多かったか。あるものを買うのに交通機関を使う。その時間的ムダと交通費のムダ。そこでつい余計なものまで買ってしまうムダ。十分調べることなく、衝動買いで間違って買ってしまうムダ。今やそれらがほとんど無くなった。ネットを駆使しての利用者がドンドン増えているのだから、日本国中、従来からの経済の一部であったムダが無くなっていくのだから、こりゃ経済はしぼんでいくわけだ。
経済用語に「合成の誤謬」というのがある。15年ぐらい前に、リチャード・クーが、「バランシート不況」を説明するためによく使った。個々が、自分のために的確なこと(ムダをしない・借金は大きくしないで返済優先などなど)をすると、それらが合成された全体の経済は縮小していくという一種のパラドックス理論だが。
つまり、ネーチャンクラブで高額を使ったり、ホステスにチップをやったり、詐欺師が、大金をためている老人から掠め取ったり、談合で工事費を高く吊り上げたり、賄賂をもらったり、ムダなカネの使い方をしたりするというのは、それが現金で金庫や梅干壷にしまわないない限り、国内をグルグル回っている限り、日本経済には貢献することになる。(少しオーバーだが)
個人が道徳的に良くすることは、逆に経済を縮小させることも多い。なんたって若いころから金使いの荒かったオイラが、いつのまにか倹約家になってしまったからね。もちろん老練となり、バカバカしいカネの使い方を、過去の戒めからしなくなったのだが。綺麗に言うとカネを使わなくても、楽しめるものを多く見つけたからか。
日本人の消費がドンドン減っているからますますデフレになると、マスゴミは騒ぐが、はっきり云って買うものがない。衣服のもちはいいし、過去買った衣服がクロゼットに在庫していて、着きれない。本も買わなくなった。オイラが気に入っている優秀ブログを読むだけで、時間が無くなってしまう。過去の本棚の本も再読なんてめったにやらない。新聞は、かさ張るし捨てるのに億劫だし、洗脳記事も多いので、ネットでの閲覧で十分だ。音楽CDなんて最近買ったことがない。動画サイトのコンテンツが爆発的に増え、そこからのダウンロードで間に合う、というか音楽を昔ほど、貴重なものだと思わなくなって来た
あえて云えば、それらを簡単に捨てることが出来た昔なら、替え買えも楽だったが、行政の粗大ゴミ収集も、まだ使えるのにという無駄キャンペーンで、捨てにくくなった。最近は粗大ゴミは、自分で焼却場にもっていかざるを得なくなり、また金を取られる。こんなこと一般人は出来ないことが多い。人情として、捨てるためにカネが掛かるというのは嫌なものだ。だからテレビでよく見るが部屋には、品物が溢れ、足の踏み場も無い家も多い。一般住宅も非常に狭いからね。
品物価格は、ここ15年ぐらい同じか、いやもっと下がっている。それなりにいい品物なのに。これ、かなりが、中国製や他アジア製。中国等でバンバン安く作って、輸入している。墓石さえ中国で完成させ、そこから調達して、少し最終仕上げで墓に建てる。まったく日本の消費者にとって現在は天国となっている。しかしその内に、やたら買うものがない状態になっていく。家がゲップと云っている。
しかし本来、生産の従業員だった人達は、海外の生産従業員達にどんどん仕事を奪われ駆逐されていく。ここで昔に戻って国内生産となると諸物価は数倍に跳ね上がることになる。完全に生産においてもグローバル化となり、もとには戻れない世の中となってしまった。
政府・マスゴミは、もっと消費してくれとキャンペーンを張っているが、もうゲップ状態なのだ。おまけに、消費回転が激しい子供がドンドン減っている。オイラの世代は、年200万人以上いたが、今じゃ100万人前後。
(クリックで大)
しいて言えば、現場仕事となる建設業しか、可能性として純日本の産業は残っていないかのようだ。これとても、建材は海外かの輸入が多い。この流れを止めることは不可能になっている。もちろん農業があるが、ますます国際自由化の波が今まさに押し寄せている。
だから、世界で真似のできない、高度な産業に頼ることしかないのだが、中国・韓国などは次々技術を盗み、特許を侵し、広大な土地に大きな工場を安く建て、競争に挑んでくる。これも、政府の戦略の無さだけでは、済まされない現況なのだ。
米国は内需(国内消費)を上げるため、最後にはサブプライムローンまでやって、貧困者までにも、大型な住宅を持てるような政策を打った。大きな家になれば、買いたいものは山ほど入る。米国内消費は70%まで上がって、そのお陰で、世界経済は大好況。しかしこれが、「カジノ的ねずみ講的詐欺金融」をやらかしてしまって、象徴的なリーマンショックまで行ってしまい、金融機関は不良債権の山。これはEU圏も同じこと。
そこで、金融・経済危機を救うため、それら各国は大幅な金融緩和・中央銀行の不良債権買取・国債の発行とその買取で、カネを刷りまくっている。米国・EU圏・中国しかり。やがてそれはソブリンリスクへと移行する。各国10%以上の失業者が続出状態。日本はやっと5%。それなのにマスゴミは職がないと大騒ぎだ。
中国の不動産バブルは凄まじいものがあるらしい。建設中も含めて、売れていないコンドミニヤム(分譲マンション)が8,000万戸とか6,000万戸とか。たしかに今回中国の田舎都市にいったが、その数は想像を絶していた。あの青島も、外観完成で買主を待っているコンドミニアムが、数十棟あった。
まぁ、中国では、普通、内装工事は購入者が行うので、日本とはちょと感覚が違うことになる。つまり不動産業者が完成販売するのは、囲いだけ。あとは購入者のオプションを加えた別途内装工事に移る。だからプロジェクトの初期投資は日本で考える半分以下で済む。
建物の建築方法は、地震を考えていないので、柱・梁は鉄筋コンクリート造だが壁はブロック積みと軽量で、しかも高層なのに工事費も安く建築できる。それでも、後の内装工事まで含めれば、価格は一般庶民の年収の30倍~50倍、いやそれ以上100倍とかのバブルになっている。
本来民主国家なら、とうにこの不動産バブルは崩壊するはずだが、中国の共産党独裁政権では、経済・金融はどうにでも操作が出来る。その結果予想される破綻のボリュームはますます、デカクなる。
まさか中国でも、外資がローン債をまとめて証券化してデリバティブ金融商品化なんてことはないのだろうか。中国にゴールドマンサックスなどが絡んでいるなんてのをよく聞くが。これは考えすぎか?
どっちみち、上海万博も成功裡に終わった。あとは、しばらくは中国での目玉は予定がない。中国での金融・経済の統計発表は、捏造が多いと聞く。米国のバブル崩壊でさえ、アノ通りの大混乱。中国だったら、何が何だかわからない程の大混乱になるのではないだろうか。最近の中国政府の日本に対するメチャクチャも、先々大変なことになるという予想があるのではないかと勘ぐる。
11月2日の米国の中間選挙では、どうやら上院・下院とも民主党に代わって、共和党が巻き返す予想がでている。下院全員・上院1/3の改選だ。保守系のティーパーティーが、多くの白人層を取り込んでいる。共和党が議会を押さえれば、オバマの政策はねじれてくる。それがいい方向へなのか、悪い方向へなのか。オイラには分からない。
まさに米国は各州が財政破綻寸前。経済成長も鈍ってきている。FRBはカネを刷りまくっているが、回避するのは300兆円必要なのに、年30兆円規模が限度とか。失業率は10%超え。まだまだ処理できていない不良債権は山のようにある。
なんのことはない。2年前の金融恐慌に因る破壊を先送りしたに過ぎない結果かもしれない。中小金融機関はぼんぼん潰れている。昨年だけでも140社。今年は今月末で139社が破綻した。今年末までには、昨年を越えることは確実。
これからの米国は、金融緩和でインフレになるという説と、いや日本と同じデフレの道だろうという説が交互する。景気後退でインフレになると、もっと厄介なスタグフレーション(stagflation)となり地獄道となっていく。
これは、中国にも言えることで、どうやら中国も金融緩和において、財政出動において、カネを刷りまくっているらしい。現在インフレ率は、3%を超え、3.6%となって来たと。捏造統計が本当なら4%超えかもしれない。そして確実に景気は後退してくる。まさにここもスタグフレーションへの道かもしれない。そして不動産バブルがハードに崩壊したら、ドバイの1000倍の破壊力だと脅す説もある。
EU各国は、ドイツを除いて好調な国はほとんどない。フランスでさえ、経済は下落しているようで、ちょっと郊外に行くと閉鎖している店や、売り物件、貸し物件の看板があちらこちらだそうだ。アイルランドも大変厳しい。ユーロ圏から脱却する国の第1号はとクイズになっているとか。
1929年のウォール街での株の大暴落から、本当の恐慌に入っていったのは、数年後と云われている。傷口を絆創膏で押さえるので、それまで時間が掛かる。その内に絆創膏を張るところが無くなり、真の大恐慌となる。もちろんもはや今では1国だけではすまなくなってきているのが、現在のグローバル金融・経済のシステムだ。
その点、日本の1990年代の土地バブル崩壊は、まだ今のようにグローバル化していない時代で、なんとほとんど日本1国で処理してきて現在に至っている。消えた価値のカネ換算が1,000兆円とか云われているが。そんなこんなで来たのに、日本は未だに世界一の海外債権保有国だ。つくづく日本は凄い国だと思わないか?
これからの数年間はいよいよ、再度日本が挑む時代になってきそうだ。そうこの失われた15年間、地味だが過去を着実に整理し、「カジノ的ねずみ講的詐欺金融」に一部は除いて嵌らず、次なるチャンスを覗ってきた。この円高を逆手にとって、世界の資源や会社を買い捲れる機会とすればいい。中国以外に進出するのもチャンスだ。
オイラ、あの円高の1995年には、建築材を輸入して小さいなりにも大きな利益を出した。
しかし、上図の様に、それ以後ドンドン円安になり1998年の中間では、1US$=140円まで40%も下がってしまった。つまり輸入代金が40%高くなってしまったということ。これではうまみが無くなってしまった。
まぁ、これからどうなるか。円高の現在なら即注文、即決済のできる輸入品目なら結構な利益を出せるのだが。
歴史は似たようなことは、繰り返し起こるが、全く同じことは絶対起こらない。これからの数年は日本経済の成長の芽がふいてきたと思って、新しい戦略に挑んでいきましょう。自虐史観や、日本を憂うことはもうやめて。そもそも優秀な国民なのだから。
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コメント
そういえば、最近12年ぶりに米国に行きました。
この円高で、米国での買い物や飲食・娯楽を楽しみに。
過去行ったときの領収書を引っ張り出してきて
その価格を頭にいれて言ったのですが。
散々たることになったしまいました。円高を享受するどころか、インフレで当時からすると、殆どの物価が上がっていてとても旅行を楽しめる思いは外れてしまいました。
チップも料金の15%が一般で20%なんてのも普通とか。
昔は10~15%を見ていたのですが。
してみると、1$=80円というのは、昔の物価水準で見たら、現在では1$=90~100円の価値しかありませんね。
因みにユーロ圏内で円をユーロに交換すると、1ユーロ=160円換算だったそうです。
投稿: watoson | 2010年11月 1日 (月) 17時24分