時効のある世界から、時効のない世界へ
今日は町内会の関係の葬儀がある。9時半告別式11時出棺だ。故人は92歳のおばあさん。大往生といっていい。今日はその合間に、この原稿を作ることになる。あー忙しい。オイラ達はお手伝いなので、受付係り以外は平服(作業が出来る服装)なので、式服に着替える煩わしさはないのだが。それではちょい中断。
非常に懐かしい事件なのだが。
例のロス疑惑。約27年前の殺人事件だ。結局日本では最高裁で無罪が確定し、忘れ去られていたが。
1981年にロサンゼルスで起きた銃撃事件で、ロサンゼルス市警は23日、妻を殺害したとして殺人と共謀の容疑で米国自治領のサイパン島で逮捕された会社役員三浦和義容疑者(60)をロサンゼルスに移送する手続きを、サイパンの当局とともに進めているもようだ。
同事件では2003年、日本の最高裁で三浦容疑者の無罪が確定している。米捜査当局は同容疑での逮捕に踏み切っており、米側が起訴するかどうかが今後の焦点になりそうだ。日本の捜査当局によると、米当局者は「新証拠が見つかり、逮捕に踏み切った」と話している。
日本外務省のサイパン出張駐在当局者は事実確認のため、現地の当局に面会を求めている。
三浦容疑者は1981年11月にロサンゼルスで妻だった一美さん=当時(28)=が頭に銃撃を受け、約1年後に死亡した事件で、22日にサイパンの空港で逮捕された。(共同)
今日日本テレビの「THE サンデー」を見たのだが、日本ではこの件は最高裁で無罪が確定し、また時効ってものがあるから、忘れていい事件となっていたのが。米国での法律では殺人事件にはそもそも時効という制度はないらしい。事件は米国で起こったので当然米国で裁かれるのが筋なのだが、日本でやるというので米国は凍結していたらしい。そして今回かなり確信に触れる証拠が成立したので逮捕に至ったらしい。
この事件にはオイラも思い入れが多い。歳も同じくらいだし。確か何とか劇団出身の大御所水之江瀧子(ターキー)の甥だとか云っていた。(顔がそっくりになって来たね)当時はテレビ・新聞・雑誌大騒ぎで、探偵ごっこを競いあっていた。マスコミ側も当初は彼に同情した報道をしていたが、実は彼が怪しいという色々な見方が出てきて、今度は完全に彼を叩く報道に変わっていった。それはすざまじかった。(その後オウムの上祐史浩が出てきたとき、こいつ喋り方が三浦に似ているなと感じた)
「ロス疑惑」は他人の不幸を喜ぶ日本人の嫉妬心から生まれた。整った顔立ちに長身、会社を経営して外車を乗り回し、妻も美人・・・。マスコミはそんな三浦が怪しいと騒ぎ立てた。そして、三浦の過去に犯罪歴があることを調べ上げた。三浦が高校3年のとき、朝火事があり、三浦と友人が駆けつけ家人を救出したが、後に放火したのは三浦自身であることが判明した。これにより、三浦は水戸少年刑務所で6年余り過ごしていた。三浦はもはや「社会的存在」だからかまわないという理屈で、次々とプライバシーを暴かれていった。
三浦にまつわる一連の事件やその報道については、マスコミの報道のあり方、警察や検察の捜査や矯正施設での問題を浮き彫りにした形となり、三浦がそのことで自ら訴訟を起こし、勝訴したことによって幾つか改善されていったことに対する貢献度は大きいと言える。日本新聞協会内に事務局を置くマスコミ倫理懇談会全国協議会のまとめによると、三浦が起こした訴訟は約500件とされ、2審判決時点で195件の判決が出された。3年の時効で敗訴した例もあったが、三浦の勝訴が約6割で、三浦の主張を認める和解も少なくないという。
犯罪者に人権なんか要らんだろうと思うんだが、石が流れて葉が沈む。世の中、そんなもんです。で、アメリカとしてはもともと日本の警察が「ちゃんと有罪にするから」というので任せたのに無罪にされちまったもんで、意地にかけてもパクろうというわけだ。で、拘置所から出てきて、アメリカ領土に迷い込んで来るまでジッと我慢していたわけで、なかなかお見事な執念です。
盲目のイージス・毒入り食品・米兵暴行事件・道路特定財源等で揺れている時、なぜこの時期にと陰謀説も出ているが、まあいつでも、なにかしら問題は起こっているわけで、オイラは組みしない。きっと彼が米国領土内に入るまでじーっと待っていたというのが真相かもしれない。米国恐るべし。米国で起訴まで持っていけるのか分からないが、もし有罪の判決が確定されたら、日本の司法界の面目丸潰れになるね。最高裁で無罪が決定し、しゅんとなっていたマスコミ界の復讐報道が始まるかもしれない。
また時効(公訴時効)については。
米英には殺人事件につ
いて時効制度はないが 、日本では時効が成立 すれば、殺人犯でも普 通の生活を送っている 。
また、日本国内の同じようなケースの被害者 家族の「日本は本当に 法治国家なのか?」と いった声もある。
法務省によると、米国の連邦法は凶悪な殺人 など「死刑にあたる罪 」については時効がな いと規定。英国は、罪種にかかわ らず時効そのものの規 定がないという。
時効(公訴時効)がないということは、警察・検察は永遠に犯人探しをしなくてはならず、それには莫大な経費が掛かる。昔日本が貧乏だった時代に妥協の産物として出来た法律というのが本音ではないのか。ということは、日本は法治国家ではなく放置国家なのかもしれない。
一粒で二度美味しいオイラのブログ: 今日の画像
そうだね。ひとは、常に墓場への一方通行かもしれない。
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コメント
お邪魔します。
>時効(公訴時効)がないということは、警察・検察は永遠に犯人探しをしなくてはならず、それには莫大な
>経費が掛かる。昔日本が貧乏だった時代に妥協の産物として出来た法律というのが本音ではないの
>か。ということは、日本は法治国家ではなく放置国家なのかもしれない。
確かデイブ・スペクター氏が「アメリカの場合は新証拠な
り新証言なり新しい鑑定法が出るまでは"保留"」といった事
を言っていました。ですから「見通しも無いのに金と時間を
かけ続ける」というのとは違うと思います。「有効な時間内
に一定の結論を出す」という意味合いがあるのではないで
しょうか。極端な話100年後に非の打ち所の無い判決が出て
も当事者は誰も生きていないでしょうから。「有効な時間
内」の再検討は必要でしょうし、アメリカ式の「保留」の方
が理に適っているとは思いますが。
投稿: ブロガー(志望) | 2008年2月24日 (日) 14時57分