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2008年6月 2日 (月)

まだまだ続く温泉旅館の危機

バブル(1990年前後)のころ、銀行が競って融資枠を膨らませた結果、全国の温泉旅館も莫大な投資をして施設のグレードを上げた。狙いは客単価1人1泊5万円。それに見合う施設投資がなされていった。専門家に参考にされたのは、山代温泉の百万石・和倉温泉の加賀屋・作並温泉の一の坊などなど。

オイラもパトロン(発注者)に連れられて、アッチこっち見学にいった。オイラが仕事で一番花開いていた時期だ。(バブルのお陰で)しかしバブルが崩壊して、全て思惑が外れてしまった。民間の接待費削減で、1泊5万円なんてとんでもない。せいぜい政治家や官僚がいまだにという時代になり、その官僚さえも行きにくくなってきた時代だ。

あれから十数年の間、有名な旅館も次々経営者が変わったり、閉鎖したり、潰してリゾートマンションになったり。こんな話題も日常的になってしまった。最近また耳に入ったので取り上げてみる。

温泉旅館経営株式会社山下家民事再生法の適用を申請負債35億7600万円 :帝国データーバンク

当社は、加賀藩主初代の湯治湯として発祥したとされる老舗温泉旅館で、1963年(昭和38年)10月に法人改組した。白山連峰と加賀路を一望する高台に位置する山代温泉郷でも著名な温泉旅館。79年から93年にかけて大規模な投資で大型化を図り、部屋数94室、収容人員700名の規模を有した。また、大型露天風呂を含め、様々な入浴施設を備えた高級旅館として、同温泉郷でもトップクラスの旅館であった。

 しかし、バブル崩壊に伴う温泉全体の集客伸び悩みや旅行形態の多様化などから、業況は低迷。94年9月期に近時ピークとなる約29億4000万円の年収入高を計上したが、以降は減収が続き、2000年9月期の年収入高は約15億7000万円まで低下した。翌2001年9月期は2000年9月に完成した天守閣大露天風呂を前面に押し出した営業により前期比4.5%の増収に転じたが、2005年9月期以降は減収に歯止めがかからなかった。

 また、減収とフル償却を実施し続けたことから2000年9月期以降は連続して大幅な欠損を計上し、財務面が急速に悪化。その後、2006年5月に財務を担当していた役員が辞任、2007年10月には所有物件の一部が債権者により差押、競売開始決定を受けるなど厳しい資金繰りが表面化し、動向が注目されていた。

 負債は約35億7600万円が見込まれる。なお、営業は継続中。

(株)ウオミサキホテル~破産手続開始申立

業  種  温泉旅館
所 在 地  静岡県熱海市和田浜南町7-2
設  立  昭和34年11月
従 業 員  31名
代 表 者  菊間一光
資 本 金  9,800万円
年  商  (19/3)7億5,000万円内外
負債総額  23億3,800万円内外

平成19年4月18日静岡版特別情報で既報の当社は、平成20年5月14日に静岡地裁沼津支部へ破産手続開始を申し立てた。申立代理人は栗田誠之弁護士(むつみ法律事務所、横浜市中区尾上町2-27朝日生命横浜関内ビル7階、TEL:045-226-1601)。負債総額は23億3,800万円内外。

 昭和34年熱海中央ホテルとして設立。買収などで規模を拡大し、平成元年4月ウオミサキホテルに商号変更。本館、南館の計69室、最大収容人員320名の地場中堅の温泉旅館として営業。ピーク時の平成9年3月期売上高は20億円内外を計上していたが、観光客数の減少などにより売上高は下降し、平成19年3月期売上高は7億5,000万円内外にまで減少。その状況下、金融機関の貸し出し債権が債権回収会社に譲渡され資金調達は限界に達し、仕入れ業者への支払いも滞るようになっていた。

ウオミサキホテルの場合、バブルが崩壊したころ、隣に新築されて間もない熱海スポーツプラザホテルが倒産閉鎖されたのを買収して現在の南館として2棟一体で経営していた。有利子負債の返済が滞っている噂はずいぶん前から出ていた。またアチラ系からの取立てのより厳しいお金も動いていたとの噂もしきりにあった。

社長はかなり長く熱海の観光協会や旅館組合の長を務め熱海のリーダー的存在だったらしい。彼としがらみの多い市役所出身の前市長が、下水道料金や固定資産税の滞納に目を瞑っていたせいで、下水道料金の滞納だけでも3千万円に上っていて、市民からあまりにも不公平だとの批判が出ていた。新市長の決断で水道を止めることになり、それが自己破産への背中を押した格好になった。大なり小なり、どの市・町にもよくある事例だ。多分熱海市はその金の回収は出来ない結果となり、そのシワ寄せは市民の血税からということになるのだろう。

社長は約1千万もってどこかに隠れてしまったとかの噂だ。まあ自己破産を完結するにも弁護士への費用なぞ大金が掛かる。弁護士費用は不払いは出来ないからね。相当な金額になると思うよ。

まあ自己責任の範疇なのだが、悲惨なのは出入り業者でその地域で例によって連鎖倒産が始まる。零細企業はひとたまりもなく連鎖してしまう。特にウオミサキの場合は従業員も誰も事前に知らなかったらしい中での自己破産だ。

最後に今話題の船場吉兆なのだが、料理の使い回しの件は自らリークしたんだというひとがいるんだが。船場吉兆の話 :nikaidou.com

まぁある人から聞いたわけです。 「今年に入ってすぐ、船場吉兆の再建計画が出たが、あれには経営陣の個人保証が入っていなかったんだ。でも、客足は落ちるし全然経営が元に戻らない。このままではまずい。もうやめてしまおうと思い、使い回しを自分からリークしたんだ。それで民事再生中止。

これは船場吉兆の使い回しをスクープした新聞社に聞いたんだが、まぁソースはいわなかったが暗黙の了解って奴で・・・。あのままいけば、債権者が「経営者の個人保証を入れてください」という話になるので、それを避けるために民事再生なんだよ。

あの法律はザルで、経営者が保証を入れてなければ、法人の民事再生で経営者の資産は逆に保護される仕組みだ。誰も言わないけど、会見の時のあの着物、いくらすると思う?債権者にしてみれば、「着物全部売ってでも債務を払え!」と言いたいだろうが、それは民事再生では無理なのさ。うまくやったよ。やる気なら、あの経営者一族がどこに資産を持っているか調べるといいよ。」

 という感じで。いや、あのババァはただもんじゃないよ。泣いて同情集めるくらいは簡単にできると思うしな。ま、別にうちの関係者の債権がある訳じゃないから、どうでもいいんですけど。

船場吉兆も負債総額が9億円だったとか。昔から旅館も高級料亭も常に借金経営で、経営者一族はその経費で贅沢をするというのがビジネスモデルだった。それがその様なビジネスモデルで来たところは、どんどん淘汰されて行く時代になった。これからもまだまだ続く。

一粒で二度美味しいオイラのブログ:     今日の画像

はーい。視力の検査でーす。どんなポーズか言いなさい。一番下の左から3番目は?

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コメント

拡大鏡をもってしても、画素子の壁あり。

投稿: LEE | 2008年6月 3日 (火) 12時40分

いろいろ考えました。
まずクリックをしてみましたが、大きさが同じでした。→ダメ
手元の拡大鏡があったので、死んだ父の老眼鏡と合せて試してみましたが→ダメ

画像ソフトに移動してそこで、拡大しようと考えました。さあ作業開始です。

成功したら、ここで再度コメントにて報告致します。

投稿: ukigumo | 2008年6月 4日 (水) 16時36分

熱海を最近通りかかったら、上記破産したウオミサキホテルが営業を再開していた。競売でどこかが買いとって再開したんだろう。

また例の岡本グループ筋(山口系舎弟企業の噂)またはニューフジヤ系列の会社か。

1泊9,800円ポッキリ営業だった。従業員が刺青をしていないといいけど。まあ安いからいいか。

投稿: toorisugari | 2008年11月 6日 (木) 16時49分

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