オバマ新大統領誕生に想う。黒人+白人=黒人なのか。
今回の大統領選において、オイラ達日本人一般は、白人がなろうが黒人がなろうがどちらでもいい。所詮我々の手が届かないところで行なわれているのだから。
ただ米国からの選挙報道を見ていると、そのことが大変重要なことらしい。いままで虐げられてきた黒人が、大統領になるなど夢にも想わなかったが、今回それが実現したと、黒人のおばあさんが咽び泣いていた。そうなのだ。一部の黒人にとっては100年いや200年の悲願だっただろう。
ただオバマの場合は、白人(何系かわからない)の母親と黒人(ケニア人)の父親とのハーフである。昔ハリーベラフォンテという有名な歌手がいたが同じ分類になるのだろう。オイラの好きなナットキングコール・ルイアームストロング・サミーデイビスJRらは純粋の黒人歌手だった。
オイラ北米に行って、白人と仲が親しくなると「ところで、あなたのオリジンはどこですか?」とよく聞く。カナダのポン友ロイ坊は母親がアイルランド(アイリッシュ)で父親がノルウェイだと答えた。アンドレアはイタリアからだ。カーツはドイツからだというようにそれぞれ同国民であっても集合したのがつい最近(100年・200年前)なので、意識として、文化としてそのオリジンを大切にしているかのように見える。
オイラのイメージでは、「よく云われる黒人」とはアフリカの奴隷海岸からアメリカ大陸開拓のために奴隷として連れてこられ、場合によっては人間以下の扱いをされてきた人々。キング牧師やケネディー達の政策によって多少は改善されたが、いまだに影で人種差別をされている末裔ということになる。ひどい時代があったものだ。
カナダのバンクーバーに居た時、聞いたことがある。「お隣のシアトル(米国)と比べて極端に黒人の数が少ないのはなぜか」と、すると、歴史的な流れもあるが今でも白人による差別に近いものがあって、米国からの黒人の移民は非常に門を狭くしているとのことだった。反してそのバンクーバーは今中国系移民が増えて増えて30%を超えているそうだ。友人はやがて中国人に乗っ取られると冗談を云っていた。
米国の住宅エリアでも価値が高いのは、白人のみ住むエリア(大成功した黒人は除く)。それには、住宅価格の大変高い高級住宅ということになる(お金で締め出す)。ところが1戸でも競売物件にかかり、それを黒人が買って住むということになると、やがて次々白人は自分の住宅を売って別の新地域に住まいを移す。その安くなった住宅を別の黒人が買い住む。黒人は一般に所得が低いので、そのエリアの保全に金を掛けることができない。また5人定員住宅に10人といった共同生活をも始めるのがいる。スラム化する。そのサイクルが始まると止めようがなくなってしまうそうだ。住宅差し押さえ多発のこれからは、またこれに拍車が掛かることになるだろう。
さて表題になるが(前置きが長い!)(ごめんちょ!)
オバマ氏は「黒人」かという議論(素朴な疑問?)は当然ある。第一に、事情を知らない者から見たら、彼はハーフである。ハーフは、両方の出自を持つ(ただ、両方にいい顔をするのは、しばしば困難)。仮にケニヤに行けば、白人とのハーフ(そのまんま)と見なされるのではないか。アメリカでは黒人(=アフリカ系アメリカ人)のカテゴリに入る。これはアメリカの文化というか慣習であろう。もっとも、かつて南部で人種別の表示は「カラード」だった。
中略
アメリカでも、オバマ氏は「黒人」なのかどうか議論があったやに聞いているが、ライス氏は「アフリカ系米国人として特に誇りに思う」と言及している。主語は自分だから合っているし、内容も「人種問題の傷を克服する長い旅」と言っている。つまりオバマ氏の当選によって、アメリカの人種的葛藤の克服の新しいページが開かれたという程の意味である。
ふたつの人種を生きる米国人はオバマ候補をどう思う コラム「アメリカの日本人主婦が見る米大統領選」(6)
実は前々回のコラムでご紹介した「共和党支持者の黒人男性」ロイさんは、オバマ候補と同様に母親が白人で、父親が黒人です。オバマ候補より10歳ほど年上なので、人種差別がもっと顕著な時代を過ごしています。後述するようにオバマ候補も自伝の中で、自分の肌の色にまつわる葛藤について語っていますが、ロイさんも「この国では見た目が重視されるから」とあまりこの話題には触れたくない様子です。
半分白人、半分黒人、しかしアメリカというこの国では黒人として生きなければならない。それはどういうことなのでしょうか。
今回ほど米国のマスコミ・テレビに「Black 」・「African-American」という語が沢山載ったことは久々だろう。ハーフであっても肌の色が黒い+鼻が多少広がっている=見立て黒人=黒人(Black)ということなのか。
最近のDNA分析により証明された人種の系統では、
アフリカン(ネグロイド)からコーカソイド(白人)が分岐し、
コーカソイドからオセアニアン(オーストラロイド)・イーストアジアン(モンゴロイド)が分岐、
そしてイーストアジアンからネイティブ・アメリカンが分岐した。
ネグロイドという呼称はサハラ砂漠以南のブラック・アフリカに在住する肌の色が濃く頭髪が縮れた巻き毛である人々を指す。
ネグロイドは古代から奴隷として用いられた人種であり、東アフリカのネグロイドはアラブ商人やペルシア商人が奴隷として購入し、西アフリカではヨーロッパ商人が奴隷として購入していた。
いわばネグロイド(黒人)は全人類の大御先祖さまなのだ。奴隷にするなぞバチが当るぞ→米国はとうの昔からバチに当っている?
ポリネシア系・インド系・中東系・エチオピア系も肌の色が黒いが黒人(Black)とはいわれないよね。この辺のニュアンスは日本人にはまったく解らない。この方面では単民族国家(重箱の隅を突っついてそうではないという人もいるかもしれないが)の日本人はお花畑の住人なのかもしれない。他民族国家というのは大変疲れるものらしい(日本人から見て)。
オバマは、1961年ハワイで生まれ、両親の離婚と再婚により1967年6歳の時インドネシアに住み、そのまた離婚により1971年10歳の時ハワイにもどり、それ以後、祖父母の応援で米国本土、コロンビア大学卒業(オイラの義息子と同じ)して、その後ハーバード大学を卒業し、弁護士資格を取り政界へ出た。
母方の祖父母様様だ(裕福だったのか?)。祖父母の応援が無かったらその後の人生は変わっていただろう。人種の違う親で育ち、違う父親で育ち、まったく違う国で育ち、彼の汎用性な思考はこの辺に原点があるのかもしれない。
波乱のある人生を歩んで来たせいなのか、説得力のある、それが彼の強さなのかもしれない。しかしそれは時として彼の弱さとも推測できる。母親も波乱のある人生だっただろうね。オイラから見るともうちょっと考えてから恋愛しろよと云いたくなるところだ。(余計なお世話だが)
米国もやがてもっと人種ミックスが進むと黒人白人黄人の区別がつかなくなり、区分けすることが不可能になるか、区別することに空しくなるか、そんな時代に漸進していくのだろう。100年後ぐらいには。
一粒で二度美味しいオイラのブログ: 今日の画像
オバマはAfrican-American? Black?
これにいつまでもこだわる米国白人を
オイラ達日本人は哂おう。(彼らにそのデリカシーは伝わらないだろうが)
マケインとの対決そしてオバマの勝利
オバマの終盤戦での集会
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コメント
昨日ラジオで永さんが言っていたのですが、「ハワイの高校で娘が同級生」だそうです。
投稿: よこはま | 2008年11月 9日 (日) 08時30分
>米国の住宅エリアでも価値が高いのは、白人のみ住むエリア(大成功した黒人は除く)。それには、住宅価格の大変高い高級住宅ということになる(お金で締め出す)。ところが1戸でも競売物件にかかり、それを黒人が買って住むということになると・・・・・・・・・・・・・・
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今米国では、黒人よりヒスパニック(スペイン語を母国語とする米国人)の方が差別されることが多いようになってきたそうだ。また人口割合も黒人を凌いできた。不法滞在率も非常に高い。
http://www.cafe-mexico.com/ensayo_pages/hispanic/hispanic001.html
投稿: toorisugari | 2008年11月10日 (月) 10時53分
今回黒人のオバマが大統領になったことは、画期的なことで日本人が感じる以上な異常なできごとですが。
実はケネディー大統領の誕生も、日本人には分からない画期的な出来事でした。
アメリカ大統領は代々WASPがなって来た明白な歴史があるのです。人種が純白人でアグロサクソン系で宗教はプロテスタントの人間です。
ケネディーの宗教はカソリックでアイルランド系なのです。
だから当時も今回のように画期的な出来事だったのです。日本人にはその感覚はわかりません。
暗殺されたのも、一部にはそのような背景もあったと聞いています。
オバマが「米国の主流」の政策に同意しない場合、またケネディーのようなことが起こるかもしれません。
投稿: 闇からの声 | 2008年11月10日 (月) 17時47分