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2008年10月21日 (火)

世界金融恐慌・CDSについてのお勉強

オイラがいろいろ勉強させてもらった結果では、今回の世界的金融危機の全ての元凶はこのCDSに行き着くような気がする。そして、まだまだこのCDSの本当の破壊力が表に出てきていない状態がこんにちだと思う。

オイラの解釈では、このCDSのお陰で、米・英を中心として世界中で、安心して詐欺的ローン融資も出来たし、ねずみ講的金融取引が出来てきたと考える。

まずCDSの成り立ちについて、一緒に勉強をしましょう。

あとでこれも参考にしてくれ。オイラの過去ページ:世界金融恐慌に向かって、・・・・・今ここ。:2008年9月25日 (木):→ここでもCDSについて触れている。

「CDS」--ウォール街を破滅させた怪物:金融危機の元凶はJPモルガンが生み出したモンスター、クレジット・デフォルト・スワップの無節操な濫用だ

1994年当時、JPモルガンの資産は企業向けや外国政府向けの数百億ドルの貸し出しで膨張していた。問題は、連邦法の定めで、それらの融資の貸し倒れリスクに備える準備金として、巨額の自己資本を積まなければならないことだ。利益を生まない金である。

 バンカーたちが思いついたのは、ある種の保険商品だ。貸し倒れた場合の元利金の支払いを第三者に保証してもらい、代わりに銀行は保険料を払う。そうすれば、JPモルガンはリスクをバランスシートから切り離し、準備金を取り崩して商売に回すことができる。

 この仕組みが「クレジット・デフォルト・スワップ(CDS)」で、デリバティブ(金融派生商品)の一種だ。CDSのアイデア自体はその2、3年前からあったが、大きな取引をしたのはJPモルガンが最初だった。同社は90年代半ばに「スワップデスク」を設置、CDSの市場を作るためにマサチューセッツ工科大学(MIT)やケンブリッジ大学から若い数学者や科学者を雇い入れた。

 数年後には、安定的な収益を確保しながらリスクを回避する手段として、CDSは最もホットな金融商品になった。
 だが、40年代当時のロバート・オッペンハイマーや部下の核物理学者たちがそうだったように、ブリッケルと同僚たちも、自分たちが開発しているのがモンスターだとは気づかなかった。今日、経済がよろめきウォール街が廃墟と化したのは、彼らが14年前に解き放った。

時代的には、民主党クリントン大統領の時代で、ルービン財務長官とグリンスパンFRB議長の時代だ(両者とも、かの投資銀行ゴールドマンサックスの関係者だ)。(財務長官ベンツエン→ルービン→サマーズ)

CDSのいちばん初期の取引の一つは、97年12月にJPモルガンが行った。同社はフォードやウォルマートなど大企業向けに実行した300件、計97億ドルにのぼる融資を調べ、最も貸し倒れリスクの高い上位10%を特定。それを投資家に売却した。

ちょうど、クリントンが執務室で、モニカちゃんとチョメチョメしていて、ヒラリー奥さんにバレ、国民にもバレバレになったころだね。(時系列を覚えるのは、このような覚え方が一番いい)

 その後まもなくCDSは、リスクの高い中南米やロシアなど新興市場への投資も怖くなくなる保険として使われはじめた。01~02年にエンロンやワールドコムが粉飾決算の挙げ句に巨額債務をかかえて倒産すると、企業の内部崩壊に対する自己防衛の必要性も再認識され、CDSは打ってつけのツールになった。00年に1000億ドルだった市場規模は、04年には6.4兆ドルになった。

今の共和党ブッシュ大統領が2001年1月からだから、CDSがどんどん普及していったのは、ブッシュ時代からということになるね。もちろんまだこのときは市場の神様グリーンスパンは議長として健在だった。その後今のヘリコプターベンのバーナンキに変わるのだが。財務長官はオニール→スノー→ポールソン。 そして住宅ブームがやって来る。FRB(米連邦準備理事会)が利下げを繰り返し、アメリカ人が歴史的なペースで住宅を買いはじめると、住宅ローン債権を担保にした証券化商品は新たな有望投資先になった。銀行やヘッジファンド、年金などあらゆる金融機関がこれを購入し、彼らの多くがその債務不履行に備えてやはりCDSを購入した。

・・ね。返済できないこと確実な貧民にサブプライムローンを組めたのも、ノンリコースローンというやりかたで、返済できなくなったら鍵を返してそれでケリですんだのも。融資残高の2%を払えば元利ともに翌年に繰り越せるミニアムペイメントとか。見るからに危ない融資を、この金融工学学者達の考案したデリバティブでCDSを使えば、魔法のように自分達は安全になってウハウハ儲ける事ができる。なんと便利なツールなのか。

 AIGのような会社の取り扱い商品はすぐに、火災保険だけではなくなった。彼らはCDSを売ることで、住宅ローンの保証もはじめた。AIGが政府に救済されたときまでに、同社のCDS保証残高は4400億ドルに達していた。

 AIGの決定的な過ちは、伝統的な保険の手法をCDSにそのままあてはめたことのように思える。従来の保険では、一つの事故と他の事故の間に相関関係はない。隣人が車を衝突させたからといって、自分もそうなるリスクが高まるわけではない。

 だが、債券の場合はまったく話が違う。一つが債務不履行になると、連鎖反応で他の債券も債務不履行に陥る確率が高まる。投資家は臆病になって資金を引き揚げ、市場はパニックに陥り、銀行は貸し渋りに走る。

こんな簡単な常識的なことが、優秀な大学出で大変難しいといわれる金融工学の理論を使ってこの仕組みを戦略にした米国人・英国人達が解らなかった。また歴代の財務長官も、あのグリーンスパンも解らなかった。グリーンスパンなぞは煽っていたよ、その当時。ブッシュ大統領のスローガンは、「貧しい人々が持ち家を持てるようにする」だったが、ちょと頭の弱いような噂が当初あったが、こんな事態になるとは、夢にも思っていなかったのだろう。このオイラでも解ることなのに。

 そして住宅ローンの証券化商品が債務不履行に陥りはじめると、AIGは何十億ドルもの元利金を補償しなければならなくなった。AIGにそんな資金はないことは、たちまち明らかになった。

 政府が介入してAIGを救済したのは、AIGがCDS市場のいわば最後のとりでだったからだ。銀行やヘッジファンドはCDSの売り買い両方を行い、どちらか一方で損をしてももう一方で得をするポジションだったのに対し、AIGは保証を提供する一方だった。もしAIGが債務不履行に陥れば、AIGからCDSを買っていたすべての金融機関が損失を被り、信用危機に陥っていただろう

そしてアメリカ最大の保険会社アメリカン・インターナショナル・グループ(AIG)は、投資銀行や保険会社などに対して保証していた140億ドル(1.4兆円)にのぼるCDSの支払いに行き詰まり、納税者のお金で救済された。この1年間の金融システム危機の原因の多くは、元をたどればCDSに行き着く。その市場は62兆ドル(6200兆円)に達していた。ニューヨーク証券取引所に上場する全株式の時価総額の4倍近い額だ。

 著名投資家のウォーレン・バフェットがCDSを「金融版の大量破壊兵器」と呼んだのには理由がある。CDSは企業対企業の相対取引で契約されるため、政府の規制は及ばないし、取引報告を集約する場所もないので本当の市場価値を知ることができない。

またこのCDSの問題はもう一つ

他人の資産に勝手に保険をかけた綻び:赤の他人が保有するローン債権などの元本割れを期待して、「保険の買い手」になれるということだ。

だからこそ、CDSの想定元本残高が55兆ドル(5500兆円)(6月末時点)に達しているのだ。米経済誌フォーチュンは最新号で「55兆ドルの疑問」という見出しを掲げて特集を組んだ。

 何が「疑問」なのかというと、米証券業金融市場協会(SIFMA)によると、社債、住宅ローン担保証券、資産担保証券の発行残高はそれぞれ6兆2000億ドル、7兆6000億ドル、2兆5000億ドルで、合計は16兆ドルにすぎないからだ。

 常識的には、社債などの元本合計が16兆ドル(1600兆円)なのだから、元本が全額回収不能になった場合の保険金も最大で16兆ドルであるはずだ。残高55兆ドルにも上るCDS市場は、実態と乖離していた。

 もちろんここにも、経済合理性はある。ポイントは「いずれデフォルトが起きる」との読みだ。「保険の買い手」は、当面保険料の支払いを負担していても、将来のデフォルトによって多額の利益(元本の補填に相当)を得られると考えている。保有していない資産の値下がりに賭けるという点では、借りてきた株の値下がりに賭ける空売りと似ている。

 しかし、次のような行為は健全と言えるだろうか。フォーチュン誌が例として使ったのは、自動車保険だ。

 友人が危険な運転をするドライバーだとしよう。「絶対に事故を起こす」と考え、保険会社を訪ねて友人には無断で勝手に車両保険をかける。「他人の資産に保険をかける」わけだ。その場合、友人が本当に事故を起こせば、保険金をもらえる。

 もっと複雑な展開もありえる。保険会社も「本当に事故を起こしそうだ」と不安になり、保険契約を第三者へ転売する。その第三者が、保険金を払う能力があるのかどうかも外部からではよくわからない、無名のヘッジファンドだとしたら……

 

この件について、 バフェット氏がデリバティブについて警鐘を鳴らした2003年、グリーンスパンはFRB議長として正反対の考えを示した。上院銀行委員会での証言で、次のように語っている。

「長年にわたって市場を観察してきた結果、リスクを転嫁するうえでデリバティブは非常に有効な手段であるということが分かった。デリバティブを利用することで、『リスクを取れない人』から『リスクを取れる人』へリスクを転嫁できる。このような市場に一段と厳しい規制を導入するのは間違っている」 つまりCDSは有効だということだ。規制はすべきではないと。

その時代の金融の神様、市場の神様グリーンスパンこそA級戦犯なのか。もちろん超A級戦犯はブッシュということになるが。

ともかくCDSが世界的連鎖爆裂する前に、各繫がっている導火線を整理して、実体のないCDS契約は強制解約(契約無効)させ、実体のあるCDSを解きほぐしていくしかないと考えるオイラはやはり素人なのであろうか。

そうしないと、なんたって5500兆円の世界の話になってしまうからね。もうダメボ。

これを最後まで読んで理解した人は、今日からCDSの達人だよーん。

これもサービスだ。

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並べ変えただけで、なぜマスが、1スパン空くんだ。

グリーン スパン君!

さあ、金融工学とやらを使って、これを解いてみろ。

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コメント

はじめまして最近経済を勉強しはじめた俄か恐慌ウォッチャーです。CDSがようやく理解できました。ありがとうございます。車両保険の部分でなんで膨れ上がったのかわかりました。金融工学はわかりませんがクイズの答えは上下形状の異なる四角形です。

投稿: eozekat | 2008年10月21日 (火) 22時00分

そう、上記クイズのように、グローバル金融業界はこのようなペテンに引っかかっているのに、なにも疑わずに行け行けどんどんでここまで来て、やっと気が付いた。
結果は凡人でも分かる常識に気が付いた。
ペテンだったのだ。

投稿: 闇からの声 | 2008年10月22日 (水) 07時11分

いやいや、今回のA級戦犯は、現在の財務長官、前ゴールドマンサックスのCEOであったポールソンということらしい。


米国には金融監督官庁が3つある。投資銀行を監督するSEC、商業銀行を監督するFRB、そして徴税と予算の執行を監督する財務省である。歴代の財務長官が政治の前面に出てくることは稀だった。問題の性格からすればSECのコックス議長が前面に出てくるのが自然である。ポールソン財務長官が前面に出てくるのはむしろ場違いとも言える。しかしコックス議長はまったく主導的な役割を果たしていない。なぜか?

 2005年8月にSEC議長に就任したコックス氏にしてみれば、「ポールソン氏こそが、SECにゴリ押して異常な規制緩和を飲ませた張本人ではないか」との気持ちが強いのではないだろうか。ポールソン財務長官もその辺の事情が分かっているので、率先して自分の蒔いた種を一生懸命に拾おうとしているのではないだろうか。

投稿: アイヤー | 2008年10月22日 (水) 13時55分

いつも楽しく拝見させていただいております。

さて、気持ち悪かったので本気で計算してみました。

赤三角の高さxは13:5=8:x, x=3.0769,従がって高さを3とした場合の誤差は0.0769*8≒0.6154

緑三角の高さxは13:5=5:x, x=1.923 ,従がって高さを2とした場合の誤差は0.0769*5≒0.3846

これらを移動させた場合、0.6154+0.3846=1の誤差が生まれる。

投稿: JIN | 2008年10月24日 (金) 02時24分

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