金融崩壊1年後。ウォール街は全然懲りていないね。オバマは口先男になってしまうか。
24日に鳩ポッポ首相が国連総会での一般討論演説をしたり、オバマ大統領もしたりなんだが。それほど固唾を呑んでみるほどのことはなさそうだね。毎回のことなんだが、厚かましい代表なぞ、自由奔放に演説している。
なんでも、昔キューバーのカストロ首相は、制限時間15分なのに4時間半ぶっ続けで演説したりなんてのがあったそうだ。今回もリビアのカダフィー大佐は、1時間半も演説をして、最後に捨て台詞とともに、国連憲章を後ろのひな壇の人に投げ捨てたり、ベネゼエラのチャベス大統領は、オバマのことを社会主義者だと「ほめ殺し」をしたり、イランのハマディネジャド大統領の演説の時は、ボイコットの意味かドイツ・カナダなど退席して空席が目立ったり。
いつも、お行儀のいいのは、お花畑の日本側だね。たまにはイタズラをして世界をびっくりさせる度胸はないからね。
今米国オバマは、あっちこっちでブーイングが起こり、今年1月の支持率はどんどん下がっているとか。「Change⇒こんなはずじゃなかった」ってな具合。米国には数千万人の共和党支持者も健在だからね。
9月12日にはワシントンDCに反オバマの集会があり、その数30万人のデモだったとか。米国テレビでは局によっては小さく報道したり、日本でもテレビ報道はほとんど見なかった。キング牧師以来だとか云っていた。ネットで調べてください。
他の先進国で当たり前の国民皆保険新設も、議会で通らない可能性があるらしい。そして新政権発足後の金融・経済の対策も、裏目裏目に出てきているようだとか。
だから、鳩ポッポとオバマの初顔会談でも、なんとなくオバマは浮かない顔をしていたような印象があった。元気がなかったような。
とかく今回の金融バブルを引き起こした原因を「新資本主義」とか「新金融主義」とか「市場原理主義」だとか様々学問的権威をつけて格調高く解説されているが。
オイラから言わせれば、下世話な解釈のほうがマトを得ていると思うよ。
「カジノ的ねずみ講的詐欺的金融主義」なんてところかね。
オイラ、名付けてCasino,Rat&Swindle Finance= CRS金融だよ。
昨年の9月15日のリーマン破産がキッカケで、以前の経済アナリスト・ジャーナリストが絶賛していた米国英国金融主義の裏舞台を世界が知ることとなった。そしてその波紋は世界中に広がり、世界中に迷惑を掛けたことになる。それでもいまだに***主義なんていう高尚なネーミングを店じまいするところまでいかない。
1990年代の日本の土地バブル後の反省で、金融経済の専門家たちは、「米国の銀行は与信の能力が日本のよりはるかに優れているから、日本のように土地を担保に金を貸すようなことはしない。リスク管理が優れている。日本人は太刀打ちできない。」などと盛んに吹聴していた。土地本位主義をあざ笑っていた。
オイラそのころ聞いていてなんか納得がいかなかった。銀行が1億円の融資をする際、もちろんその事業計画を吟味することになるが(与信)、経済なんていつもクルクル変わる中で、確実にその事業で借り手が金利元本を返済することが可能であるなんてこと解るのだろうか。土地担保&連帯保証人なしで融資するという。
もしそうであれば、神ワザだ。米国の金融与信担当スタッフは神様のような能力なのかと考えたものだ。
そして今世界中に暴露されたシステムは、貸し手(銀行等)はリスクを取らないで、それらを証券化(CDO)して、細かくミックスして次のリスクを取る投資家に売る。その投資家は、また次の投資家に売る。中にはそれを買い取ったヘッジファンドがまたそれを含めて別の証券化をして売る。
そしてそれは、限りなくねずみ講に近くなっていく。そのうちデリバティブはどんどん進化して、CDSなんていう商品ができ、対象企業が倒産か存続かの丁半博打の商品が、数十兆ドル(数千兆円)の規模にまで膨れ上がり、それに深く関与していたシティーグループ・AIGなぞは大きすぎて潰せなく、政府が税金で穴埋めという具合まできている。
能力の落ちると云われる日本の金融界でも、こんなモラルのない発想の金融戦略は発生しようがない。これでも健全だったのだよ、日本の金融界は。カジノが禁止の日本では、日本人自体に発想がないこともあるかもしれない。
何が何でもGMを残さなければならないのです。 これは何かと申しますと、ここが一番怖いのですが、皆さんがお聞きになっているCDSです。クレジット・デフォルト・スワップ。つまり、簡単に申しますと、GMが倒産すると思う人、GMが倒産しないと思う人とが、このCDSを賭けているのです。圧倒的な発行者はAIGです。AIGはもちろん倒産しないという方に賭けて、CDSを売りまくったのです。いざというときには支払ってさしあげますよと。しかし、いざということは起こらないから、売って稼げということです。
一方、GMが倒産すると見た連中は、とにかくここでCDSを買っておけ、GMが倒産すれば、AIGから支払ってもらえるという判断です。実際に補償額が入ってくればCDSの購入費をはるかに上回ります。CDSが、GMが倒産するかしないかの賭けの手段に使われたのであります。
例えば私は生命保険に入っています。私が死んだときに家族に迷惑をかけないために入っているのです。ところが、私の知らない第三者が、私に生命保険をかけたらどうなるか。私が早くうまく死んでくれたら、まんまと保険金をせしめて、その人は得をします。これなのです、CDSの怖さは。だから、これは金融における大量破壊兵器と言います。
これが六〇兆ドル(約六千兆円)もあります。GM関連のものがもっとも多いのです。ですからGMを潰せば、AIGが破綻し、AIGの破綻が世界金融恐慌を瞬時にして起こすのです。 AIGが国有化され、GMも国有化されるであろうことの理由はここにあるのです。よって何が何でもGMには梃入れしていかなければいけないんだという流れなのであります。とてつもなく巨額のお金が出されています。
最近の調査発表では、CDS関連では調査の結果32兆円規模だったと発表されているが、これらは特定の相対取引なので、どこまで信じられるのかわからない。それにしても3200兆円っていう天文学的巨額な金額だよ。
なんのことはない、モラルハザード(倫理崩壊)全開金融だった訳だ。まだ日本の土地本位金融の方が、不動産が担保で尚且つ連帯保証人付きだから、そりゃ借り手は最悪地獄を見るが、貸し手は特定だし、モラルは保たれる。だから世界中に波及することは、一次的にはない。
そこで、オバマは、この原因となった金融制度の部分に規制をしようと法案作りを進めているが、これがうまくいかない。ウォール街から反対のブーイングが凄い。それに絡む議員からもだ。
結局いまのままでは、オバマの金融改善の規制は実現しないかもしれない。なんたって今のオバマ政権の重要人物が、ほとんどウォール街の罰イチ人物ばかりなのだ。
現在のアメリカの金融危機の根本は、投資銀行をどうするかということであります。そして、投資銀行のデリバティブ、金融商品が自由奔放に売り出されることに対して、何らの規制もなかったのです。FRBは監督しようにも監督できなかった。財務長官は、ルービンに代表されますように、それこそ投資銀行の親分であります。自分の首を絞めることはしないのです。
いまのオバマ政権の重要人物が、サマーズであり、ガイトナーであります。金融の自由化を押し進めてきた張本人たちです。ですから、アメリカを奈落に導いた、その原因の除去をオバマ政権はやりません。お金さえ出せばいいんだという姿勢です。三兆ドルといったら凄い額です。アメリカのGDPは一五兆ドルです。一九二九年当時、アメリカのGDPの一六〇%ぐらいが借金でした。大恐慌で、その二年後には借金が三五〇%を超しました。
すでにアメリカ自身が一〇兆ドル以上の借金を抱えておりますから、そのまま借金が累積されていくと、今年の終わりか来年の初めごろはGDPの五〇〇%ぐらいの借金の累積になっていくだろうと思われます。誰が払うのだということの処方箋もなく、金さえ出せばいいのだと。
ですから、アメリカ人は、とくに金融機関は、不安に駆られるわけです。この膨大な金をどうするのかと。そして、経営トップは給料を下げるべきだと言われたら、ゴールドマン・サックスは、借りた金は返すからと、啖呵を切ったのです。
こういう状況のもとで、お金が何に使われているのかが、全く追跡調査も行われていない。救済しなければならない不良債権はいくらあるのかの調査すら行われていない。何よりも、誰も犯罪に問われていない。その内に、オバマ政権の化けの皮が剥がれてくるだろうと思います。
オバマは、緊急にこれらを処理するために、無理やり3兆ドルの支援を約束した。ブッシュの時代からの累積では8兆ドルを超えるそうだ。過去の大恐慌の後、ニューディール政策でルーズベルトは、49億ドルを突っ込んだそうだ。今の金に直しておおよそ750億ドル程度らしい。量は質を変える。過去と比べてこれだけ大規模な巨額となると、過去の経験とは違ったステージになってしまう。
最近FRB(連邦準備制度理事会)の下にある各連邦準備銀行(ロスチャイルド系・ロックフェラー系等が大株主の民間会社)を査察しようと動いたが、完全に拒否されたそうだ。世界で金ころがしの懲りない面々は、今も活躍している。
下は、9月12日放映のNHKの「金融危機から1年世界はどう変わったか」のドキュメンタリー番組の前中編だが。
ウォール街の懲りない面々は、今度は新商品「死亡債(Death Bond)」ってのを証券化しているそうだ。死亡保険に入っている人から、その時の満額金の20~40%の金額で買い集め、それを証券化して売り散らすそうだ。ネタが分かればもうマンガだね。
これら懲りない面々がどうなろうと知った凝っちゃないが、これが世界中に影響するから大迷惑する。金融専門家は、「これは世界金融の活性化を促すいい働きをする」なんてしたり顔で云うが。お前らもつるんでいるんじゃないかい。
番組でガイトナーが聴聞会で金融規制に反対の意見を議員から受けているが、ガイトナーの経歴をググれば、こりゃやらせの演劇会のように感じてしまう。オバマも大統領になるには、そうとうなウォール街からの支援を受けているからね。
米国の経済は悪化を辿っていて、失業率は10%以上。仕事探しをあきらめたのも含めれば、20%以上といわれている。打開策としては、このリスクを日本や中国や中近東に押し付けることになるかもしれない。CO2排出権取引デリバティブなんてのもその中の一つになるかもしれない。それを鳩バカが25%削減なんて言質を取られること云っちゃって。オバマでさえ、ぼやかしているのに。
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