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2008年2月11日 (月)

米国住宅バブル崩壊の行方

米国でのサブプライムを発端とした住宅バブルの崩壊。1990年頃から始まった日本の不動産バブルの崩壊とは、「バブル崩壊」においては同じだが、中身はかなり違うようだ。もちろん様々な関係法律・慣習・金融システムが違うのだからあたりまえの話だ。日本の場合、主なるものは企業に対するルーズな融資から波及して不良債権化した。そして対象は土地だった。

例えばこれはある中規模旅館の場合だが、不動産登記簿謄本の乙区欄・現在の有効なのを見ると、

1順位 1986年9月 抵当権設定    4.4億円 

2順位 1987年9月 根抵当権設定  1.7億円 

3順位 1987年9月 抵当権設定    1.3億円 

4順位 1989年5月 根抵当権設定  10億円 

5順位 1989年9月 根抵当件設定  3億円 

6順位 1991年3月 根抵当権設定  5億円

これらがその経営者の放漫経営により不良債権化した。(もちろん根抵当権はその金額が全部借金ではないが)利息だけでも年間約6千万円前後。この旅館の年間売り上げ平均4億円前後。もちろん旅館の増改築への投資はしたが、それ以外他の事業への投資、経営者自身の贅沢投資。とても売り上げ利益から返済出来る規模はとうに超えていた。貸した金融機関も同時にモラルハザードだった。現在は民間企業(ちょと怪しい企業)に一部債権譲渡され、実質的にはその企業の支配下のなかで営業している。日本中こんな事例は山ほどある。土地本位制。土地金融の成れの果てだ。

米国の場合、現在庶民の住宅バブル崩壊だけが、クローズアップされているが、企業の大口融資に対してモラルハザードを起していなかったのかに懸念を持っている。日本の不動産バブル崩壊の頃、盛んに経済評論家と称する輩が、米国では融資をする時、日本の様に不動産を担保にした融資ではなく、その企業の経営実態を見て融資すると日本を卑下して米国を持ち上げていたが、その後すぐ不正融資でエンロン事件は起きた。不動産担保主義での米国住宅バブル崩壊も今度は借り手がモラルハザードを起している様で。

米国住宅バブル - 払えない? じゃあ出ていこう ニューイングランド通信さんなんだが。抜粋させて頂きます

住宅ローン支払いは突然上がる。家の価値は急落。「やーめた。」
ホームオーナーたちは家を捨てている、そして注目すべきは、彼らは低下するアセットの上がる支払いを続けるかわりに、住宅ローンも捨てているところだ。かなりの人々が家の鍵を貸し手に返し始めた。新語、"Jingle Mail"はこのことだ。 

現在の貸出し方法では、極端な場合、家を捨ててしまう方が意味があるという環境になっている。クレジットスコアは住宅ローン不履行を一つやるよりも、クレジットカードの支払い、車のローンの支払い等、複数のローンで不履行になる場合の方が傷つく。

しかもMortgage Debt Relief Act of 2007のお蔭でもっと家を捨てるのが簡単になった。以前は、もし銀行が債務不履行になった家を売り払った時に、その額がローンより低いと、借り手側がその差額分にかかる所得税を支払わなくてはいけなかったのだが、今は支払わなくて良くなった。貸し手側は借り手が、クレジットスコアを傷つけても住宅費用を大幅に削減できる方が価値があると知ることを恐れている。

良いスコアと$600,000の家のある人が、同じような家を$450,000で近所に買えるとしたら、そっちを買って$600,000のローンは捨ててしまうことができる。この現象は特に、ものすごい数のバイヤーが低頭金、もしくは無しで家を買うカリフォルニアを舞台にしている。これが新しいビジネスにさえなっている。

San DiegoにあるYouWalkAway.comだ。$1000で家を捨てる方を顧客に教えるビジネスだ。1月に始め、すでに180人の顧客がサインしたという。カリフォルニアは、こういった借り手にとってはちょっとした天国だ。

銀行が再所有し、売り払った不動産がローン額よりも低くても、その差額を借り手に要求できない決まりになっている。過去にリファイナンスしたことがなければ、$200,000のローンのある家が$170,000でしか売れなくとも、借り手は無借金になって逃げることができる。

そして、多くのホームオーナーにとって、無借金になる事が魅力的になってきている

なんというか、米国のノンリコースローンって日本から見ればうらやましい。バブルの崩壊で担保価値が大幅に下がることを全然おりこんでいないみたいだね。ルーズというかバカというか。その点日本は厳しいね。差額は破産宣告でもしないとチャラには出来ないし、なんといっても連帯保証人制度だから連帯保証人はかわいそうだよ。大抵親族縁者、友人、仕事関係。共倒れだからね。勿論今は保証協会ってのがあるが、結構金が掛かるし、そもそもあれも大丈夫なのかね。不良債権化してるとか、してないとか。

ただ米国内で納めて、他国に迷惑を掛けなければいいんだが、それをCDOにして、尻拭きを世界各国にさせているから問題なんだよ。モノラインが今度は危ないとか、次々後から日本では新語が出てきてオイラの頭では追いつかない。とにかく雰囲気としては、米国は住宅バブルで、国内に莫大な消費需要を生み出してきた。経済を好調にさせてきた。住宅関連の波及効果はものすごい。それがこけた。輸出していた国々はものが売れなくなり、関連バブルだったところも皆こける。欧州も住宅バブルだったので連れションベン。恐怖を通りこして笑ってしまう。

一粒で二度美味しいオイラのブログ:  今日の画像

1930年代。大恐慌。

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