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2008年3月16日 (日)

中心街居住と郊外居住

きのうは、ポン友とお昼を食べながら駄弁ってきた。オイラその店のカツカレーが大好きで、時々むしょうに食べたくなる。その後喫茶店でまた駄弁る。ポン友は糖尿を患っていて発覚初期のころは、ずいぶん食事に気を使っていたようだが、10年位経つ現在は、食事に関して結構いい加減になってきているようだ。(オイラ知らないよ)

あまり冴えない風采だったので聞いてみると、株で大損したらしい。以前から今年は株は控えたほうがいいよとアドバイスはしていたのだが、所詮聞く耳は持たない。店は奥さんと娘が取り仕切り、彼は株と対外的なことにというよくある商店主のパターンだ。商工会議所・法人会・市関係の委員。彼は商店街の会長もやっていて、何処も同じシャッター通り改善に頭を痛めている。どこの商店も商売どころか生活をしていけないくらい落ち込んできたとのこと。まあこれは全国的なことだ。

郊外に大型店が出来、車で衣料雑貨から食品ほとんど調達できるので、当然従来からある商店街のお客は極端に減りやがて店を閉鎖、次のテナントが入るまでシャッターが降りたままとなる。オイラも車で20分以内にいくつも大駐車場完備の大型店があるのでほとんどそこで済ます。人は便利な方へ流れる。北米風に郊外大型店の設置を許可した時点からこの流れは決まっていたのであり、一般の消費者からみればまことに便利だし、より安く、より多品種、より快適。まさに天国なのである。多分もとには戻れないだろう。

オイラの家は中心街からタクシーで2,500円ぐらいなのだが、若い頃、仕事上飲む機会が多くあり、つい飲酒運転で帰るなんてことも多かった。タクシーや代行もあるが回数が多いとつい・・ということになる。取り締まりでアルコール検査を数回やらされたがその当時の数値ではオイラはOKだった。検査した警官は悔しそうで再検査のときもあり、それでもOKだった。(多分ビール2本水割り10杯程度は飲んでいたと思う)しかし、さすがに法律の強化、世の飲酒運転への厳しさが増すなかで、オイラほとんどお店で飲まなくなった。飲むのは家で一人で飲む。だから中心街のお店でオイラがカヨッタお店は20軒ぐらいあったはずで確実にオイラからの売り上げはなくなったわけだ。このポン友は中心街の店舗の上階が住まいなので、相変わらず近所の飲み屋をウロウロ回っているが。オイラと彼とは同じ飲み屋を共有できなくなった。

これからも街はますます2極化していくのだろう。一つは旧商店街を中心とした居住区(コンパクトシティー)、もう一つは郊外に広がり、その途中に大型店舗群地域(郊外シティーSuburbia)。それぞれ店舗は栄枯盛衰で模索していくのだろう。人は便利な方に行く。これ定説だ。

今米国では「The End of Suburbia」「Escape from Suburbia: Beyond the American Dream」というように車依存の郊外居住をやめようという動きが盛んになってきている。ガソリン代がどんどん高くなれば、郊外居住なぞやっていけなくなるということだ。まあこれも矛盾していることで、極端から極端、米国人らしい。どうしても自家用車社会が成り立たなくなれば、なんとか代わりを模索していくだろう。

特に米国はここ10年ぐらい住宅バブルで郊外に猛烈に住宅が増えた。そして毎日会社に片道1時間~2時間かけて通っている。ローン返済中の住宅の評価が上がるとその住宅を担保に他の消費の為にまた金を借りる(エクイティーファイナンス)。しかしここへ来て住宅の評価は下がるし、ガソリン代はどんどん上がるし、リストラは多くなるし、もうとてもやっていけませんってことらしい。自動車保険料なんて日本の10倍ぐらいするらしい。医療保険も相当高く、またこれらはオールマイティーの病気対応ではないので、オプションが外れると対象外で全て自己負担。盲腸の手術で100万円以上の国だ。病気によっては一変に全ての財産を失って、さらにマイナスなんてことはよくあることらしい。

ただ人は便利な体験を味わってしまうと、その方向にいかざるをえないので、自家用車社会を捨てることはできないだろう。今まだ原油高は国際相場の作為性から来ているので、やがて原油価格は下がるだろう。下がらなければ懸命にそれに変わる動力を開発していくだろう。日本でも戦時中ガソリンがなくて、マキを燃やして走る木炭バスがあったとか。高性能電池自動車・ハイブリット車・水素を使った燃料電池車。いまだ一般化しないだけで準備は整いつつある。米国の自家用車社会は↓ビデオの警告にも関わらず、いまや簡単に後退しないと思うし、後退できないと思う。

日本のように鉄道と車道半々政策できたのは正解だったのかもしれない。

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