企業年金の終焉。そんなに長いこと、いいことは続かない。JALもそうだ!
オイラのカミさん。若い頃JALだったので、家ではJALの批判は禁句だった。しかし、さすがに雰囲気として解禁されてきたので、オイラとしても調子をはずさない様慎重に記事にする。もっとも、カミさん、オイラのこのブログは一切見ないらしいが、娘達がたまに見るらしい。そこから変な記事に対しては、報告が行くようなシステムになっているらしい。
まぁ、オイラのブログは、スケベ、エロ等風俗関係、不倫関係は一切取り上げないので、何が来ても怖くはない。(一粒で二度おいしいオイラのブログ:今日の画像は別として)
このJALってのは、1953年に国策会社として設立。1987年に民営化され、2002年に「日本エアーシステム」と経営統合。そのグループ持株会社である日本航空システム(現・株式会社日本航空。後述)の完全子会社となり、2004年に現行社名「㈱日本航空」へ変更した。(wikiより)
オイラのカミさんがJALにいた時は、民営化される前の国有会社(特殊会社)の時代だったということだ。まあその頃のことを聞くと、うらやましい「親方日の丸」の会社で、社員ものんびりしていて、一部の社員の採用は、コネ入社など当たり前。まあこの頃の大手の会社は、ほとんど同じだったらしい。今でもテレビ会社などの採用はこれが当たり前。
組合もいくつもあって、金持出身社員派と庶民出身派とに分かれていたとか、パイロットは、指定距離住まいなら、ハイヤーで送迎。CA(スチュワーデス)もタクシーで送迎。なんてうらやましい環境だったそうだ。いまはそんな時代は過ぎ去ったらしいが。
まぁ、少なくてもキャリア社員の多くが、良家の子息令嬢だったとか。裕福で育った人が多かったと聞く。おっと、オイラのカミさんは庶民出身だが。
JALも過去から現在まで、航空事業以外に多くの事業に手を出し、あっちこっちで失敗をして、その累計負債が会社をどんどん追い詰めて今日に至っている。国の命令に従わなくてはならなかったから、客の少ない航路も飛ぶ必要があった。そしてここ十数年では倒産のささやきが聞こえ始めた。
これも、大企業にありがちな事例で、経済が成長していけば、子会社を作ってそこにキャリアを天下りさせ、資本投下して・・・・ウハウハが続いていく。オイラの同級生も大手商社で、早期退職⇒子会社の社長。62歳で役員退職なんて具合。大変ラッキーな人生を歩んでいる。
なんだ!これって、官僚の天下りと似ているところがあるね。まさに組織を維持すのに必要なことかもしれないが、しかし一方は我々の税金を使っている。一方民間は倒産を常に覚悟しなければならないので、経営に「神の手」が働く。もちろんそれに失敗して倒産なんてのは日常茶飯事なのだが。
今回の金融立国、米国発生のカジノ的ねずみ講的詐欺金融に世界中が嵌って、これまでの世界が大、大変質してしまった。特に世界中の公的・民的年金資金積立金の運用でほとんどが大損失を出してしまった。
過去記事:世界恐慌:年金マネーの”熱狂”はなぜ起きたのか?・・今ここ:2009年6月24日 (水)
この企業年金も、社員の退職後の暮らしを守るためだったが、運用の失敗や企業の赤字の累計の増大で、にっちもさっちも行かない状態になっているらしい。
JALを含めて、いまだ大半の大手企業の企業年金給付は、確定給付型なので、決まった金額を給付しなければならない。JALの場合だと、4.5%の確定利回りだそうだ。現在長期国債が1.5%なのだから、これを基準にすると毎年3%の損失が累計されていくことになる。ヘッジファンド並みなことを約束しているわけだ。
大雑把に云って、標準の退職OBで、この企業年金分だけの受給額が月25万円。年だと300万円の受給。これを受給するOBが、現在7000人(待期者+2000人)。年間270億円処理しなければならない。これに比べてANA(全日空)は月10万円を切るそうだ。
これ以外に基礎年金分+厚生年金分≒月24万円。合わせて約月49万円の受給が死ぬまで続く。いいねえ、うらやましい。
GMの問題は、OBのこの企業年金とそれと合わせてOBの健康保険まで面倒を見ている点だった。JAL等日本の企業は国民皆保険制度があるから、GMのような健康保険までの負担はない。
しかし、JALにしてもそうだが、日経新聞の今年3月の集計によれば、主要上場企業の年金・退職金の積立不足は総額約13兆円と、前年比で倍増したとのこと。
積立不足額の上位10社は次のとおり:
日立製作所:6866億円
NTT:5763億円
東芝:5446億円
ホンダ:4566億円
パナソニック:4188億円
三菱電機:4039億円
富士通:4001億円
トヨタ自動車:3929億円
NEC:3483億円
日本航空:3314億円
どの企業でも、積立不足の額は積立額に近いか上回っており、年金支給額のほぼ半分が不足している。
こうした年金債務は現在の会計基準では計上しなくてもよいので「簿外債務」になっているが、今度のJALのように企業が破綻するリスクが出てくると現実の債務となる。
国際会計基準が施行されると年金債務も負債に計上されるので、JALのように実質的に債務超過になる企業も出てくるだろう。
これは、10年ぐらい前から云われてきたことだ。なんの改善もなく先送りできた。
この企業年金の確定給付額を減らしたり、その時の経済状況に合わせた確定拠出型に変更したりするのは、受給者+待期者の総数の2/3の同意を得なくてはならない。これが年金法という法律で決まっているそうだ。だから企業側が裁判にかけても大抵敗訴してしまうとか。まさにJALでは反対意見が現在1/3を超えたそうだから無理な状態。
国が助けても、その金はOBへの年金受給の補填に消えていく。つまり国民の金で、退職し、もうその企業ではなにも貢献していないOB様の生活を支える構造になってしまう。これもおかしなことだね。
そもそも、現在の会計基準では、年金債務は計上しなくてよかった。つまり法的に守られて、粉飾決算をしていいということに、なっていたから、こんな「お花畑会計」ができたのだろう。またその危機感もあまり感じていなかったらしい。
このあいだも、オイラの中・高校時代の同期会で、年金の受給についての話が多かったが、大手企業の退職者は、「悠々自適だね」と妬まれていたような。日立・日産・富士通・電通・三井物産・三井不動産等いろいろいたが。
これから先、他の大手企業も先々が不確実になっていくね。だからこの企業年金も死ぬまで、確定給付額をもらえるか不確実になっている。30年ほど前に買った本で、ガルブレイズの「不確実性の時代」ってのがあって読んだが(今は内容を忘れてしまった)、確定給付型企業年金なんてその頃から、危ない年金だったという結論だね。
これから、米国の経済低迷やらで、航空業界は先々明るい話は皆無の状態になっている。やはり米国GMの処理に似た、新会社と旧会社に分けて、旧会社は処分していくのが最適な方法かもしれない。身軽になることだよ。企業年金も倒産して受給金がパーになるより、半額でも、もらったほうがいいからね。今のJAL低迷の一部は、OBとなった先逃げ旧社員にも関係はあるからね。
ところで、これは噂なのだが、公明党との長年の連立政権で、JALには創価系のコネ入社員が一杯いるなんていわれている。
大マスコミが決して記事にしないJALと創価学会の関係。創価枠が作られCAなどに採用されている。JALも大マスコミも創価枠でダメになって行く。
まぁ、これもどこまで本当なのか分からないが、「火のないところには煙は立たない」といわれるから、一部本当なのかもしれない。だから今この件では、公明党は小沢に力を貸してもらいたいなんて噂も出てくる。
航空業界はANAとJAL系新会社と+αとで頑張ってもらうのがいい。なぜって?
数年前厳しい就職戦線で、コネのないオイラの末娘は、JALには鼻も引っ掛けてもらえなかったらしい。しかしその後、めでたくANAに拾ってもらった。きびしい仕事を毎日こなしているようだ。これから日本の航空業界はANAだ!(それが親ゴコロってもの)
一粒で二度おいしいオイラのブログ:今日の動画
ほらほら、パンナム(Pan Am)パンアメリカン航空なんてのがあったね。
この頃は世界ナンバー1の航空会社
この番組は、日曜日の午前に放映されていたね。
オープニングの曲が♪アラウンド ザ ワールド♪
なつかしいね。
そ!それが1991年に破産し運航を停止した。
その後ロンドンへの路線と中南米路線をユナイテッド航空へ譲渡。
他のヨーロッパ路線はデルタ航空へ、
マイアミ国際空港のターミナルをアメリカン航空へ譲渡。
これおまけ
映画「八十日間世界一周」のダイジェスト版含む
この映画、オイラ小学低学年の時初めて観た。
それ以来、海外旅行のトラウマに嵌った。
トシ坊!今度どこにいこうか!
| 固定リンク
コメント
JALに神罰が下ったな
尾翼の日の丸を、
民主党みたいに、半分、隠すからだ
日本経済が、いきなり破綻のクライマックスだぜ
投稿: ayaya | 2009年10月 2日 (金) 16時34分
ソフトランディングに向けて、国際的な航空グループとの資本提携で動いていたのに
それを一方的に完全白紙化したから、海外の航空会社が切れたんですよ。
また、外務省や国土交通省、通産省などが機能していませんから、相手側としては
交渉先もなく、窓口すらないですから、当然の処置に出ただけです。
単なる経営再建策だけでは、海外航空会社との関係は改善されませんよ。
一応申し上げておきますと、ワンワールドは王室系航空会社が多いです。
スカイチームはその他大勢の感が強いですね。
そして、世界の航空機リースはシェアの60%近くをAIGとGEが握っています。
けんかを売る相手が悪すぎますね。
投稿: AIG | 2009年10月 2日 (金) 16時40分
JAL関係のニュース報道は霧がかかったような報道でよくわからない。単なる航空会社の問題ではなくて、信濃町がらみの利権問題が燻っている。
何もパイロットやCAが創価学会の信者というのではなくて、JALがらみの取引先に創価学会の関係会社が多いという事なのだろう。天下り特殊法人に連なる子会社と関係は似ている。親会社が赤字でも子会社は美味しい商売をして大儲けだ。
これではJALがいくらリストラしても関係会社を切らない限り黒字にはならないだろう。GMみたいに一旦倒産させて再建させたほうがすっきりするのでしょうが、過去の高賃金体質を切らない限りどうする事もできない。
現在の社長や役員の給与を抑えても過去の退職者の年金の支払いで利益は消えてしまうからだ。
公務員にしても退職者の年金は大企業の厚生年金よりももっとすごいのであり、国や地方の財政が赤字なのもJALと同じ体質を抱えているからだろう。
80歳前後の元公務員氏は月50万円の年金だそうですが、この50万円は誰が負担しているのだろう。公務員の年金の負担は三分の二が国や地方の負担であり、これでは国や地方の財政がパンクするのは当たり前だ。
投稿: 闇からの声 | 2009年10月 2日 (金) 20時57分
JALに学会の美人CAがいて私の友人は学会への帰依を求められ断ったので振られました。中枢企業に学会がいるのは自民党が学会と蜜月関係を保っていたからだったんですね。初めて知りました。
親会社赤字で、息のかかった子会社は黒字というのは、中国で日本企業が現地企業と合弁企業を作った場合と同じ構造ですね。なんだ、日本人も中国人と同じ汚いことやってんだ。マスコミもぐるだからもっと性質が悪いからも知れない。
投稿: 恩田川 鴨次郎 | 2012年2月16日 (木) 19時33分