日本の建築・北米の建築
北米はサブプライムローン(60兆円)の導火線から、Alt-Aローン(90兆円サブプライムよりまともな階級)、そしてまったくまともなはずのプライムローンまでおかしくなり始めているようで。この後、Option ARMのウェーブがやって来くるそうで。
ニューイングランド通信:サブプライムだけでそんなに騒いでんの?
Option ARMって日本語で何て言ったらいいのでしょうねえ?
選択変動金利ローンとでも言いましょうか。最初の数年間、毎月、
1) 金利と元金と両方とも払う
2) 金利のみ払う
3) 又は金利も全部払わずに不足分をローン総残高に上のせする
を選べるローンです。元々このローンは、収入が一定で無いタイプの職業の人(自営業等)向けらしいの
ですが、例のごとく、バブルで大勢のオバカが手を出してしまいました。
オバカは大抵2)か3) を選んでしまいます。
そんな金ないしー、どうせすぐまた売るしー、くらいの考えなんでしょう。
当然、3~5年間のオプション期間が終了し、普通の支払い方法にリセットするこ
ろには元金はほとんど返済されず、それどころか今までの金利不足分がドーンと
上のせになっているので、いきなり月々の支払い額が2倍以上になります。
客観的な比較として。
[専門業者について。]
日本:建築設計監理と建築施工を一つの会社が行っても良い。両方の登録も一つの会社で出来る。「設計施工」が頻繁に行われている。
北米:建築設計監理業と建築施工業は明確に区分されていて、云わば日本のような「設計施工」という形態は存在しない。
欧米の考え方では、設計監理と建築施工は立場上相反するものだろう。それが一つの会社で行われた場合チェック機能は働かない。というもので、純粋の建築設計家やインスペクターが建主の専門分野の協力者として介在し、より的確な建物となるよう監視する。
[確認と許可]
日本:その建物について法令に定められた設計であること記した設計図書とその他必要書類を付けて建築確認申請を行う。すると副本として一緒に出したものに「・・・法令に適合することを確認しましたので通知します。」と確認通知書となって代理人経由で建築主のところに届いてから着工になる。認可でもなく許可でもなく、確認したことを通知されただけなのである。国(行政)はその建物に関して責任は一切ありませんといっていることと同じなのである。しかし例の姉歯事件でとんでもないことになっていることに気がついてその対策が昨年の改正建築基準法のお粗末なのだ。簡単にいえば日本は建築については大昔から規制緩和の国だった。それは低開発国と同じ法的位置づけだった。
北米:こちらは建築許可申請なのだ。その州が申請書を審査し、問題がないところで許可証を出す。一般住宅の建築でも各建築施工段階(工程)で7回ぐらいのインスペクターによる検査を受け、問題指摘があると、その箇所を修正しなければ、次の工程の工事に進めない。色シュプレイでマークを付けられビルダーは大急ぎで修正の準備をする。また重要な部分は具体的に施工方法も決められていてそれらの施工が的確に行われる。その代わり許可した責任も問われる訳で、行政側が損害賠償した例もある。関係者は皆緊張状態で己の仕事をする。
日本では、住宅ではせいぜい2回、上棟時と竣工時でかつ本当の熟練した者が官検査するわけでもなく、申請の監理者に任せられているので、施工業者の方に力があると問題は闇から闇になってしまい、あとで大騒動になるか、大地震のなかで紛れ込むかだ。
[ 施工 ]
日本:工事見積に関して、材料代と施工手間を「材工」という一つの単価で算出することが多い。このことで建築主側は見積のチェックが大変し辛い。
どの様な現場でも必ずパイプ足場で周囲を囲わなければならず、場所によってはその必要がない所では余計な経費となる。
ほとんど内壁は下地にPBボード(石膏ボード)を使い、簡単な下地処理(2工程)をしてビニルクロス貼り仕上げとする。ビニルクロスの種類が何百種類もあるのでなんとか間に合ってしまう。が下地処理がいい加減なので、やがてはそのシワ寄せが仕上げに出てくる。北米人から見ると相当安っぽく見えるらしい。
北米:工事見積に関しては、一般に材料代と施工手間は分けて算出する決まりになっているので、建築主側はチェックがし易い。
2~3階建では、日本のように周囲に足場架設をすることはほとんどなく、その担当業者が、必要最低限の足場を設けて完了させる。ハシゴなども大変有効につかう。大きい分譲地などは、クレーン車やリフト車など有効に使いこなす。
ほとんど内壁は、下地にPBボードを的確に張り、4~5工程による完璧な下地処理を行い、その後3~4工程の塗装を行う。塗装はエアレススプレーで器械吹付けで合理的に行う。
ビームリフト車で外壁工事
PBボードの下地処理 スティルツ(stilts)という高足器で天井の施工も楽ちん。北米ではコレら施工全般をドライウォールという。この段階は1工程目の施工です。4工程目のころになりますと、壁下地は完璧な一体の壁面の風采となります。
地下や半地下階 浸透水+雨水パイプ。これらは、大きな桝に集まりポンプアップで場外に排出。手前円柱は、地上のポーチの柱の基礎。日本だと埋め戻してその上に基礎を設けるのが普通ですが、やがての埋め戻し土の沈下を考慮して北米ではこの施工が義務付けられます。
ハシゴをうまく使って、外壁工事用の足場を設けます。勿論日本より倍の長さのハシゴもたくさんあります。足場板はハシゴ専用のアルミアームに載せます。
地下の外壁も浸透水の防止のためこのような防水シートがしっかり張られます。白く映っているのは、地中水の排水のための穴明きパイプ。
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