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2009年1月10日 (土)

世界恐慌:カナダの場合・・・・・・・今ここ

長年お付き合いしている知人とカナダの現状についてやり取りした。とかく米国・英国・ユーロ圏諸国の話題が大方占めていて、米国の隣のカナダからの情報が意外に少ない。これは、他国のように金融危機に大きく巻き込まれなかったので話題にならないからだろう。

彼は、かなり昔カナダの移民となり、オイラと同じ職業の建築家だ。バンクーバーを拠点としている。オイラがバンクーバーから建材を輸入していた時、いろいろアドバイスをしてくれた。その後も何かにつけて情報交換とお付き合いをしている友人だ。

今は彼、十分にカナダ国民になる資格はあるのだが、なんでもカナダ国民になるための条件の一つ、元首の英国エリザベス女王に忠誠を誓う宣言書にサインをするのがいやだからと云っていた。(半分冗談なのかも知れないが)

カナダって面白い国で、首都はオタワなんだが、日本人はあまり馴染みが少ない。国土は世界2番目の広さがあるそうだ。人口は約3、250万人。GDPが約1.4兆カナダドル=約105兆円の規模。日本の約1/5のGDPと覚えればいい。

言語は、英語とフランス語。だから製品説明書は両語併用。2倍のボリュームになる。米国より高負担高福祉の国で、給料の2/3が税金等で取られてしまうと誰でもブウブウ云う。その代わり病気になった場合医療費は原則無料となる。まあ北欧諸国に似ている。

以下そのやり取り。(私的なことは省略します)

<オイラの質問>

カナダも金融恐慌の影響はあるらしいと聞いていましたが、カナダの場合、金融規制が働いていて、日本と同じく米・英国・EU国ほどの直接の金融恐慌は起きていないと聞いています。どんなんでしょう。

しかし、米国向け輸出が大幅に減り、好調だった原油価格も大幅に下落で日本と同じように、これから実物経済は落ちるでしょうね。数年前、バンクーバーに行ったとき、大変な不動産バブルでしたが、米国のようなサブプライム問題はなかったのでしょうか。現状はどうなんでしょう。

<彼の意見>

カナダの銀行は米英の銀行に比べると金融商品に対する規制が厳しかったのでこの金融危機のなかでは健全のようです。頭金がゼロで融資が得られるというようなサブプライムに近い融資もずっと有りませんでしたが、2年程前にそれが現れました。ただ、その時点では既に不動産価格が高騰しすぎていてそれを利用して住宅購入に向かった人の数はそれ程多くはなかったようです。

やはり銀行の慎重な姿勢、当局の金融規制が比較的厳しかったことが傷の浅い原因のようです。それでも、個々人の株や投資信託は被害を蒙っている人は無数にいます。私もその1人で株は持っていませんが個人年金口座の投資信託がかなり額が減っています。

含み損には至っていませんが、数万ドルあった含み益がすっ飛んでしまいました。ただこれはまだこの先少なくとも15年くらいは手をつける必要のない(希望ですが)ものなのでそう心配はしていません。

実は2001年のITバブル崩壊の時にもこの年金口座は含み損を抱えましたが、数年で回復し、カナダの資源ブームに乗ってV字型回復しました。今回はV字型とは行かないでしょうがまあその内上昇に転じるだろうとかなり楽観的というか呑気でいます。その内そんな余裕がなくならないとも限りませんが。

バンクーバー、BC州、カナダ全体でも不動産価格は2007年から2008年の初頭をピークに下落を続けています。下がり方はアメリカやイギリスほどではないようです。今の時点でピークから多分15%くらい下がっているのではないかと思います。それでもそれまでに例えば2003年くらいからでも2倍くらいになっているので、その時点の価格にまで下がることはまず無いとの大方の予想です。

私がコンサルに行っている***で一昨年の夏以降20棟程のBC州を中心にした住宅の設計に関わってきましたが、ここに来て客足ががたんと減っています。上がり下がりはこれまでに経験してきているので今のところ耐えられるのですが、やはり長くは続いてほしくないと願います。

確かに円高のせいなのか、バンクーバーのある会社から話しが有り、日本の住宅会社でティンバーフレームを手がけ始めたいというので、その仕事のコンサルをしてほしいという依頼が有り、それに関わり始めています。まだどうなるかちょっと分かりませんが、日本の輸入住宅の動きがまた活発になることは充分ありえると思います

確かに、2003年・2006年にバンクーバーに行ったときは、大規模な開発とその中に多数の建築が行なわれていた。戸建住宅も多かったが、4戸で1棟のタウンハウスがそれよりもっと盛大に建築されていた。タウンハウスで1戸あたり2,500万円から4,000万円クラスが多かった。価格的にはバブル価格だった。中には明らかに投機買いもいることはいたが、米国程ではなかったようだ。

以前は米国ドルより、2・3割安で連動していたカナダドルだったが、2007年には、米国ドルより高くなった時があった。なんでもカナダのエネルギー(原油・ガス等)材が高くなって好景気に沸いたのが原因とか云っていた。

お隣同士のカナダと米国はお互いに輸出入は大変濃いので、米国の景気後退はもろに被るわけで、東海岸地方では高級食材のロブスターの需要が激減したとか。また木材関連でも大激減。ポン友ロイ坊のやっていたルーフシェイク(欧米向け割木板屋根材)も大受注減らしい。

カナダ人のベンジャミン・フルフォードが里帰りしたそうだ。

百聞は一見に如かず

カナダの実家に久しぶりに帰ったが、経済危機がはっきりと目に見えた。中心街のショピングセンターは異様であった。多くの店には客がいない状況だった。女性服の店では80%引きや「一つ買えば三つ貰える」などといった投げ売りのようなセールを行っていた。しかし大手量販店である悪マート(ウォールマート)はかなり混んでいた。レジの行列が長かった。だが店の中は明らかに品物不足だった。おそらくこれから中国から品物が来なくなるので、激安中国製品を買う最後のチャンスのように見えた。また従業員が可哀想に見えた。

ニュースで抽象的に経済危機を見るよりも、実際に現場を見た方が勉強になる。2008年アメリカで株価が上がった会社は2社しかなかった。悪マート(ウォールマート)とマクドナルドだ。激安商品とファーストフード店。家畜社会にとって相応しいのかもしれない

カナダで現在これなのだから、この「津波」は今年日本にもやってくるのだろう。今回の派遣社員の首切り騒ぎはその「とば口」なのだろう。覚悟はいいか!

一粒で二度美味しいオイラのブログ:今日の画像

Beforeは、これまで日本を除いた金融バブルでウハウハ中の米国犬・他国

Afterは今回の金融バブルが崩壊した後の米国犬・他国犬

まあ所詮こんなものよ!

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