裁判について考える

人生１回も裁判なぞと関係ない人生を送る人もいれば、本格的裁判を経験した人、裁判が日常茶飯事の人、裁判を利用して富を増やしている人、裁判に負けてスッテンテンになってしまった人、金や暇が無くて戦うことが出来ず相手のおもうままな判決にされてしまう人、裁判に勝っても相手に支払い能力がなく、ただ勝訴の判決文しか手に入らなかった人・・・・・・・・・・まあいろいろこの世にはいるもので。

刑事裁判はともかく民事裁判はますます増える傾向にあるだろう。オイラも民事裁判を提訴して、裁判をしたことがあり、それを通して様々学んだことがあるのだ。

まずは、昨日の光市の母子殺害事件の高裁の判決についてだが、

「十三階段への道」。 墓穴を掘るという言葉は昔からあるものの現実に墓穴を自分で掘って：怪文書ブログ

墓穴を掘るという言葉は昔からあるものの現実に墓穴を自分で掘って、そこに埋まろうとする人間というのは今まで見た事は無かった。しかし、今日はまさにその瞬間を見ることになったわけだ。はっきり言って法廷で余計な事を言ったり、他人に対して変な手紙を書かなければ死刑にはならなかったかもしれない。

つまり刑務所の中で更生の意思を示さなかったのだから、完全な自滅だろう。まあ最高裁も多分上告は棄却するだろうから死刑確定で終わる事だろう。問題は再審請求だけれども、これもまず通らないだろうから、現実には死刑執行が行なわれるまで犯人は恐怖に怯えながら暮らす事になるのだろう。

その通りだね。裁判の教科書には「綸言、汗の如し」の言葉どおり、裁判での陳述・証言は汗のように一旦出してしまったら、もう元には戻らないと書いてある。これら弁護士達のやり方があまりにも国民と裁判官をバカにしたものだったように感じるね。

そしてその弁護団のリーダー安田さんも忙しいみたいなんだなあ、これが。

安田弁護士に高裁判決　顧問先への資産隠し指南の罪で：2008.4.23 09:01　産経ニュース

顧問先の不動産会社社長らに資産隠しを指南したとして強制執行妨害罪に問われ、１審東京地裁で無罪（求刑懲役２年）となった弁護士、安田好弘被告（６０）の控訴審判決が２３日、東京高裁（池田耕平裁判長）で言い渡される。

　山口県光市の母子殺害事件など多くの刑事裁判を担当した人権派弁護士で、死刑廃止運動の中心的存在としても知られ、判決が注目される。

　顧問先へのアドバイス内容が、弁護士の正当業務か犯罪だったのかが争われ、「被告が資産隠しの具体的方法を指示した」とする不動産会社の元社員の証言の信用性が最大の争点になった。　安田被告はオウム真理教松本智津夫死刑囚（５３）＝教祖名麻原彰晃＝の主任弁護人も務めていた。

オイラの場合、バブル当時リゾートホテルとリゾートマンションの建築設計業務を契約請負い、３年間という膨大な時間の業務と外注費、諸経費を掛けて完成させたのに、発注者への銀行融資が中止になったらしく、その費用を払わないで、消滅時効まで持っていく算段が見えてきたので、ポン友の弁護士に相談し本裁判を起した。

まず裁判に勝っても、金の回収はいわば別物なので、相手側所有の担保無設定の土地を見つけ、それを仮差し押さえを申請。担当裁判官が大変ヘビーな若女性だったのを覚えている。彼女から仮差し決定の言葉を聞いたとき、思わず抱き締めてやりたくなったが、出来なかった。１９９３年9月だった。その後供託金数百万円を納めなければならなかった。

オイラも関係専門書を買って猛勉強した。人生であんなに勉強したのはあの時が一番だったと思う。さあこれから提訴して初公判だ。先は大変長いことを味わった。

初公判はなんと１９９４年の１月だよ。口頭弁論というから証言なのかなと思い勝ちなのだが、なんのことはない。準備書面というヤツで云いたいことを書面にして公判時に提出するだけ。オイラの弁護士も「建築設計業の費用について」なんて専門じゃないから、オイラが下請けみたいに膨大な下書きを作りそれを彼がまとめる作業が延々続いた。またそれ以外にオイラの証言に変わるものとして、陳述書を作成して準備書面に付け加える。

その日の公判が終了すると次の公判日を裁判官と双方弁護士が相談して決める。オイラ、ポン友弁護士には、「どんなに予定が入っていても、オイラの公判日を第一優先するように」ときつく云っておいた。結局次が同年２月・６月・１０月。次が翌年１９９５年１月・４月・１０月。１９９６年になって３月・６月・７月・９月。そして同年１０月に地裁判決だった。口頭弁論は１２回あった。判決では、オイラの請求金額の約７０％と年６％の金利分（裁判が長くなるとこの金利分の金額は結構な大金になる）だった。

それに対して相手が控訴。今度は高等裁判所。１９９７年３月が初公判。その後5月に第２回口頭弁論。６月に裁判官と和解勧告の面接。その７日後に和解成立。ほぼ地裁判決の金額で和解がなされた。仮差しから４年間の裁判だった。この裁判で学んだことは、

• 裁判は弁護士任せにするな。自分がその裁判に没頭せよ。裁判について判例等しっかり勉強すること。逆に弁護士を使う身になれ。
• 大抵の弁護士・裁判官は、その分野の初心者だと思え。だから自分側の専門的なことは、少年に教えるごとく分かり易く説明・資料・陳述書等を作れ。
• オイラの場合、仕事の関係で日頃文章の作成や読解力を鍛錬しているので可能だった。日頃の訓練は大事だ。難しい本を読め。ネットブログを読め。コメント投稿をしろ。2ちゃんねるで遊べ。
• 一人の裁判官は大抵常時２００件以上の裁判を抱えている。裁判が長くかかるのは、単に公判の日程の関係。その間、裁判官がじっくり審査しているなんていうのは嘘。
• 一審・二審の弁護士費用はそれぞれ別会計。結構な金額だったよ。
• 結局裁判とは、お金に余裕がある（オイラの場合生前のオヤジが協力してくれた）、時間が取れる（オイラはサラリーマンではない）、よい弁護士を雇える（オイラのポン友が弁護士だった）人間に有利なことは確かだ。法のもとの平等とは建前だけだ。
• 全てに渡って、人に理不尽なことはしないことを心がけ実行して、裁判沙汰になることを防ぐことを優先することだ。大変な労力の掛かるものだから。
• 但し、どうしても理不尽な相手には、断固立ち向かうことも大切だ。

よい意味では、この裁判を通して、自分の職業・人生・社会を見つめ直すことができた。

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自転車旅人　「どこに行っていいやら、分かりませーん。」