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2009年3月19日 (木)

世界恐慌:AIGで蜂の巣を突っついたような。モラルハザード全開

オイラ素人なので詳しくないが、米国には株主代表訴訟ってのは無くなったのかね。このごろ日本ではあまり話題が少なくなったが、一時は会社に損害を与えたと、取締役が一生払えきれない程の金額の賠償判決があったりしたね。これはもともと米国産だろう。今回の詐欺金融バブル崩壊に関して一切この言葉が出てこない。

会社の幹部らの責任をとらせ、モラルハザードにならないための歯止めなのだが。これから次々株主代表訴訟合戦が始まるのかしら。

前の記事にもあるように、米国政府がAIGに1733億ドル(約17兆円)もの大金を支援したのだが。

この金使って、約400人の幹部社員に対する2008~09年の2年分のボーナスとして計4億5000万ドル(約440億円)の支給を計画していると。08年分のボーナスとして、5500万ドル(約53億円)が昨年12月に、1億6500万ドル(約162億円)が今月13日にそれぞれ支払われたそうだ。

それもAIGが巨額の損失を抱える原因となった金融商品を担当する部門の幹部向けに支給されたそうだ。日本では「盗人に追い銭」という言葉がある。

まあ、政府救済金額の0.09%に相当するらしいが、米国民感情とすれば収まらないね。1人当たり最大650万ドル(約6億円)の報酬を国民が支払っているという事だけど、これはAIGだけの独立した問題ではなく、先月にはメリルリンチの幹部約700人に1人当たり100万ドル(約1億円)超の報酬が支給されていたことも発覚している。 

その中のトップブローカー11人に至っては、1人当たり1000万ドル(10億円弱)を上回る報酬が支払われているのが問題となっている。 これは個人給与でみた場合、AIGより遥かに高い。 これについて国民が怒らなかったらアホとしか云いようがない。

しかし、AIG側ではこれは幹部社員との契約で決まっていたこと。またこれからの処理をしていくのに、これらベテランの社員がいなくては、

「元本が2兆ドルを超す取引の精算に従事する幹部社員たちがいま退社したら…。背を向けてAIGの帳簿とは逆張り(の取引)をするに違いない」とソルキン氏は指摘し、「AIGは爆弾をつくった。そして、その信管の外し方を知る唯一の集団である」と表現した。 再建の障害となり、結果的に納税者の不利益とならないためにも、流動性の激しい金融界で「異色な頭脳の人々」をつなぎ止める正当な理由はある、というのだ。

まるで脅迫だ。恫喝に値する。だいたいコイツらが詐欺金融をやったんだろう。そして世界中まきぞいを食らった。

また、政府の支援金の54%に当たる937億ドル(約9兆1000億円)を欧米の金融機関への支払いに充てたわけだ。早く保証して貰ったもの勝ちとはこのことだろう。これ定説。

ゴールドマン・サックス 129億ドル

ソシエテ・ジェネラル  119億ドル

ドイツ銀行         118億ドル

バークレイズ        85億ドル

メリルリンチ        68億ドル

バンク・オブ・アメリカ   52億ドル

UBS  50億ドル

BNPパリバ    49億ドル

HSBCホールディングス 35億ドル

ドレスナー銀行 26億ドル                  

以上 10機関だけの合計で、国の税金から731億ドル 支払われた。

ここに来て、さすがに米国内でも疑惑が湧き出てきた。ルービンにしても、ポールソン前財務長官にしても、このゴールドマンサックスと関係の深い政府高官は異常に多い。まさかゴールドマンサックスを救うためなんらかの工作があったのではないか。すべての処置の先にゴールドマンサックスが見えてくる。

今回FRBによる米国債3000億ドルの買い入れ決定の発表があった。とうとう禁じ手まで進んできた。

Walk in the Spiritさんの言葉を借りると、

では、なぜ禁じ手なのか、 こういう表現はどーだろう、 「寝たきりの彼は、少しの金(利息)を払って食事(借金)をもらっていた、ところが不況で誰も彼に食事を持ってきてくれなくなった、そこで彼は考えた、背に腹は変えられぬ、自分の体を心臓の遠いところから少しずつ食べていこうと、」 米国はイヨイヨ最終ステージに進み始めたか!?

元ニューヨーク連銀総裁だった現在のガイトナー財務長官。買い入れ決定についてFRBと調整していなかったのではないのか。FRBのバーナンキの独断先行ではないのかという疑問も出てきた。

20090114

↑ガイトナー財務長官         ↑バーナンキFRB議長

また、今話題になっているのは、AIGの政府救済金のなかに幹部社員へのボーナス160億ドルが含まれていることを事前に知っていたのではないか。オバマとガイドナーも知らなかったと怒っていたが、すくなくともガイトナーは知っていたのに嘘(狂言)をついているんじゃないかと。Did Geithner Lie?

もしそうなら、早々にガイトナー財務長官の首が飛ぶかもしれないよだって。

今の米国の金融経済界は完全にモラルハザードを起している。米国は過去においてはこのような時、何百人だろうが徹底的に責任を取らせたものだが。今回のこの詐欺金融の後始末には、いまだそのようなことは聞かない。これからやるのだろうか。株主代表訴訟まで使って、いままでアブク銭を欲しいままにして来た、金融村の住人から絞り返してもらうことになるのだろうか。あまり大きすぎて不可能だなんてことはないよね。

ついでにおまけ。

聖域アリコについにメスが。金融庁が手を出せないワケ。

「いいないいなアリコ」のキャッチコピーで知られる外資系生保会社「アリコジャパン」が10月、公正取引委員会から景品表示法違反(優良誤認)で排除命令を受け、その後を追うように今月16日、金融庁が業務改善命令を出した。同社の主力医療保険「元気によくばり保険」の新聞広告で、本来ならば保険金を受け取れないケースを、あたかも受け取れるかのように表示していたことが問題となったのだ。

一粒で二度美味しいオイラのブログ:今日の画像

まあ、詐欺的金融も種を明かせば、こんなものかもね。

「さあ見てください。イカサマはないでしょう?」

Wxi859ypubya

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コメント

アリコの保険を解約することにしました。
同じ日に請求したほかの会社の申し込みの書類はもう来たけど、
アリコの解約の書類はまだこない。

投稿: go-ichi | 2009年3月19日 (木) 20時59分

昨日のNHKニュース。

午後7時のニュースでは、かなり詳しくこのAIGが政府の金を幹部社員にボーナスを渡したことに対して、公聴会で議員が糾弾するシーンや、街頭インタビューで庶民が大批判をしていたのを取り上げていたが、午後9時のニュースでは、一切取り上げなかった。どうでもいいニュースばかり流していた。
AIG系保険のCMで稼いでいる民放じゃないのだから、なぜ取り上げなかったのか不思議だ。どこからか中止の指令がとんだのか。

本当にNHKは国民から金取っている公共放送なのかね。9時のニュースではもっと詳しく見れると思って期待したのだが。

このようにニュースとして扱わないことも、立派な捏造・プロパガンダ・偏向放送に入る。

投稿: 陳胡臭 | 2009年3月20日 (金) 06時26分

テレビに頻繁にCMを流すということは、宣伝以外にその企業に不都合なことが起こったら、その報道をやめさせる暗黙の力のためなのです。その点はローカル新聞への広告効果と同じ構造です。

このアリコの一件もどこまでテレビで報道されるのか。みのもんたちゃんどうする?古館のバカどうする?

投稿: aiyaaa | 2009年3月20日 (金) 06時31分

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