サンプロから、高負担・高福祉のフィンランドとデンマーク
今日は日曜日で予定があったが、あいにく雨降りで中止となってしまった。オイラのカミさんは泊りがけで外出。飼い猫とオイラしかいない。飼い猫は寝ていて相手にならない。こういうときはブログの作り溜めに限る。今日は全文オイラのオリジナル文章で行く。
10時お決まりのサンプロ(サンデープロジェクト)を録画と視聴をした。今回は全てが面白かった。最初がG20サミットの結果報告を中川(酒)氏がして、それネタにして榊原 英資とリチャードクーが「どうなる世界経済」のテーマで討論。
次に田母神氏の問題に、志方俊之氏・潮 匡人氏・ネット界で有名なハズシの神、珍軍事ジャーナリスト田岡俊次氏と田原総一朗で討論。田原は今回のことは、昭和の5.15事件の前夜だなんて煽っていた。クーデターだなんて違うだろ当時とまったく違う。あいかわらずの電波芸者だ。勝手に判断するな。
今、最重要な国籍法改正案の話なぞ皆無。
次に財部 誠一(経済ジャーナリスト)の北欧2カ国の取材報告だった。高負担高福祉のフィンランドとデンマークの取材だ。この財部って奴、中国へ行けば中国絶賛、ベトナムへ行けばベトナム絶賛。これでだまされて投資した会社続出っていう噂。(まあ自己責任だが)
取材は「結果ありきの取材」ではなく、客観的に「光と影」を追った客観報道に徹してもらいたい。今回も番組はイイ、イイーの連発だったが。
内容をビデオ起しで紹介しよう。題名は「格差なき成長」だ。フィンランドとデンマークの場合。(オイラの解釈も織り込むよ。)
まずオイラ最初にお断りしておきたいのだが。番組の最後に財部が云ったことだが、デンマークの労働大臣の話を紹介したい。
「スペインやポルトガルが賞賛して秘訣を聞きに来るが、私はあなたたちの国では絶対マネ出来ないと答える。それは現在に到るまでの独自のわが国の歴史に立つ社会システムであること。そしてあなたの国と規模が違う(より小国であるからできた)。」ここが重要。
おっちょこちょいの福島瑞穂とか辻元清美らがよく錯覚する点だ。(ここも重要。)
フィンランドは、2001年から2004年間で、国際競争力1位が3回、2位が1回だそうだ。(どうやって調べたのか解らないが)人口が524万人、人口密度は1㎢あたり17人。それを支える国民負担率は、なんと60.5%。日本の38.3%をはるかに凌ぐ(2005年)
例として子供一人の3人家族。住まいは、4LDK(約100㎡)購入価格は6000万円だった。夫婦共働きで合わせて84万円/月。そこから税金・ローン返済・食費等固定費74万円を除くと、まったく自由に使えるお金は10万円/月だ。
スーパーで買い物。物価は大変高い。サーモンの切り身2人分(二切れなのか?)2,600円。この日の食材(2日分)で、6,500円(税込み)。消費税は食料品が17%、他が22%だ。
10万円/月では、消費税が高いので、旅行も節約。日用品も節約、趣味も節約、有名ブランド商品なんて眼中にないだろう。高いデジタル商品だって日本のように買えない。まあその分大事に使うだろうが。
親夫婦はリタイヤでもちろん別居だが、その親夫婦が貰う年金(二人分)は31万2千円/月。所得税8万7千円を引くと、残り22万5千円/月だそうだ。
医療費はもちろん無料だが、不満の一つは、今年1月に眼科を予約して、診察は9月だそうだ。(医者が極端に少ないのか?無料でも数ヶ月先じゃ目が悪いのを忘れてしまうかも。)(ここは影の部分かも)
辻元清美が昔言っていた。「北朝鮮の人々は幸せだ。だって医療なんか無料なんですよ」でも実情は、数ヶ月場合によっては何年待ち。一升瓶で点滴だったね。医療に掛かるともっと悪くなると言う定説だった。(北欧は北朝鮮とは違うから誤解無きよう。)
若夫婦、出産について初出産時には政府から、計4万円分の育児セットをもらえる。現金の場合には2万円。もちろん出産費は無料。(オイラの地元ではいくらだったか忘れたが確か5万円だったかな。)
羨ましいというのか、育児休暇が堂々と取れる社会で、初育児の場合妻は9ヶ月、夫は4ヶ月取れるそうだ。(実は北欧ではこの間に自分達で自宅を造ったり、大修繕をする。DIYの世界だ。あと失業中にもだ。)
歴史的には、大昔ロシアとスウェーデンに支配され、第2次世界大戦ではドイツ側でソ連に敗北した。1960年から社会福祉国家となった。フィンランドの目玉はやはりノキア(NOKIA)で、携帯電話の世界シェアーは38.8%、売上8兆2千億円、世界中の従業員6万人(2007年)。ノキアはもともと製紙会社だったそうで、そこから電気・通信会社を買収したのだが、1991年のソ連崩壊で輸出先を失い、それ以後苦労を重ね、携帯電話のデジタル化の成功した。
1993年にEU統合でチャンスが来て、それまでEU諸国はアナログの各国独自の方式で国境を越えると使えなかったのが、ノキアの規格を普及させ1993年には2000万台の大ヒット。それ以後うなぎ上りで、1998年には米国モトローラを抜いてトップのシェアーになった。
政・官・大学の共同開発が盛んで、またベンチャー企業の育成にも力を入れている。学校も全て無料で、特に大学では7万円/月の援助金が支給されている。(希望者全て大学行けるのか?ここが曖昧だった。やはり基準成績以下だと無理というのが定説であろう→その%はどのくらいなのだろう)
このフィンランドも少子高齢化が進んでいて、年金問題が次第に大きくなってきており、年金受給者が2007年87万人(17%)、2020年には127万人(23%)の予測だ。(いかに日本の規模が大きいか比較して解るね) 少子高齢化の問題に頭を痛めているらしい。
近年単一民族国家で来たこの国も、労働者不足の解消に外国人労働者を増やさないといけないと考えているそうだ。
次はデンマーク。 国民幸福度1位の国だそうだ。
オイラ、33年前デンマーク(コペンハーゲン)に行ったことがある。北欧は冬は夜ばっかり、夏は昼ばっかりで、その時は6月ごろだったと思う。チボリ公園(遊園地)や、世界一長いメニューのあるサンドイッチレストラン、お城、当時は世界中の男の憧れポルノ本屋通りのストロイヤット通り、ポルノ映画館の記憶がある。そうそう、うなぎのぶった切りシチュウ料理もあった。(加筆)-特筆すべきは海岸に行くと、ほとんどの若い女の子達が、胸アテをまるで邪魔者のように取り去って日光浴をしていたことだ。なかには股アテまでも・・・。(鼻血が出そうになった。)日光浴は皮膚がんになり易いなんてよけいな発表が出る以前の話だ。(今行ってもモウ遅いからね。あきらめな。)
人口は同じく543万人(2007年)で国土は九州ぐらいの大きさ。
国民負担率はフィンランドよりもっと大きくて73%。フィンランドが60.5%だからね。(2005年)2007年での国際競争率は3位(日本8位)だそうだ。(これもどういう調査結果なのか解らない)
デンマークで特筆することは、雇用政策だそうだ。
*手厚い失業保険(日本のように、「私のしごと館」建設に流用なんてことはないらしい)
*充実した職業訓練
*労働者の解雇が容易に出来る
だそうだ。そして毎年労働者の1/3が転職している。しかし完全失業率は1.6%(今年)だそうだ。そもそもデンマークの労働組合は日本のように企業ごとではなく、33種の職業ごとに組織されていてそこに全労働者の8割が加入している。(ギルド制だね)また失業保険も各組合が管理していて、失業の場合、例ではあるが約87%の保証をしてくれる。その間に無料で職業訓練を受け、次の職場に行くというサイクルらしい。
一般的には、休暇は長く取れ、残業は少ない(オイラの義息子たちから見れば天国だよ。サービス残業でコキ使われているからね。家族一緒の夕食は休みの日だけだからね。)
あとなぜ生産性が高いのかの理由は、フルタイムの従業員より、パートタイムが多く、そのほとんどが主婦で占めている。ほとんどの女性が働いているそうだ。(外国人労働者を受け入れるより、まず自国民でシェアーしましょうということなのだろう。)
要24時間介護も、一人につき二人が面倒を見るそうで、施設への入居待ちも現在は皆無だそうだ。
これら二カ国とも、これからの産業戦略はハイテク産業を目玉にする。また教育を理科系にシフトするというポリシーだそうだ。
多分社会民主主義(日本の社民党とは違うコンセプトだよ。誤解しないでね)を採用した国家のモデルであろう。
この二カ国それぞれ人口規模からいうと、約500万人の福岡県にちょとオマケを付けたくらいの国だ。神奈川県では900万人になってしまい大きすぎる。フィンランドがノキア、デンマークがレゴ(LEGO)、愛知県がトヨタって感覚だ。
*ここで中間まとめ:北欧二カ国とも、近年単一民族国家を維持している。多民族国家ではない。日本の県程度の小規模国家である。人口に対して国土が広く資源に恵まれている。極端な戒律のある宗教国家ではない。もともと教育水準が高かった。冬は激寒になるので、助け合いの精神が培われてきた。大昔バイキングでその戒律「獲物・略奪品は皆で均等に分ける」精神を根底にしている。
ノキアも規格で守られているが、日本や米国が携帯電話で追い上げてきたらと思うと将来は分からない。レゴ(LEGO)にしても先々のトレンドで世界をこれまで通り圧巻することができるのか。日本にあるレゴの店も何か閑散としているような。オイラの三女が「レゴ命」でいまだに好きなんだが。(遊びながら立体感を掴むのに大変有効)
今回の英米原発の詐欺的金融にハマった噂はまだ出ていないがどうなんだろう。アイスランドは金融を大きく膨らませすぎて、国家破産状態。スイスも同じく追い詰められてきている。UBS等銀行の規模は、国家予算より大きい。これが弾けそう。スイスも永世中立国の特権を利用して散々美味しい蜜を舐めてきたが(マネーロンダリングの巣)もう以前のようにはいかないだろう。今日の番組北欧二カ国の話は今の時点での話しとしたい。今EU尚且つユーロ圏の経済もおかしくなり始めているからね。
可愛い子たちだ!
オイラも仲間に入れておくれ。
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コメント
北欧にしばらく居た日本人から聞いたんですが、福祉が厚いのが羨ましかった反面、若者が無気力だったとの事。
将来が不安だともがいてどうにかしようと考え行動するけれども、福祉も厚いからゆっくりやろうか?みたいになってるのかもしれませんね。
私が実際行って見て感じた体験談ではないんですが。
投稿: キーカーカー | 2008年11月16日 (日) 20時28分
キーカーカーさん
そうですね。あまりにも安定・安心し過ぎて、いわゆるハングリー精神と貪欲な欲望がなくなりそう。本来こういう中から大ヒットが生まれるのにね。
これから先、世界競争のなかでどうなるのか。まあ規模が小さいからなんとかやっていけるでしょう。
米国・カナダなぞ北欧からの若者の移民は多いですよ。
投稿: オイラ | 2008年11月16日 (日) 22時00分
>住まいは、4LDK(約100㎡)購入価格は6000万円だった。
フィンランドも完全に住宅バブルだったような。
一昔前なら、感じ2000万円が妥当な価格。
投稿: 不動産ヤ | 2008年11月17日 (月) 08時40分
随分前のブログにコメントさせて頂きますが
私はフィンランド人の妻を持つものです。
日本のマスメディアは、フィンランドの本当の姿を表していないように思えます。
というのは、この家の価格でしたら、
ヘルシンキでは、東京の一等地の六本木や赤坂などに、マンションを買える価格ですし。
大体、マンションは100m2で2000万円です。
考えて頂きたいのが、フィンランドは北海道の札幌などを想像していただけたら分かりやすいかと思います。
この二人の設定金額は、多くの庶民の金額からかなり離れています。
大体、フィンランド人家族の平均食費は、一日10Euroが妥当ではないでしょうか。
というのも、日本よりもスーパーで買う食費は断然フィンランドのほうが安いからです。
たとえば、トマト5個で1EUROなど。
ですので、消費税が高いといっても、元々の物価自体が日本より安いです。
また累進課税制度なので、所得がない人はそれほど税金を取られませんし。
2000万円以上稼ぐような高所得者に関しては、総負担率は50%になります。
日本人が持つフィンランドのイメージは税金が高いように考えられていますが、日本と比較した場合において負担率はそれほど変わらないと思います。
というのも、教育費負担も日本ほどかかる国もあまりありません。
フィンランドはただし人口が少ないのと、娯楽が本当に日本と比較した場合にありません。
またドがつくほどの田舎ですので。
こういったことはフィンランドだからできることだと思います。
投稿: 空 | 2010年9月18日 (土) 20時00分
デンマークは北海油田や天然ガスの国です。フィンランドは失業率が高く若者が出稼ぎに行く国です。日本は地震で家が何百年も暮らせない国です。平地の割合や人口密度の違いもあります。フィンランドも山はありますが少人数が南に住むだけで影響が少ないです。日本は山をまたいで発展するのでトンネルや渓谷の橋、山を削った道路や鉄道が多く、狭い平地では土地買収、高架化があり負担が全く違います。
投稿: | 2010年10月26日 (火) 12時52分