世界恐慌:合成の誤謬と清貧な生活・・・・・・これからここ
合成の誤謬(ごびゅう)という言葉があるのだが。
日本でのバブル崩壊後の長期的経済の低迷は、「バランシート不況」だとリチャード・クーがよく言っていた。莫大な借金を背負った企業は設備投資や前向きな投資より、なにしろコツコツ借金を金融機関に返済して、自分のバランスシートを良くすることが優先。
民度の高い日本人のまともな考え方だ。個人も規模は違えど同じで来た。
営業経費でねーちゃん達がいるクラブで豪遊。高級店でれんちゃん食事会。事務経費は使いたいだけ使う。将来どうなるか分からない新事業もイケイケドンドン。帰りは経費でハイヤー帰り。こんなことは全て中止。
下々の個人でも、ネーチャンにチップをあげるのはやめる、ほかほか弁当・吉野家の牛丼とかで済ます、衣料もお古のまま新品は買わない。より賢くなってインチキ商法に引っ掛からない。まあいろいろあるわけで。
このように個々にとって、究極な合理的事業展開、清貧な生活は賢いことなのだが、それらが全体に波及すると、こんどは全体が経済的に縮小して行き、全体経済がだめになってしまう。浪費も詐欺商法も必要悪だった。これがスパイラル化するとデフレの進行だ。 この辺は大変難しい。
これらの現象を経済用語で「合成の誤謬」という。個々で正しいことをやっても、それが全体に合成されると、誤ったこととなる。これ経済だけじゃなく、様々に使える用語だね。
オイラ、最近は金の掛からない遊びを実践している。いろいろあるわけだが。このブログのエントリーの作成もそうだし、ほとんど印刷本・CD等は買わないでインターネットから吸収して楽しんでいる。そもそも究極は余った時間をどう過ごすかが遊びなのだから。1回2万前後掛かるゴルフより、ほとんど0円に近い費用で十分に遊べるものは無数にある。
割勘1万前後のネーチャン酒場にはもうほとんど行かない。他人の娘の稼ぎに協力してやってなにがいいのよ。格好ばかりつけた高級食店の料理だって、たまに行けばいい。ほとんどがその価格に味が追いついていないからね。仲間と行なう高級食材を使ったBBQのほうがよっぱど良いし楽しい。こうすると結構お金って減らないものだよ。(若い人はこれからだから、ドンドンお金をつかって人生勉強をしなさい。これも大切だ。ただ溺れるなよ。やがて悟るときがくる。→これ重要。)
その点は北米人のほうが、大金を使わず知恵をつかって楽しく遊ぶ方法は上手い。見習うべきことが多い。
今回の詐欺金融危機に際して、欧米のように天文学的損失を被らなかったのは(一部の欲深馬鹿は除いて)、決して賢かったわけでもない。このバランスシート不況の最中で、バブル崩壊後で日本の金融・証券界では、いまだ戒めがまだ効いていたときだったから、ラッキーってなもんで免れることができた。
もっとも、上っ調子で、資金運用で大変な損失を出した馬鹿もいることはいたが。世界的規模としては、小さくてすんだ。
12月になっても、今回の金融危機について世界中いい材料はほとんど出てこない。米国ビックスリーについて滑ったの転んだのの挙句、1.4兆円の公的資金は投入される方向になっているが、今年ノーベル学賞をとった経済学者ポール・グルーグマンは、どっちみちもうダメボと言っている。
中国も元々誤魔化し経済数値発表で、誤魔化し投資呼び込みで、国民に一時的金持ち気分を味あわせてここまで来たが、全輸出相手の恐慌で大縮小になってきて、どんどん今までの誤魔化しが明るみになって行き、そのしっぺ返しを食らって、不況のスパイラル化。中国共産党の締め付けの限度を来年は超えていくのだろう。
韓国の経済危機は言及しない。アッタリ前田のクラッカー。
米国もエクウェティーファイナンスで、住宅の上昇分を担保にしたカードで購入社会だったが。いわば日本でいう根抵当でお買い物。返済はリボ払いで定額返済。だけど金利は15%20%って世界だった。返済(高金利付き)は将来に先送りでお買い物。だけどそのカード会社がつぎつぎ債権が不良化して倒産続出、または審査(与信)厳密化でカードをストップ。今年のクリスマスセールで買うだけ買って、年明けにカード破産宣告の計画の庶民は一杯いるらしい。
預金もなく、タンス貯金もなく、カードも無くじゃあ、来年は何も買えないで、慈善事業の配給に頼り、住むところは公園・広場のテント生活なんてのが、来年もっと続出するね。真冬は凍死かも。
今年の米国の失業者数は、190万人。来年は250万人に達するかもとか。今日本では輸出系企業の契約社員・派遣社員のリストラ反対が頻繁にニュースで流されているが、米国と比べるとその数は数万人に到るかどうかってところ。米国じゃあ正社員がビンビンとリストラされているからね。
EUからの情報は米国からのに押されて、日本ではあまり詳しく報道されないが、もっと酷い状態らしい。貨幣のユーロだって先々どうなるか分からないらしい。経済が上り調子のときは纏まっていいが、恐慌となれば各国、自国益優先だから、馬糞の川流れになる可能性多ありだ。将来また懐かしいフランやマルクに会えるかもしれないね。
これから世界中「合成の誤謬」「清貧の経済」が流行するかもしれない。
二〇〇七年一二月二一日に発表されたクルーグマンの金融自由化イデオロギー批判の大要である。クルーグマンの歯切れのよいエッセイをもう一つ紹介しておきたい。
一粒で二度美味しいオイラのブログ:今日の画像
二〇〇七年七月段階では、このテント村には、二〇人しか住んでいなかった。ところが、年末になると二〇〇人規模になった。住宅危機によって、持ち家を奪われた人たちである。抵当に入っていた持ち家を抵当に取られてしまった人たちが貸家を借りようとしても、家賃はとてつもなく高くて借りられない。やむなくテント村生活に辿り着いた人たちである。インランド・エンパイアーと呼ばれるカスケード山脈とロッキー山脈に囲まれた北西部は、かつての大恐慌時、難民が東部から押し寄せてきた地域である。テント村の増加は、その様子を描いたジョン・スタインベックの『怒りの葡萄』の再来を思わされる。
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